“深翠”の読み方と例文
読み方割合
ふかみどり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうちも心のく、山はと見ると、戸室とむろが低くなって、この医王山が鮮明あざやか深翠ふかみどり、肩の上から下に瞰下みおろされるような気がしました。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
池は小さくて、武蔵野の埴生はにゅうの小屋が今あらば、そのにわたずみばかりだけれども、深翠ふかみどり萌黄もえぎかさねた、水の古さに藻が暗く、取廻わした石垣も、草は枯れつつこけなめらか
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
葉桜の深翠ふかみどりしたたるばかりの頃に候へば、舞台の上下にいやしげりに繁りたる桜の葉ので候て、舞台は薄暗く、の毛氈の色も黒ずみて、もののしめやかなるなかに
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)