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践
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ふ
ふりがな文庫
“
践
(
ふ
)” の例文
旧字:
踐
何
(
いづ
)
れの家も寝静まつた深夜の、
寂寞
(
せきばく
)
の月を
践
(
ふ
)
んで来るのが、小米である、ハタと行き当つたので、兼吉の方から名を呼びかけると
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
孝廉は約束を
践
(
ふ
)
んで喬に連城をめあわそうと思って、先ずそのことを王の方に知らした。王は怒って官に訟えようとした。孝廉は当惑した。
連城
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
木人はそれを刈って
践
(
ふ
)
んで、たちまちに七、八升の蕎麦粉を製した。彼女はさらに小さい
臼
(
うす
)
を持ち出すと、木人はそれを
搗
(
つ
)
いて麺を作った。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かりに持明院統の
量仁
(
かずひと
)
を皇太子とはなされていても、もうそんな歴代のおろかな
轍
(
てつ
)
は、御自身ふたたび
践
(
ふ
)
もうなどとは思ってもおられない。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田舎
(
いなか
)
の書生、国を
出
(
い
)
ずるときは、難苦を
嘗
(
な
)
めて三年のうちに成業とみずから期したる者、よくその心の約束を
践
(
ふ
)
みたるや。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
そして心をつくしてその祈りを
践
(
ふ
)
み行なおうと心がけよ。できるだけ——あとは仏さまが助けてくださるだろう。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
心を二六時に
委
(
ゆだ
)
ねて、
隻手
(
せきしゅ
)
を動かす事をあえてせざるものは、
自
(
おのず
)
から約束を
践
(
ふ
)
まねばならぬ運命を
有
(
も
)
つ。安からぬ胸を秒ごとに重ねて、じりじりと
怖
(
こわ
)
い所へ行く。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蔬を
践
(
ふ
)
まず、山に小草木あれば、必ず環りて行き、以てその植を遂ぐ、猴はことごとくこれに反す〉。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一寸
(
ちょっと
)
時計を見ると九時二十分になる。改札口を出るまでは
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せず急いで出たが、夜は意外に暗い。パッタリと闇夜に突当って予は直ぐには行くべき道に
践
(
ふ
)
み出しかねた。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
……高ぶる者を見てこれを
悉
(
ことごと
)
く
鞠
(
かが
)
ませ、また悪人を
立所
(
たちどころ
)
に
践
(
ふ
)
みつけ、これを
塵
(
ちり
)
の中に埋めこれが
面
(
かお
)
を隠れたる処に閉じこめよ、さらば我も汝を
讃
(
ほ
)
めて汝の右の手汝を救い得るとせん。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
エルベがは上流の
雪消
(
ゆきげ
)
にはちす葉の如き氷塊、みどりの波にただよふとき、王宮の新年はなばなしく、足もと
危
(
あやう
)
き
蝋磨
(
ろうみが
)
きの
寄木
(
よせぎ
)
を
践
(
ふ
)
み、国王のおん前近う進みて、正服うるはしき立姿を拝し
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
是非なく山川も
一度
(
ひとたび
)
お帰りになりまして、美作守さまの御前に
於
(
おい
)
て、自分が実地を
践
(
ふ
)
んで、
何処
(
どこ
)
に何ういう事があり、
此処
(
こゝ
)
に斯ういう事があったとお物語を致し、
彼
(
か
)
の權六の事に及びますと
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
処々に
韻
(
いん
)
を
践
(
ふ
)
んであったり、熟字の使い方や何かが日本人離れをしているところなぞを見ると、やっぱりその名付親の勃海使が芬夫人の
譚
(
ものがたり
)
に感激して、船中の
徒然
(
つれづれ
)
に文案を作ってやったのを
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし、他の人は決して悪口したり蹴ったりしなかったが、ただ崑は少年の気ままから、喜べば忘れ、怒れば
践
(
ふ
)
み殺して、大事にしてやらなかった。十娘はすなおであったが、ただよく怒った。
青蛙神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
まる/\とした月を
象
(
かた
)
どる
環
(
わ
)
を作って、大勢の若い男女が、白い地を
践
(
ふ
)
み、黒い影を落して、歌いつ
踊
(
おど
)
りつ夜を深して、
傾
(
かたぶ
)
く月に
一人
(
ひとり
)
減
(
へ
)
り
二人
(
ふたり
)
寝に行き、
到頭
(
とうとう
)
「四五人に月落ちかゝる踊かな」の
趣
(
おもむき
)
は
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
帝王のただに
践
(
ふ
)
ましし
玉
(
ぎよく
)
の
階
(
きだ
)
我ぞ踏みのぼる松風をあはれ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
同志それ吾に代ってこの言を
践
(
ふ
)
まば幸甚なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
朕祖宗
(
ちんそそう
)
ノ
遺列
(
いれつ
)
ヲ
承
(
う
)
ケ
万世一系
(
ばんせいいっけい
)
ノ
帝位
(
ていい
)
ヲ
践
(
ふ
)
ミ
朕
(
ちん
)
カ親愛スル所ノ
臣民
(
しんみん
)
ハ
即
(
すなわ
)
チ朕カ祖宗ノ
恵撫慈養
(
けいぶじよう
)
シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ
念
(
おも
)
ヒ
其
(
そ
)
ノ
康福
(
こうふく
)
ヲ増進シ其ノ
懿徳良能
(
いとくりょうのう
