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注
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そそ
ふりがな文庫
“
注
(
そそ
)” の例文
たまたま燻製屋台へ買いに来た金博士の若いお手伝いの
鉛華
(
えんか
)
をルス嬢が勘のいいところで発見、そこへベラントが特技を
注
(
そそ
)
ぎ込んで
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その谷に
注
(
そそ
)
ぐ川はビエーヴル川であるから、この谷はパリの
郊外
(
こうがい
)
ではいちばんきたない
陰気
(
いんき
)
な所だと言いもし、
信
(
しん
)
じられもしていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
黄色い
埃
(
ほこ
)
りですぐ知れた。空地の草ッ原では、はや執行の寸前とみえ、
正午
(
しょううま
)
ノ
刻
(
こく
)
の合図を待って、首斬り刀に水を
注
(
そそ
)
ぐばかりらしい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に細君は自分のもっているあらゆる眼の輝きを集めて一度に夫の上に
注
(
そそ
)
ぎかけた。それから心持腰を
曲
(
かが
)
めて軽い
会釈
(
えしゃく
)
をした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗像博士は、満面に
朱
(
しゅ
)
を
注
(
そそ
)
いで、川手氏にというよりは、寧ろ我れと我が心に誓うもののように、烈しい決意を示すのであった。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
「爾の力は強きこと不弥の
牡牛
(
おうし
)
のようである。われは爾のごとき強き男を見たことがない。」と卑弥呼はいって反絵の酒盃に酒を
注
(
そそ
)
いだ。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
手に携えていた
香華
(
こうげ
)
を、木標の前の竹筒にさして、無言に立っていると、娘は阿枷の水を汲んで、
墓木
(
ぼぼく
)
と花とに
注
(
そそ
)
いでいる。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とにかく、彼の目がその像に
注
(
そそ
)
がれている時のほかは、彼はどうしても姫が金になってしまったとは信じられませんでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
これに反し、われわれの最も
意
(
い
)
を
注
(
そそ
)
ぐべき
心掛
(
こころがけ
)
は平常毎日の言行——言行と言わんよりは心の持ち方、精神の態度である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ト木彫のあの、
和蘭陀
(
オランダ
)
靴は、スポンと裏を見せて
引顛返
(
ひっくりかえ
)
る。……
煽
(
あおり
)
をくつて、論語は、ばら/\と暖炉に映つて、
赫
(
かっ
)
と朱を
注
(
そそ
)
ぎながら、
頁
(
ペエジ
)
を
開
(
ひら
)
く。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
長
(
なが
)
い
眠
(
ねむ
)
りから、いま、
目
(
め
)
がさめたように、
満面
(
まんめん
)
紅潮
(
こうちょう
)
を
注
(
そそ
)
いで、にっこりとしたものがあります。それは、
純吉
(
じゅんきち
)
でした。
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
銭
(
ぜに
)
を
擲
(
な
)
げては
陰陽
(
いんよう
)
を
定
(
さだ
)
める、——それがちょうど六度続いた。お
蓮
(
れん
)
はその穴銭の順序へ、心配そうな眼を
注
(
そそ
)
いでいた。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人の世のあじきなさ、しみじみと骨にも
透
(
とお
)
るばかりなり。もし妾のために同情の
一掬
(
いっきく
)
を
注
(
そそ
)
がるるものあらば、そはまた世の不幸なる人ならずばあらじ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
背筋
(
せすじ
)
へ水を
注
(
そそ
)
がれる思いで、言葉を交わしていた伝七は、ふと気付いたことがあるままに、早々にして席を立った。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ああ背立ち割られ鉛の熱湯
注
(
そそ
)
がれようとままよ、いのちのかぎり
根
(
こん
)
かぎり、扇一本舌三寸でこの私は天地万物あらゆる姿を写しいださいでおくものか。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
荒れ果てた墓場のような地下室——うす暗い明りを背中にした六つの眼が、じっと少女の上に
注
(
そそ
)
がれているのだ!
