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歩
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ふ
ふりがな文庫
“
歩
(
ふ
)” の例文
と
云
(
い
)
ふ、
宗桂
(
そうけい
)
が
歩
(
ふ
)
のあしらひより、
番太郎
(
ばんたらう
)
の
桂馬
(
けいま
)
の
方
(
はう
)
が、
豪
(
えら
)
さうに
見
(
み
)
える
習
(
ならはし
)
で、お
組
(
くみ
)
は
感心
(
かんしん
)
したらしかつた。
然
(
さ
)
もさうずと
千助
(
せんすけ
)
が
益々
(
ます/\
)
附入
(
つけい
)
る。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あなたのお話を伺っていると、あたしは将棋の
歩
(
ふ
)
で、上手な将棋差しの手にかかって、いいように動かされているみたい」
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それでも先ず蟹江が
角道
(
かくみち
)
をあけ、猿沢が飛車先の
歩
(
ふ
)
を突いて、戦いが始まりました。両方とも黙々と口をつぐみ、しきりに駒を動かしています。
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
幕府の歩兵には、豹だの、茶袋だのという
綽名
(
あだな
)
が付いていました。将棋の駒の
歩
(
ふ
)
は
歩兵
(
ふひょう
)
で、つまりは
歩兵
(
ほへい
)
の意味です。
半七捕物帳:62 歩兵の髪切り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あやまったね。しかたがねえや。おまえさん
歩
(
ふ
)
をお持ちだというから、代わって王手をしてもらうかね……」
右門捕物帖:36 子持ちすずり
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
いったい物持というやつが癪にさわる、
歩
(
ふ
)
が
成金
(
なりきん
)
になったような
面
(
つら
)
をしやがって、我々共が食うに困る時に、高い金を出して
羅紗
(
らしゃ
)
なんぞを買い込みやがる。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
度々見るものなのでかえって気附きませんが、駒の文字は王将から
歩
(
ふ
)
に至るまで、特別な書体を現し、よくもここまで模様のような形に納めたものと感心さされます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「本来は無一物なり雪だるま」たとい戦災で物を喪失しても、もともと裸で生まれてきたのですもの。将棋の「金」から「
歩
(
ふ
)
」に帰っただけのことです。歩は当然また金になれるのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
と、将棋盤の
歩
(
ふ
)
を一ツ、つまみ取るように、軽く云った。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「二番が出るわい。」と馭者はぽんと
歩
(
ふ
)
を打った。
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「どうも、
歩
(
ふ
)
が一枚足りない……」
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
角
(
かく
)
桂
(
けい
)
に、
歩
(
ふ
)
が六枚。」
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と
云
(
い
)
ふ。
宗桂
(
そうけい
)
が
歩
(
ふ
)
のあしらひより、
番太郎
(
ばんたらう
)
の
桂馬
(
けいま
)
の
方
(
はう
)
が、
豪
(
えら
)
さうに
見
(
み
)
える
習
(
ならひ
)
であるから、お
君
(
きみ
)
は
感心
(
かんしん
)
したらしかつた。
然
(
さ
)
もさうず、と
元二
(
げんじ
)
が
益々
(
ます/\
)
附入
(
つけい
)
る。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
金銀飛車角、
香
(
きょう
)
に
歩
(
ふ
)
、あっしなんぞはただの歩かもしれねえが、歩だってけっこう王手はできるんですよ。りっぱな王手がねえ。え? だんな! 聞かねえんですかよ!
右門捕物帖:36 子持ちすずり
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「だから、金銀に
歩
(
ふ
)
が一
丁
(
ちょう
)
」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王将、金銀、
桂
(
けい
)
、
香
(
きょう
)
、飛車、角、九ツの
歩
(
ふ
)
、数はかかる境にも
異
(
ちがい
)
はなかった。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
床店
(
とこみせ
)
の
筋向
(
すじむこ
)
うが、やはりその
荒物店
(
あらものみせ
)
であります
処
(
ところ
)
、
戸外
(
おもて
)
へは水を打って、
軒
(
のき
)
の
提灯
(
ちょうちん
)
にはまだ火を
点
(
とも
)
さぬ、
溝石
(
みぞいし
)
から往来へ
縁台
(
えんだい
)
を
跨
(
また
)
がせて、
差向
(
さしむか
)
いに
将棊
(
しょうぎ
)
を
行
(
や
)
っています。
端
(
はし
)
の
歩
(
ふ
)
が
附木
(
つけぎ
)
、お
定
(
さだま
)
りの奴で。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“歩”を含む語句
歩行
徒歩
行歩
歩廊
漫歩
散歩
歩調
御歩行
一歩
進歩
反歩
急歩
歩出
濶歩
歩哨
歩合
出歩行
十歩
速歩
歩板
...