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脣
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くち
ふりがな文庫
“
脣
(
くち
)” の例文
最初の
脣
(
くち
)
づけはまた最後のものであった。その後マリユスは
脣
(
くちびる
)
を、コゼットの手か
襟巻
(
えりま
)
きか髪の毛かより以上のものには触れなかった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
誰かの
脣
(
くち
)
から、亡君という一語が洩れると、一同は、急に
胸
(
むな
)
さきがつまって来て、眼がしらに
渦
(
うず
)
のようなものが
沸
(
たぎ
)
った。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
燭台
(
しょくだい
)
のような形に
坐
(
すわ
)
り、柔らかく息をしながら、しっかり
脣
(
くち
)
を閉じ、眼の縁を
薔薇色
(
ばらいろ
)
にして、彼はじっと眼を据える。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
気のせいであったのか、それとも一種の幻惑の種類であったのか、ともかく、彼女の厚い
脣
(
くち
)
もとから鼻すじへかけて、深い微笑の皺が
綟
(
よ
)
れこんだ事は実際であった。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それから私はその
脣
(
くち
)
にブランディをつぎ込んだ。幸いにそれが
卓効
(
たくこう
)
を奏して、蒼白な彼の顔には再び血の気があらわれ、ふるえる手足をようやく落ち着かせるようになった。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
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てんでに丸い
脣
(
くち
)
してる唱歌隊へと注がれて。さて
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
透き通るような白い指をその
脣
(
くち
)
に押しあてた。
初雪
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
木かげの花に
脣
(
くち
)
ふるる色好みにはえも堪へじ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その胸も その
脣
(
くち
)
も その顏も その腕も
青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
『死』は半ば
脣
(
くち
)
を開いて 水を恋ひ
頌歌
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
その手、その
脣
(
くち
)
、その
唇
(
くちびる
)
の
別離
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
そうだ、愛と婦人と
脣
(
くち
)
づけ、その世界からだれも出られるものではない。わしはむしろそこにはいりたいと思うくらいだ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ちっと、父の
脣
(
くち
)
から舌打の出るような場合すらある。上野介は、元来が陽気で派手好みの方なのだ。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
笑ましげの
脣
(
くち
)
そと開けて、唇を半ば動かし
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
しらけたる
脣
(
くち
)
、乾きし頬
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
母親は扇のように翼をひろげて
雛
(
ひな
)
をおおうていた。父親は飛び上がって出て行き、それからまた戻ってきては、
嘴
(
くちばし
)
の中に餌と
脣
(
くち
)
づけをもたらしていた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その
脣
(
くち
)
に、天使の
脣
(
くち
)
をつけました……
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
と突然彼は
痙攣的
(
けいれんてき
)
に身を震わし、その口はコゼットの衣裳に吸い着いて、それに
脣
(
くち
)
づけをした。彼がなお生きてることを示すものはただそれだけだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
我等の
脣
(
くち
)
を顫はせる手よ
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
その会釈は、ヴェール越しの
脣
(
くち
)
づけにも似たものである。肉感は身を隠しながらそこにやさしい跡を刻む。肉感の前に、心はなお深く愛せんために身を退く。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その鼻、その
脣
(
くち
)
、その耳を
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
一つの
脣
(
くち
)
づけが二つの魂を結び合わしたあの
聖
(
きよ
)
い祝福された夜以来、マリユスは毎晩そこにやってきた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“脣(
唇
)”の解説
唇(くちびる、脣)とは、哺乳類の口の回りにある器官である。解剖学的には口唇(こうしん)という。
(出典:Wikipedia)
脣
漢検1級
部首:⾁
11画
“脣”を含む語句
口脣
下脣
上脣
脣辺
丹脣
兎欠脣
兎脣
明眸絳脣
脣吻
脣趾
脣邊
醜脣平鼻