“盛季”の読み方と例文
読み方割合
さかり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の庭園には多少の草花を栽培さいばいして置く。花の盛季さかりは、大抵農繁の季節に相当するので、悠々ゆうゆうと花見の案内する気にもなれず、無論見に来る者も無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
黄檗おうばくを出れば日本の茶摘みかな」茶摘みの盛季さかりはとく過ぎたれど、風は時々焙炉ほうろの香を送りて、ここそこに二番茶を摘む女の影も見ゆなり。茶の間々あいあいは麦黄いろくれて、さくさくとかまの音聞こゆ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
仁左衛門さんとこ大欅おおけやきが春の空をでて淡褐色たんかっしょくに煙りそめる。雑木林のならが逸早く、くぬぎはやゝ晩れて、芽をきそめる。貯蔵かこい里芋さといもも芽を吐くので、里芋を植えねばならぬ。月の終は、若葉わかば盛季さかりだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)