“木蔦”の読み方と例文
読み方割合
きづた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ベルは木蔦きづたの葉の中にわずかにボタンをあらわしていた。僕はそのベルの釦へ——象牙ぞうげの釦へ指をやった。ベルは生憎あいにく鳴らなかった。
悠々荘 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
風が東から吹く時には、対岸の村々の鐘が、ごく遠くからそれに響きを合わせる。木蔦きづたのからんだ壁に群がってるすずめが、騒がしく鳴きたてる。
……その時、向うの亭の木蔦きづたのからんだ四目垣よつめがきごしに、写真機を手にした明さんの姿がちらちらと見えたり隠れたりしているのにお前は気がついた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)