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恰
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あだか
ふりがな文庫
“
恰
(
あだか
)” の例文
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
なん
)
の
為
(
ため
)
に
私
(
わたし
)
だの、そらここにいるこの
不幸
(
ふこう
)
な
人達
(
ひとたち
)
ばかりが
恰
(
あだか
)
も
献祭
(
けんさい
)
の
山羊
(
やぎ
)
の
如
(
ごと
)
くに、
衆
(
しゅう
)
の
為
(
ため
)
にここに
入
(
い
)
れられていねばならんのか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
昭和二年
(
しようわにねん
)
、
大噴火
(
だいふんか
)
をなしたときも
噴火口
(
ふんかこう
)
から
流
(
なが
)
れ
出
(
で
)
る
鎔岩
(
ようがん
)
が、
恰
(
あだか
)
も
溪水
(
たにみづ
)
の
流
(
なが
)
れのように
一瀉千里
(
いつしやせんり
)
の
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て
駈
(
か
)
け
下
(
くだ
)
つたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
麻酔剤によって仮死の状態に置かれてある人体は、首を切断されたまま、
恰
(
あだか
)
も泥人形の首が
捥
(
も
)
げたように、何うしてももう附着しなかった。
三稜鏡:(笠松博士の奇怪な外科手術)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
出港
(
しゆつかう
)
のみぎり
白色檣燈
(
はくしよくしやうとう
)
の
碎
(
くだ
)
けた
事
(
こと
)
、メシナ
海峽
(
かいきよう
)
で、
一人
(
ひとり
)
の
船客
(
せんきやく
)
が
海
(
うみ
)
に
溺
(
おぼ
)
れた
事等
(
ことなど
)
、
恰
(
あだか
)
も
天
(
てん
)
に
意
(
こゝろ
)
あつて、
今回
(
こんくわい
)
の
危難
(
きなん
)
を
豫知
(
よち
)
せしめた
樣
(
やう
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
恰
(
あだか
)
も
呂
(
ろ
)
の字の形とでも言おうか、その
中央
(
なか
)
の棒が廊下ともつかず座敷ともつかぬ、細長い部屋になっていて、妙に
悪
(
わ
)
るく陰気で暗い
処
(
ところ
)
だった。
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
恰
(
あだか
)
も四月末だったので、百姓が麦を刈り取って馬に積み、前を通った。すると氏政は側近の者に、あれで直ぐ麦飯を作って持って来いと命じた。
小田原陣
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
恰
(
あだか
)
もその肉体の魅力で私を脅迫するかのように、真珠色に濡れた乳をゆらめかせながら、私の顔をニッコリと覗き込んだ。声を低くして囁いた。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
丁度その方向が容疑者の真正面に当りましたので、
恰
(
あだか
)
も一匹の白蛇が、彼に向って飛びかかるかのように見えたのです。
三つの痣
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
恰
(
あだか
)
も『オイ、君、離して呉れてはどうだね。さう押すとおれはひよつとすると土俵の外へ出て仕舞ふかも知れないよ』
怪物取組画譜:出羽ヶ嶽その日その日
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
甲胄堂
(
かつちうだう
)
の
婦人像
(
ふじんざう
)
のあはれに
絵
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
のあせたるが、
遥
(
はる
)
けき
大空
(
おほぞら
)
の
雲
(
くも
)
に
映
(
うつ
)
りて、
虹
(
にじ
)
より
鮮明
(
あざやか
)
に、
優
(
やさ
)
しく
読
(
よ
)
むものゝ
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
りて、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
