“下脣”の読み方と例文
読み方割合
したくちびる100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
フランスの寺院にある浮き彫りを見た者は、賢い童貞らが不潔な娘らをながめながら、下脣したくちびるをとがらしているのを思い起こすだろう。
あごだけ見えて顔は見えない。どうかして顔が見たいものだ。あ。下脣したくちびるが見える。右の口角から血が糸のように一筋流れている。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ポケットの中に両手を握りしめ、小鳥のように首を振り、下脣したくちびるをつき出して慧敏けいびんらしいふくつらをした。