“揩”の読み方と例文
読み方割合
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何故なぜそんな贅沢ぜいたくをするかと人が問うと、石鹸は石鹸でなくてはいけない、贋物にせものを使う位なら使わないと云っている。五分刈頭を洗う。それから裸になって体じゅうを丁寧にく。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
同じ金盥で下湯しもゆを使う。足を洗う。人がきたないと云うと、己の体は清潔だと云っている。湯をバケツに棄てる。水をその跡に取って手拭を洗う。水を棄てる。手拭を絞って金盥をく。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
くつろげたえりの間に挟んであるハンケチを出して、額の汗をきながら、あはゝゝと大声に笑つてゐる。赭顔あからがほは大きな体をゆつたり構へて、にこにこしてゐる。今度は小男が赭顔の相手に出て来た。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)