恰
(
あだか
)
も
活
(
い
)
けるが
如
(
ごと
)
し。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
是
(
こ
)
れは
済
(
す
)
まぬ事だと思い、
恰
(
あだか
)
も一念こゝに
発起
(
ほっき
)
したように断然酒を
止
(
や
)
めた。スルト塾中の
大
(
おお
)
評判ではない
大笑
(
おおわらい
)
で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
恰
(
あだか
)
も
向岸
(
むこうぎし
)
の火事を見る様に
傍
(
かたわら
)
で見ていて
如何
(
どう
)
する事も出来ず、
唯
(
ただ
)
はらはらと気を
揉
(
も
)
んでいたばかりであった。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
自分は
恰
(
あだか
)
も姑の不平を訴へる若い嫁のやうに、來訪者の顏を見るや否や、既に此れまで
幾度
(
いくたび
)
となく聞かした歸朝後の不平、日本の生活の不便を繰返して話した。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
若
(
も
)
し一歩を
誤
(
あやま
)
らんか深谷中に
滑落
(
こつらく
)
せんのみ、其
危険
(
きけん
)
言
(
お
)
ふべからず、
恰
(
あだか
)
も四足獣の住所に
異
(
こと
)
らずと云ふべし。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
そこの窓際まで来て、雨戸を開けて、
恰
(
あだか
)
も
戸外
(
おもて
)
の人と
談
(
はなし
)
をしているかの様子であった、
暫時
(
しばらく
)
して、
老爺
(
おやじ
)
はまた戸を閉めて、手に何か持ちながら
其処
(
そこ
)
の座に戻って来たが
千ヶ寺詣
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
突然、
恰
(
あだか
)
もこれから攻めよせて来る海の大動乱を知らせる先触れのよう、一きわ、きわだった大きな波が、二三
畝
(
うね
)
どこからともなく起って、入江の口へ押しよせました。
少年と海
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
大聲
(
おほごゑ
)
で『
雲飛
(
うんぴ
)
先生
(
せんせい
)
、雲飛先生! さう
追駈
(
おつかけ
)
て
下
(
くださ
)
いますな、
僅
(
わづ
)
か四兩の
金
(
かね
)
で石を賣りたいばかりに仕たことですから』と、
恰
(
あだか
)
も
空中
(
くうちゆう
)
人
(
ひと
)
あるごとくに
叫
(
さけ
)
び
來
(
く
)
るのに
出遇
(
であ
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
最も近き山に
入
(
い
)
り、蕨を採りたりしに、四囲より小虫の集る事は、
恰
(
あだか
)
も
煙
(
けぶり
)
の内に在るが如くにして、面部
頸
(
くび
)
手足等に附着して
糠
(
ぬか
)
を撒布したるが如くにして、皮膚を見ざるに至れり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
すると或年下の友人は
恰
(
あだか
)
もそれを待つてゐたかのやうに、忽ちその先を暗誦したさうである。抒情詩人としての薄田泣菫氏の如何に一代を風靡したかはかう言ふ逸話にも明かであらう。
人及び芸術家としての薄田泣菫氏:薄田泣菫氏及び同令夫人に献ず
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは
恰
(
あだか
)
も昔の七つさがり、
即
(
すなわ
)
ち
現今
(
いま
)
の四時頃だったが、
不図
(
ふと
)
私は眼を覚ますと、店から奥の方へ行く土間の
隅
(
すみ
)
の所から、何だかポッと
烟
(
けむ
)
の様な、
楕円形
(
だえんけい
)
の
赤児
(
あかんぼ
)
の大きさくらいのものが
子供の霊
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
かなり広いが、これも長年手を
入
(
はい
)
らぬと見えて、一面に
苔
(
こけ
)
が
蒸
(
む
)
して、草が生えたなりの
有様
(
ありさま
)
なのだ、それに座敷の正面のところに、一本古い桜の樹があって、
恰
(
あだか
)
も
墨染桜
(
すみぞめざくら
)
とでもいいそうな
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
