“擧(ふ)” の例文
新字:挙
ここにその妻(みめ)須勢理毘賣(すせりびめ)の命、蛇のひれ七をその夫に授けて、「その蛇咋(く)はむとせば、このひれを三たび擧(ふ)りて打ち撥(はら)ひたまへ」
ここを以ちて御頸を刺しまつらむとして、三度擧(ふ)りしかども、哀しとおもふ情忽に起りて、頸をえ刺しまつらずて、泣く涙の落ちて、御面を沾らしつ。かならずこの表(しるし)にあらむ
ここにその后、紐小刀もちて、その天皇の御頸(おほみくび)を刺しまつらむとして、三度擧(ふ)りたまひしかども、哀(かな)しとおもふ情にえ忍(あ)へずして、御頸をえ刺しまつらずて、泣く涙、御面(おほみおも)に落ち溢(あふ)れき。