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揩
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ふ
ふりがな文庫
“
揩
(
ふ
)” の例文
何故
(
なぜ
)
そんな
贅沢
(
ぜいたく
)
をするかと人が問うと、石鹸は石鹸でなくてはいけない、
贋物
(
にせもの
)
を使う位なら使わないと云っている。五分刈頭を洗う。それから裸になって体じゅうを丁寧に
揩
(
ふ
)
く。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
同じ金盥で
下湯
(
しもゆ
)
を使う。足を洗う。人が
穢
(
きたな
)
いと云うと、己の体は清潔だと云っている。湯をバケツに棄てる。水をその跡に取って手拭を洗う。水を棄てる。手拭を絞って金盥を
揩
(
ふ
)
く。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
寛
(
くつろ
)
げた
襟
(
えり
)
の間に挟んであるハンケチを出して、額の汗を
揩
(
ふ
)
きながら、あはゝゝと大声に笑つてゐる。
赭顔
(
あからがほ
)
は大きな体をゆつたり構へて、にこにこしてゐる。今度は小男が赭顔の相手に出て来た。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
揩
漢検1級
部首:⼿
12画