)
ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ
翼賛
(
よくさん
)
ニ
依
(
よ
)
リ
与
(
とも
)
ニ
倶
(
とも
)
ニ国家ノ
進運
(
しんうん
)
ヲ
扶持
(
ふじ
)
セムコトヲ望ミ
乃
(
すなわ
)
チ明治十四年十月十二日ノ
詔命
(
しょうめい
)
ヲ
履践
(
りせん
)
シ
茲
(
ここ
)
ニ
大憲
(
たいけん
)
ヲ制定シ朕カ
率由
(
そつゆう
)
スル所ヲ
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
時により、所に応じ、適当に速やかに事を
践
(
ふ
)
むのが慣例だった。それかあらぬか、今年は大晦日と元旦とが一しょになった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえば、遠方より望み見れば円き山にても、その山に登れば円き処を見ず、はるかに眺むれば曲りたる野路も、親しくその
路
(
みち
)
を
践
(
ふ
)
めば曲るところを覚えざるが如し。
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
溶けた雪路の、風のピウ/\吹く中をザブ/\と
践
(
ふ
)
んで先に立つて歩かれた。病人があるとでも聞けば、
穢
(
むさ
)
い小屋の下へ、臭いと云ふ顔もせずに入り込んで、親切に力を付けてやつた。
大野人
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『独異志』に劉牧南山野中に
果蔬
(
かそ
)
を植えると人多く樹を
伐
(
き
)
り
囿
(
その
)
を
践
(
ふ
)
む、にわかに二虎来り近づき居り牧を見て尾を
揺
(
ゆる
)
がす、我を護るつもりかと問うと首を
俛
(
ふ
)
せてさようと言う
態
(
てい
)
だった
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかも仏王ルイ九世の
正胤
(
せいいん
)
にして王位を
践
(
ふ
)
むべき充分の権利と資格とを有せり、しかれども彼プロテスタント教徒たるが故にこの栄誉に達するを得ず、わずかに微弱なる反対党の将となり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その出来て来たのを見れば、数人が
践
(
ふ
)
んで
升
(
のぼ
)
ることを得る程堅牢であつた。此雛段は久しく伊沢の家にあつて、茶番などの催さるゝ毎に、これに布を貼つて石段として用ゐられたさうである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
陶は起って寝に帰ったが、門を出て菊畦を
践
(
ふ
)
んでゆくうちに、酔い倒れて
衣
(
きもの
)
を側にほうりだしたが、そのまま菊になってしまった。その高さは人位で十あまりの花が咲いたが、皆拳よりも大きかった。
黄英
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
けれど、私がここに語りたいのは、この当為にはけっして抵触せずに、いなむしろこの当為を
践
(
ふ
)
み行なわんために、愛より必然に分泌せらるる二つの機能についてである。それは祈祷と闘いとである。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
持明院統と、大覚寺統と、相互から出て交代に
御位
(
みくらい
)
に
即
(
つ
)
く——という、あの皇室の御法則を正しく
践
(
ふ
)
むべきだと思うのです。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
豊麻呂は、楠木正季らと共に、同志的な誓いを
践
(
ふ
)
み、親の義辰にもそむいて、はやくから千早城の内にはいっている。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
の古語を
践
(
ふ
)
んで、一玄蕃を
粉砕
(
ふんさい
)
するにも、美濃から引ッさげて来た全軍を
注
(
そそ
)
いだのである。——が、彼はその量をもって
妄信
(
もうしん
)
している愚者ではない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父は、若年まで、禅寺にはいって、つぶさに苦行も
舐
(
な
)
め、数度の合戦も
践
(
ふ
)
み、たとえ今はかくあろうとも、なおなお、大志を抱いて中原を望んでおる。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西行法師のことは、西行自身が書いた「撰集抄」とか「山家集」などの紀行や歌文があるので、ほとんど、それの史実を
践
(
ふ
)
み、無用な脚色はしていない。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
体験を持たない仕事へ
践
(
ふ
)
み出す恐さと、さまざまな空想とで、その間じゅう胸がどきどきしていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さりとは似あわしからぬことば、それは世のつねの敗軍の将のことで、羽将軍のごときは、名分ある降服というべきで
辱
(
はず
)
るどころではない。堂々
臣道
(
しんどう
)
の
真
(
まこと
)
を
践
(
ふ
)
まれておる」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平和の真価は、戦争の悲惨を書くと
滲
(
にじ
)
み
出
(
で
)
てくる。今日の皇室の姿は、かつての天皇や皇子が
践
(
ふ
)
まれた
茨
(
いばら
)
を振りむいてみることで、そのご幸福さも一ばい切実に思われずにいられない。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫁
(
か
)
しては二夫にまみえずとか、夫婦は二世とか、近ごろの
庭訓
(
ていきん
)
は婦女子にきびしゅう教えているが、そのままを
和御前
(
わごぜ
)
に
践
(
ふ
)
めとは
強
(
し
)
いられぬ。——まこと、この高氏の前途は安穏でない気がするのだ。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そなたは正成のようなおろかしい道を
践
(
ふ
)
むな
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
践
常用漢字
中学
部首:⾜
13画
“践”を含む語句
実践
勾践
践祚
実践躬行
実践家
履践
御践
躬践
躬行実践
践祚大嘗祭
践歴
践形
践外
越王勾践
御践祚
実践的度胸
実践倫理学
天莫空勾践
天勾践