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
よろめき、へとへとになり、地べたに倒れ、顔と顔とを押しつけ、両眼は猫の片眼に
注
(
そそ
)
いだまま、坐ってしまう。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
妖怪はそのときすでに鯉を平げてしまい、なお
貪婪
(
どんらん
)
そうな眼つきを悟浄のうなだれた
頸筋
(
くびすじ
)
に
注
(
そそ
)
いでおったが、急に、その眼が光り、
咽喉
(
のど
)
がゴクリと鳴った。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
仮令
(
たとい
)
お手紙を上げたとて、
虚
(
うそ
)
が
信
(
まこと
)
になりもせず、涙をどれ程
注
(
そそ
)
いでも死んだものが生き戻りはいたしますまい。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
彼が
不得要領
(
ふとくようりょう
)
の
申立
(
もうしたて
)
をすれば
為
(
す
)
るほど、
疑惑
(
うたがい
)
の眼はいよいよ彼の上に
注
(
そそ
)
がれて、係官は厳重に
取調
(
とりしらべ
)
を続行した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし
人間
(
にんげん
)
の
至誠
(
しせい
)
と
申
(
もう
)
すものは、
斯
(
こ
)
うした
場合
(
ばあい
)
に
大
(
たい
)
した
働
(
はたら
)
きをするものらしく、くしびな
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
が
私
(
わたくし
)
から
娘
(
むすめ
)
に、
娘
(
むすめ
)
から
小供
(
こども
)
へと一
道
(
だう
)
の
光
(
ひかり
)
となって
注
(
そそ
)
ぎかけ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
女はそこの
横町
(
よこちょう
)
を左へ曲った。むこうから
待合
(
まちあい
)
の帰りらしい二人の
壮
(
わか
)
い男が来たが、その二人の眼は哲郎の方へじろじろと
注
(
そそ
)
がれた。彼はきまりが悪かった。
青い紐
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
嵐は益〻
吼
(
ほ
)
え狂い、雪は滝のように降り
注
(
そそ
)
ぎ、硫黄ヶ滝の絶壁は
経帷子
(
きょうかたびら
)
で蔽われたように、白一色の物凄さ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
然しながら都会を養い、都会のあらゆる不浄を
運
(
はこ
)
び去り、新しい
生命
(
いのち
)
と元気を都会に
注
(
そそ
)
ぐ大自然の役目を勤むる田舎は、都会に貢献する所がないであろう乎。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
京都の駅に着いた時、もう降り始めていた小雨が、暗くなると本降りになって夜を通して
蕭条
(
しょうじょう
)
と降り
注
(
そそ
)
ぐ。
雨の宿
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
現今
(
げんこん
)
では
精神病者
(
せいしんびょうしゃ
)
の
治療
(
ちりょう
)
に
冷水
(
れいすい
)
を
注
(
そそ
)
がぬ、
蒸暑
(
むしあつ
)
きシャツを
被
(
き
)
せぬ、そうして
人間的
(
にんげんてき
)
に
彼等
(
かれら
)
を
取扱
(
とりあつか
)
う、
即
(
すなわ
)
ち
新聞
(
しんぶん
)
に
記載
(
きさい
)
する
通
(
とお
)
り、
彼等
(
かれら
)
の
為
(
ため
)
に、
演劇
(
えんげき
)
、
舞蹈
(
ぶとう
)
を
催
(
もよお
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そのあと、やっと思いきったように、立ちあがるには立ちあがったが、それでもすぐには室を出ようとせず、うつろな眼を戸口に
注
(
そそ
)
いだまま、立ちすくんでいた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
草でも木でも最も
勇敢
(
ゆうかん
)
に自分の
子孫
(
しそん
)
を
継
(
つ
)
ぎ、自分の種属を
絶
(
た
)
やさぬことに全力を
注
(
そそ
)
いでいる。だからいつまでも植物が地上に生活し、けっして
絶滅
(
ぜつめつ
)
することがない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
源叔父は
櫓
(
ろ
)
こぎつつ
眼
(
まなこ
)
を遠き
方
(
かた
)
にのみ
注
(
そそ
)
ぎて、ここにも浮世の笑声高きを
空耳
(
そらみみ
)
に聞き、一言も
雑
(
まじ
)
えず。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ここに至りてようやく其者流に移る者多し。およそ儒者に漢土のことを談ずるときは意を
注
(
そそ
)
いで
聴
(
き
)
き、
商估
(
しょうこ
)
に利得のことを
話
(
はなし
)
するときは耳を
聳
(
そばだて
)
て聴く。農や工や皆
然
(
しか
)
り。
平仮名の説
(新字新仮名)
/
清水卯三郎
(著)
(まぐろの茶漬けというものは、
炊
(
た
)
きたての御飯の上に、まぐろを二切れ三切れ、おろし少々載せて、
醤油
(
しょうゆ
)
をかけ、その上から
煎茶
(
せんちゃ
)
の濃い熱いのを
注
(
そそ
)
いで食うのである)
鮪を食う話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
川はちょうどこの吉野山の麓あたりからやや打ち
展
(
ひら
)
けた平野に
注
(
そそ
)
ぐので、水勢の
激
(
はげ
)
しい渓流の
趣
(
おもむき
)
が、「山なき国を流れけり」と云うのんびりとした姿に変りかけている。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
剰
(
あまつ
)
さへ細雨を
注
(
そそ
)
ぎ来りしが、
甚
(
はなはだ
)
しきに至らずして
己
(
や
)
み、為めに
