“聳立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうりつ46.2%
そばだ26.9%
そびえた15.4%
しやうりつ3.8%
しようりつ3.8%
そばた3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……大きな建物ばかり、四方に聳立しょうりつした中にこの仄白ほのじろいのが、四角に暗夜やみいた、どの窓にも光は見えず、もやの曇りで陰々としている。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
狂画葛飾振の図中には痩細やせほそりしあし、肉落ちたる腕、聳立そばだちたる肩を有せる枯痩こそうの人物と、かたちくずるるばかり肥満し過ぎたる多血質の人物との解剖を見るべく
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
麓の春の豪華を、末濃おそごの裳にして福慈岳は厳かに、また莞爾かんじとして聳立そびえたっている。一たい伯母さんは幾つの性格を持っているのか知らん。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
即ち疾驅してこれをくだる。半里程はんりていにして、當面にはかに一大奇山の蜃氣樓のごとく聳立しやうりつしたるを認む。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
軽浮剽逸なる戯作者流を圧倒して、屹然きつぜん思想界に聳立しようりつしたる彼の偉功の如きは、文学史家の大に注目すべきところなるべし。
船の震動ようやく収まりし時、恐る恐る船底より甲板に這い出でて見れば、こはそもいかにこはいかに、前面に天をおおうがごとく聳立そばたつは一大氷山なり、余の乗れる船はついに地球の果に達し
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)