“浸透”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しんとう66.7%
しみとお33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうも今日の爆撃は変だね。いやに地底ふかく浸透しんとうするじゃないか。おい君、対空本部へ電話をかけて事情を聞いてみよ」
この新しい歌劇が西国から興って京に流行し東海方面にまで波及してきたのは、これは形をかえた一つの秀吉攻勢の浸透しんとうとも見ないわけにゆかない——とも家康は考えていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこらになまずでも湧出わきだしそうな、泥水の中へ引摺込ひきずりこまれそうな気がしたんで、骨まで浸透しみとおるほど慄然々々ぞくぞくするんだ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あけの明星の光明こうみょうが、嶮山けんざんずい浸透しみとおつて、横に一幅ひとはば水が光り、縦に一筋ひとすじむらさきりつつ真紅まっかに燃ゆる、もみぢに添ひたる、三抱余みかかえあまり見上げるやうな杉の大木たいぼくの、こずえ近い葉の中から
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)