“しみとお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沁透33.3%
滲透33.3%
浸透16.7%
沁徹8.3%
沁通8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒い汐風しおかぜが、蒼い皮膚を刺すように沁透しみとおった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一足外に出ると、外はクラクラするような明るさでとがり切った神経の三人は、思わずよろよろっと立止ってしまった。太陽はえた向日葵ひまわりのように青くさく脳天から滲透しみとおった。
あけの明星の光明こうみょうが、嶮山けんざんずい浸透しみとおつて、横に一幅ひとはば水が光り、縦に一筋ひとすじむらさきりつつ真紅まっかに燃ゆる、もみぢに添ひたる、三抱余みかかえあまり見上げるやうな杉の大木たいぼくの、こずえ近い葉の中から
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
渺々びょうびょうたる水面から、おのずから沁徹しみとおる。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝晩は東京の四月頃の陽気であったが、昼になると、急に真夏のような強い太陽の光熱が目や皮膚に沁通しみとおってほのかな草いきれが、鼻に通うのであった。一雨ごとに桑の若葉の緑が濃くなって行った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)