“かっぷく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恰幅83.5%
割腹7.1%
恰腹3.5%
格幅3.5%
恰服1.2%
格服1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちらりとFさんの恰幅かっぷくのいい肩が見え、その陰からまたしてもひらめくやうに、姉さまの白い顔がこちらを振り返つたやうな気がしました。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
このたびの儀は、備前家来日置帯刀へきたてわきに謹慎を申し付け、下手人滝善三郎に割腹かっぷくを申し付けたから、そのことを各国公使に告げるよう勅命をこうむった、としたためてある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
客のうちで赭顔あからがお恰腹かっぷくの好い男が仕手してをやる事になって、その隣の貴族院議員がわき、父は主人役で「娘」と「男」を端役はやくだと云う訳か二つ引き受けた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほおの豊かな面長の顔で、それに相応ふさわしい目鼻立ちはさばけてついているが、いずれもしたたかに露を帯びていた。身丈も格幅かっぷくのよい長身だが滞なくしなった。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼等は見るから気持の好い、恰服かっぷくのいい紳士であった。そして、今や帽子を脱いで、スクルージの事務室に立っていた。彼等は手に帳簿と紙とを持って、彼にお辞儀をした。
まだ遠くも行かないうちに、向うから例の恰服かっぷくの好い紳士がこちらへやって来るのを見た。
さういふ先生の一人に、なにがし先生といつて、婆羅門ばらもん哲学の先生がゐた。齢はまだ三十七八で、見たところ格服かっぷくの良い紳士であるが、惜しいことには、いつも眠さうな顔をしてゐる。
風人録 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)