)” の例文
左右に振りく粟のたまも非常に軽そうだ。文鳥は身をさかさまにしないばかりにとがった嘴を黄色い粒の中に刺し込んでは、くらんだ首を惜気おしげもなく右左へ振る。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あるいは岩石の節理がくれ立ちて、木輪が、磨滅した木の肉から浮ぶように、つまみ上がって見えたりするが、雪の動作は、それとは反対に岩石を擦り円め、滑らかにさせ、磨き上げるのである。
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)