“ひきまく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引幕80.0%
引捲20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある日こと小介こものをして大きなる新調の引幕ひきまくを持ち来らしめ、こは自分が自由民権の大義を講演する時に限りて用うべき幕なれば、何とぞわが敬慕する尊姉そんしの名を記入されたく
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
二絃琴をひろめようとする気持ちと、おしょさんの派手ずきとから、引幕ひきまくを贈ることもあった。藤の花の下にの敷もの、二絃琴を描いてあとは地紙じがみぢらしにして名とりの名を書いたりした。
それ故私は旅館の寝床の毛布を引捲ひきまくる時にはいつも嫌悪の情に身をふるわす。ここで昨夜ゆうべは誰れが何をした。どんな不潔な忌わしい奴がこの蒲団マトラの上に寝たであろう。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
秀吉は此の時、遙か後の山上に立ち、あれを見よ、あれを見よとばかりに指さし、しり引捲ひきまくり小躍りしたと云うから、相当に目覚しい攻撃振りだと思われる。もっとも臀をまくるのは秀吉の癖である。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)