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聳
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そびやか
ふりがな文庫
“
聳
(
そびやか
)” の例文
その正面に当ってあたかも大きな船の浮ぶがように
吉原
(
よしわら
)
の
廓
(
くるわ
)
はいずれも用水桶を載せ頂いた
鱗葺
(
こけらぶき
)
の屋根を
聳
(
そびやか
)
しているのであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と細い聲で、靜に、冷笑的に謂ツて、チラと
對手
(
あひて
)
の顏を見る。そしてぐいと肩を
聳
(
そびやか
)
す。これは彼が得意の時に
屡
(
よ
)
く行る癖で。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
失わず「
御笑談
(
ごじょうだん
)
を
為
(
な
)
さるな私しが何をしました」目科は肩を
聳
(
そびやか
)
して「これ/\今と成て
仮忘
(
とぼ
)
けても
了
(
いけ
)
ないよ、其方が一昨夜梅五郎老人を殺し其家を出て行く所を ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
心持
頸
(
くび
)
を前の方に出して、胡坐の
膝
(
ひざ
)
へ片手を
逆
(
ぎゃく
)
に突いて、左の肩を少し
聳
(
そびやか
)
して、右の指で煙管を握って、薄い
唇
(
くちびる
)
の間から
奇麗
(
きれい
)
な歯を時々あらわして、——こんな事を云った。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
という、
変梃
(
へんてこ
)
な
捨科白
(
すてぜりふ
)
を残しながら三人は、無理に肩を
聳
(
そびやか
)
して出て行った。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
それにもかかわらず寺院は今なお市中
何処
(
いずこ
)
という限りもなく、あるいは坂の上
崖
(
がけ
)
の下、川のほとり橋の
際
(
きわ
)
、到る処にその門と堂の屋根を
聳
(
そびやか
)
している。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
日本橋の図は中央に
擬宝珠
(
ぎぼうしゅ
)
を
聳
(
そびやか
)
したる橋の欄干と、通行する群集の頭部のみを描きて図の下部を限り、荷船の浮べる運河を
挟
(
はさ
)
んで左右に立並ぶ倉庫の列を西洋画の遠近法に
基
(
もとづ
)
きて次第に遠く小さく
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
聳
漢検1級
部首:⽿
17画
“聳”を含む語句
聳立
聳動
相聳
聳目
秀聳
天聳
奇聳
直聳
立聳
聳抜
聳然
聳発
聳聽
高聳