敵は血に
染
(
そ
)
みたる洋刃を
揮
(
ふる
)
って、更に市郎を目がけて飛び
蒐
(
かか
)
って来たが、
其
(
そ
)
の
眼前
(
めさき
)
に
恰
(
あだか
)
も燐寸の火が
溌
(
ぱっ
)
と燃ゆるや、彼は電気に打たれたように、
猝
(
にわか
)
に刃物をからりと落して、両手で顔を
掩
(
おお
)
ったまま
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
私
(
わたし
)
だの、そら
此處
(
こゝ
)
にゐる
此
(
こ
)
の
不幸
(
ふかう
)
な
人達計
(
ひとたちばか
)
りが
恰
(
あだか
)
も
獻祭
(
けんさい
)
の
山羊
(
やぎ
)
の
如
(
ごと
)
くに、
衆
(
しゆう
)
の
爲
(
ため
)
に
此
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
れられてゐねばならんのか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恰
(
あだか
)
も
炭團屋
(
たどんや
)
の
長男
(
ちやうなん
)
のやうになつた
事
(
こと
)
には
氣
(
き
)
の
付
(
つ
)
かぬ
無邪氣
(
むじやき
)
さ、
只更
(
ひたすら
)
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
指
(
ゆびさ
)
し
笑
(
わら
)
つたなど、
苦
(
くる
)
しい
間
(
あひだ
)
にも
隨分
(
ずいぶん
)
滑※
(
こつけい
)
な
話
(
はなし
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『もう一
度
(
ど
)
復誦
(
ふくせう
)
して
呉
(
く
)
れッて、
娘
(
むすめ
)
に
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
へ』
其
(
そ
)
れは
恰
(
あだか
)
も
愛
(
あい
)
ちやん
以上
(
いじやう
)
に
或
(
あ
)
る
權威
(
けんゐ
)
を
持
(
も
)
つてゞも
居
(
ゐ
)
るかのやうに、グリフォンの
方
(
はう
)
を
顧
(
かへり
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
恰
(
あだか
)
も自分で建築した迷路の中を、苦しみさまようことに興味を持って居るかのように見えるのが人間の常であります。
人工心臓
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
これで
思出
(
おもいだ
)
したが、この魔のやることは、
凡
(
すべ
)
て、
笑声
(
わらいごえ
)
にしても、
唯
(
ただ
)
一人で笑うのではなく、アハハハハハと
恰
(
あだか
)
も
数
(
す
)
百人の笑うかの如き
響
(
ひびき
)
をするように思われる。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
恰
(
あだか
)
も
相撲
(
すまふ
)
のとき、
土俵
(
どひよう
)
の
中央
(
ちゆうおう
)
からずる/\と
押
(
お
)
された
力士
(
りきし
)
が、
劍
(
つるぎ
)
の
峯
(
みね
)
に
蹈
(
ふ
)
み
耐
(
こら
)
へる
場合
(
ばあひ
)
のようである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
一方には坑長の住宅の新築祝いに手伝いに行ってから
以来
(
このかた
)
、若い二度目の奥さんに取り入って、
恰
(
あだか
)
も源次の勢力に対抗するかのようにチョイチョイ御機嫌伺いに行っては
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
恰
(
あだか
)
もかの
厳島
(
いつくしま
)
の社の廻廊が満つる潮に洗われておるかのように見える、もっと驚いたのは、この澄んでいる水面から、深い
水底
(
みなそこ
)
を見下すと、土蔵の
白堊
(
はくあ
)
のまだ
頽
(
こわ
)
れないのが
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は三年の
壽命
(
じゆみやう
)
位
(
ぐらゐ
)
は
何
(
なん
)
でもないと
答
(
こた
)
へたので老叟、二本の
指
(
ゆび
)
で一の
竅
(
あな
)
に
觸
(
ふれ
)
たと思ふと石は
恰
(
あだか
)
も
泥
(
どろ
)
のやうになり、手に
隨
(
したが
)
つて
閉
(
と
