調度ちょうど)” の例文
土足の武者たちは、局々つぼねつぼね調度ちょうどを荒らし、御簾みすを引き落し、お座所の御手筥みてばこからとばりまでひッくり返して、家探しに興がッた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
机の前には、回転椅子が一つそなえつけてある。その他には、側置卓子サイドテーブルが一つと屑籠くずかごが一つころがっているきり——これがこの室の全調度ちょうどである。
鉄の規律 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
相当な調度ちょうどの類から洋服箪笥まで備え、艶やかに光ってる額の上の髪を、毎朝二十分もかかって綺麗に分けてる野村に、そんな負債があろうとは夢にも思わなかったのである。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
いちおう調度ちょうどに眼を通して、さて喜八に言って主人の戸棚を開けさせました。
それら脂粉しふん絢爛けんらん調度ちょうどにとりまかれている陶工久米一は、左眼さがんのつぶれた目っかちで、かつ醜男ぶおとこで、えてはいるが、年、六十から七十の間。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、短檠たんけいのかげ、たなのかげ、調度ちょうどのもののかげのほか、あやしいというもののかげは見あたらない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
通された室は、調度ちょうどとて、ろくにないが、清潔ではある。