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溪水
読み方 | 割合 |
たにみづ | 75.0% |
たにがは | 25.0% |
昭和二年、
大噴火をなしたときも
噴火口から
流れ
出る
鎔岩が、
恰も
溪水の
流れのように
一瀉千里の
勢を
以て
駈け
下つたのである。
と、
高き
調は
荒鷲の、
風を
搏いて
飛ぶごとく、
低き
調は
溪水の、
岩に
堰かれて
泣く
如く、
檣頭を
走る
印度洋の
風、
舷に
碎くる
波の
音に
和して、
本艦々上、
暫時は
鳴も
止まなかつた。
たゞ
左右の
斷崕と
其間を
迂回り
流るゝ
溪水ばかりである。
瀬を
辿つて
奧へ
奧へと
泝るに
連れて、
此處彼處、
舊遊の
澱の
小蔭にはボズさんの
菅笠が
見えるやうである。