)
ぢ、
遂
(
つひ
)
に
三個
(
みつゝ
)
の
竅
(
あな
)
を
閉
(
ふさ
)
いで
了
(
しま
)
つて、さて言ふには
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
時
恰
(
あだか
)
も鎮西に於ける官軍の活動も活溌であった。正行にすれば、此の際東西相呼応する大共同作戦も胸中に描いて居たらしい。併し何としても敵は十数ヶ国の兵を集めて優勢である。
四条畷の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
何だか小さい手で
恰
(
あだか
)
も
合掌
(
がっしょう
)
しているようなのだが、頭も足も
更
(
さら
)
に解らない、ただ灰色の
瓦斯体
(
ガスたい
)
の様なものだ、こんな風に、同じ様なことを三度ばかり
繰返
(
くりかえ
)
したが、その
後
(
ご
)
はそれも
止
(
と
)
まって
子供の霊
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
二十日、瑞暲と北宝とが
前脚
(
ぜんきゃく
)
を挙げて
恰
(
あだか
)
も相撲の如くして遊ぶを見て
楽
(
たのし
)
めり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
普通病気などで
蒼褪
(
あおざめ
)
るような
分
(
ぶん
)
ではない、それは
恰
(
あだか
)
も
緑青
(
ろくしょう
)
を塗ったとでもいおうか、まるで
青銅
(
からかね
)
が
錆
(
さび
)
たような顔で、男ではあったが、
頭髪
(
かみのけ
)
が長く延びて、それが
懶惰
(
ものぐさ
)
そうに、むしゃくしゃと
青銅鬼
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
恰
(
あだか
)
も
四肢
(
しし
)
を以て
匍匐
(
ほうふく
)
する所の四足獣に
化
(
くわ
)
し
去
(
さ
)
りたるの
想
(
おも
)
ひなし、
悠然
(
いうぜん
)
坦途
(
たんと
)
を
歩
(
あゆ
)
むが如く、行々山水の
絶佳
(
ぜつくわ
)
を
賞
(
しやう
)
し、或は
耶馬渓
(
やまけい
)
も
及
(
およ
)
ばざるの
佳境
(
かけう
)
を
過
(
す
)
ぎ、或は
妙義山
(
めうぎざん
)
も三舎を
避
(
さ
)
くるの
険所
(
けんしよ
)
を
踏
(
ふ
)
み
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
如何
(
どう
)
しても口が利けないし、声も出ないのだ、ただ女の
膝
(
ひざ
)
、
鼠地
(
ねずみじ
)
の
縞物
(
しまもの
)
で、お
召縮緬
(
めしちりめん
)
の着物と紫色の帯と、これだけが見えるばかり、そして
恰
(
あだか
)
も上から何か重い物に、
圧
(
おさ
)
え付けられるような具合に
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
兎角
(
とかく
)
する
程
(
ほど
)
に、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
は
試運轉
(
しうんてん
)
を
終
(
をは
)
り、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
一隊
(
いつたい
)
を
指揮
(
しき
)
して
上陸
(
じやうりく
)
した。
電光艇
(
でんくわうてい
)
は
恰
(
あだか
)
も
勇士
(
ゆうし
)
の
憩
(
いこ
)
うが
如
(
ごと
)
く、
海岸
(
かいがん
)
間近
(
まぢか
)
く
停泊
(
ていはく
)
して
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
來
(
き
)
たのは
白兎
(
しろうさぎ
)
でした、
再
(
ふたゝ
)
び
駈
(
か
)
け
戻
(
もど
)
つて
來
(
き
)
て、
恰
(
あだか
)
も
何
(
なに
)
か
遺失物
(
おとしもの
)
でもした
時
(
とき
)
のやうにきよろ/\
四邊
(
あたり
)
を
見廻
(
みまは
)
しながら
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
三人
(
さんにん
)
此
(
こ
)
の
処
(
ところ
)
に、
割籠
(
わりご
)
を
開
(
ひら
)
きて、
且
(
か
)
つ
飲
(
の
)
み
且
(
か
)
つ
大
(
おほい
)
に
食
(
くら
)
ふ。
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
