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嗾
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そそ
ふりがな文庫
“
嗾
(
そそ
)” の例文
平次はツイ口を
容
(
い
)
れました。金之丞の恐れ入った調子と、それに対照して、八五郎のトボケた調子が、たまらなく平次の
好謔心
(
こうぎゃくしん
)
を
嗾
(
そそ
)
ったのでしょう。
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
然し
斯
(
この
)
貧
(
まず
)
しい小さな野の村では、昔から
盆踊
(
ぼんおど
)
りと云うものを知らぬ。一年中で一番好い
水々
(
みずみず
)
しい大きな月が
上
(
あが
)
っても、其れは
断片的
(
きれぎれ
)
に若者の歌を
嗾
(
そそ
)
るばかりである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
目の下が、軒並の棟を貫いて、この家の三階へ、切立てのように掛けた、非常口の木の階段だったのが分りました。いずれ、客の好奇心を
嗾
(
そそ
)
ろうといった
誂
(
あつら
)
えと見えます。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このふれごとは、短いながら、人の眼前の快楽を
嗾
(
そそ
)
るにはかなりの力を持っていました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
表通りは人目が多いので、墓場の中を通って綾吉の長屋へ通ううち、臆病な人に見つかって、幽霊と間違えられたのが、ひどくお喜多の好奇心を
嗾
(
そそ
)
りました。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
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下駄穿
(
げたば
)
きに傘を提げて、
五月闇
(
さつきやみ
)
の途すがら、
洋杖
(
ステッキ
)
とは違って、雨傘は、開いて
翳
(
さ
)
しても、畳んで持っても、様子に何となく色気が添って、恋の道づれの影がさし、若い心を
嗾
(
そそ
)
られて
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
駒井甚三郎は、お角の疑いに何をか
嗾
(
そそ
)
られて沈黙しましたが、急に打解けて
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
甲府にいる時に、お君はたしかに神尾が一旦は思いをかけた女である、それをこの男が神尾へ売り込むとすれば、今でも神尾の好奇心を
嗾
(
そそ
)
るに充分であることはわかっているのであります。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
長崎屋の娘お喜多の浮気心を
嗾
(
そそ
)
って、囲いの鍵を盗み出させようとしましたが、妹と触れ込んだお京は、その実半之丞の女房と
覚
(
さと
)
られて、
驕慢
(
きょうまん
)
なお喜多の
妬心
(
としん
)
を
煽
(
あお
)
り、少し賢くない利吉を
煽動
(
せんどう
)
して
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
嗾
(
そそ
)
る。……
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お浜の附け加えたる言葉は竜之助の
帰心
(
きしん
)
を
嗾
(
そそ
)
るように聞えたか
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何だか知らないが、その声が竜之助の心を
嗾
(
そそ
)
りました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いよいよ人の心を
嗾
(
そそ
)
るようです。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嗾
漢検1級
部首:⼝
14画
“嗾”を含む語句
使嗾
御使嗾
指嗾
使嗾者
嗾掛
示嗾