少
(
すこ
)
しく
休暇
(
きうか
)
することを得たり。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
平助はいろいろ考えていましたが、ふと
名案
(
めいあん
)
が浮かんできました。村の側を流れてる川が海に
注
(
そそ
)
ごうという川口のそばに、大きな
入江
(
いりえ
)
がありまして、深い深い沼を作っていました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それより湯を
煮立
(
にた
)
てて
焼錐
(
やききり
)
の穴より
注
(
そそ
)
ぎ込みて、ついにそのヤマハハを殺し二人ともに親々の家に帰りたり。昔々の話の終りはいずれもコレデドンドハレという語をもって結ぶなり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その家には
店
(
みせ
)
に
妓夫
(
ぎふ
)
が二人出ていた。大きい
洋燈
(
らんぷ
)
がまぶしくかれの姿を照らした。張り見世の女郎の眼がみんなこっちに
注
(
そそ
)
がれた。内から迎える声も何もかもかれには夢中であった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「源太郎君、もう数学はあれで沢山だから、これから
暗記
(
あんき
)
ものに全力を
注
(
そそ
)
ぎ給え」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
真面目な雅致のある方の句はわかって居るが微細な点に意を
注
(
そそ
)
いだ句の味は少しわかりかねるようである。いわば元禄趣味はよくわかって居るが天明趣味の句はまだわからない処がある。
病牀苦語
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
人工心臓の発明に力を
注
(
そそ
)
いでくれなかったかと痛嘆するのでありました。
人工心臓
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
力なげ首
悄然
(
しおしお
)
と
己
(
おの
)
れが
膝
(
ひざ
)
に
気勢
(
いきおい
)
のなきたそうなる眼を
注
(
そそ
)
ぎ居るに引き替え、源太郎は
小狗
(
こいぬ
)
を
瞰下
(
みおろ
)
す
猛鷲
(
あらわし
)
の風に臨んで千尺の
巌
(
いわお
)
の上に立つ風情、腹に
十分
(
じゅうぶ
)
の強みを抱きて、背をも
屈
(
ま
)
げねば肩をも
歪
(
ゆが
)
めず
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「へえ、いらっしゃい」と、薄暗い店で
算盤
(
そろばん
)
をはじいていた番頭が顔をあげて私を迎えたが、多分私の
身窄
(
みすぼ
)
らしい
装
(
なり
)
を見て物にならないと思ったのであろう、再びまた算盤と帳簿との上に目を
注
(
そそ
)
いだ。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
地に傾けてその酒をおれに
注
(
そそ
)
いでくれ。
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
一様
(
いちやう
)
に
白
(
しろ
)
い
犬
(
いぬ
)
の
耳
(
みみ
)
に
注
(
そそ
)
がれる。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
海にこそ
注
(
そそ
)
ぎいでしか
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「クリムスビーというと、
北海
(
ほっかい
)
へ
注
(
そそ
)
ぐハンバー
河口
(
かこう
)
を入って、すぐ南側にある小さい町です。河口は、なかなかいい港になっています」
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自分を仰いだと思うと、その城太郎が、はっと、手をつかえてしまった
容子
(
ようす
)
に、沢庵も眼を
注
(
そそ
)
いで、初めてそれと気づいたのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こっちでいくら思っても、向うが内心
他
(
ほか
)
の人に愛の
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そそ
)
いでいるならば、私はそんな女といっしょになるのは厭なのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私の主義はなにごとについても最善をつくし全力を
注
(
そそ
)
ぐということであるんですが、先生のは、あやふやじゃありませんかといわれたことがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
毒じゃない、私は
医師
(
いしゃ
)
です。早くお飲みなさい。という顔をまず
屹
(
きっ
)
と
視
(
み
)
て、やがて
四辺
(
あたり
)
を見廻しつ、泰助に眼を
注
(
そそ
)
ぎて、「あれは
誰方
(
どなた
)
。泰助は近く寄りて、 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも自分の中にある或心もちは、
動
(
やや
)
もすれば孤独地獄と云ふ語を介して、自分の同情を彼等の生活に
注
(
そそ
)
がうとする。が、自分はそれを
否
(
いな
)
まうとは思はない。
孤独地獄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“注”の意味
《名詞》
(チュウ、註の書き換え)注釈の略。
(出典:Wiktionary)
“注(
注釈
)”の解説
注釈(註釈、ちゅうしゃく、en: annotation)または注解(註解、ちゅうかい)とは、文章や専門用語について補足・説明・解説するための文書や語句。
本項では、古典や経典における注釈書(ちゅうしゃくしょ、en: commentary)についても扱う。
(出典:Wikipedia)
注
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“注”を含む語句
注意
不注意
水注
注意書
注視
注射
注連縄
注文
集注
御注意
注連
注進
注意深
注連繩
注連飾
問注所
傾注
奔注
御注進
御注
...