も
無
(
な
)
げなる
事
(
こと
)
、
恰
(
あだか
)
も
妓
(
ぎ
)
を
傍
(
かたはら
)
にしたるが
如
(
ごと
)
し。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五本の指、
掌
(
たなごころ
)
、
前膊
(
ぜんはく
)
、
上膊
(
じょうはく
)
、肩胛骨、その肩胛骨から発した肉腫が頭となって、全体が
恰
(
あだか
)
も一種の生物の死体ででもあるかのように、血に
塗
(
まみ
)
れて横たわって居た。
肉腫
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
或
(
あるひ
)
は
患者
(
くわんじや
)
に
對
(
たい
)
して、
單
(
たん
)
に
形式以上
(
けいしきいじやう
)
の
關係
(
くわんけい
)
を
有
(
も
)
たぬやうに
望
(
のぞ
)
んでも
出來
(
でき
)
ぬやうに、
此
(
こ
)
の
習慣
(
しふくわん
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
がさせて
了
(
しま
)
ふ、
早
(
はや
)
く
言
(
い
)
へば
彼等
(
かれら
)
は
恰
(
あだか
)
も、
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つて
羊
(
ひつじ
)
や、
牛
(
うし
)
を
屠
(
ほふ
)
り
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恰
(
あだか
)
も
陸上
(
りくじよう
)
に
於
(
お
)
ける
洪水
(
こうずい
)
の
如
(
ごと
)
き
觀
(
かん
)
を
呈
(
てい
)
するので
山津浪
(
やまつなみ
)
と
呼
(
よ
)
ばれるようになつたものであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
即
(
すなわ
)
ちその貼紙を発見したのだ、買った娘は、
恰
(
あだか
)
も何か白羽の矢が自分にでも当ったかの如く思って、ワッとばかり自分の前に泣き伏した、自分は
色々
(
いろいろ
)
と
慰
(
なぐさ
)
めて、
漸
(
ようや
)
く安心させたが
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
何処
(
どこ
)
から現われたのか
少
(
すこし
)
も気がつかなかったので、
恰
(
あだか
)
も地の底から
湧出
(
わきで
)
たかのように思われ、自分は驚いて
能
(
よ
)
く見ると
年輩
(
とし
)
は三十ばかり、
面長
(
おもなが
)
の鼻の高い男、背はすらりとした
膄形
(
やさがた
)
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは
恰
(
あだか
)
も旧暦八月の一日の夜で、
即
(
すなわ
)
ち名月の晩だったが、私は例の通り、師匠の
家
(
うち
)
をその朝早く出て、谷中に行って、終日遊んでとうとう夜食を馳走になって、
彼処
(
あちら
)
を出たのが、九時少し前
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
予は初めは和服にて蕨採りに出でし際に、小虫を耐忍する事
一時
(
ひととき
)
ばかりなるも、面部は一体に腫れ、殊に
眼胞
(
まぶた
)
は腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は
腫脹
(
しゅちょう
)
と
結痂
(
けっか
)
とにて
恰
(
あだか
)
も
頑癬
(
かさ
)
の如し。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
自分の家の庭へ出ようとした、
四隣
(
あたり
)
は月の光で昼間のようだから、決して道を迷うはずはなかろうと、その竹薮へかかると、突然
行方
(
ゆくて
)
でガサガサと
恰
(
あだか
)
も犬でも居るような音がした、
一寸
(
ちょっと
)
私も驚いたが
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
恰
(
あだか
)
も西軍にとって、一つの吉報が
齎
(
もたら
)
された。
応仁の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
恰
漢検準1級
部首:⼼
9画
“恰”を含む語句
恰好
恰度
不恰好
背恰好
年恰好
恰当
脊恰好
恰幅
無恰好
相恰
四十恰好
格恰
恰形
恰腹
形恰
無格恰
悧恰
恰顔斎
脊丈恰好
身丈恰好
...