“えりまき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
襟巻80.3%
衿巻7.9%
襟卷3.9%
頸巻2.6%
襟捲1.3%
領巻1.3%
頸卷1.3%
頸捲1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中央まんなかに腰掛けて帽子を冠っている少年が橋本の正太、これが達雄、これが実、後に襟巻えりまきをして立ったのが森彦などと話して聞かせた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
銀杏返いちょうがえしに結った頭髪かみでもせず、黒い衿巻えりまきをして、お召の半コートを着ている下の方にお召の前掛けなどをしているのが見えて、不断のままである。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
母親はゝおやは五十ばかり、黒地くろぢのコートに目立めだたない襟卷えりまきして、質素じみ服姿みなりだけれど、ゆつたりとしてしか氣輕きがるさうな風采とりなり
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼はボードビルの劇場における事件の三日目に、古ぼけた外套を被って、頸巻えりまきに顔を埋め、ラマルチン広場からやや遠く離れたビクトル・ユーゴー街の共同椅子に腰を下ろしていた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
仕立やの隣りには此辺このほとりにて余り見ぬほど立派な西洋小間物を商ふ家がありましたが、例のシヤツ、靴足袋くつたび襟捲えりまきなどが華やかにブラさがつて居るうち
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
小さく巻いた束髪に、目立つような髪飾もしていないが、鼠色ねずみいろの毛皮の領巻えりまきをして、同じ毛皮のマッフを持っている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
義男が洋服を脱いでゐる間、みのるは鏡の前へ行つて、頸卷えりまきをしてくると大きい包を抱へて立つてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
荒いコートに派手な頸捲えりまきをして、毎日のように朝はやくから出歩いているお島が、掛先から空手からてでぼんやりして帰って来るような日が、幾日いくかも続いた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)