扇子おおぎ)” の例文
……たきつけを入れて、炭をいで、土瓶どびんを掛けて、茶盆を並べて、それから、扇子おおぎではたはたと焜炉の火口ひぐちあおぎはじめた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
繻子しゅすの帯もきりりとして、胸をしっかと下〆したじめに女扇子おおぎを差し、余所行よそゆきなり、顔も丸顔で派手だけれども、気が済まぬか悄然しょんぼりしているのであった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
老人は膝に扇子おおぎうやうやしく腰をかが
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)