)” の例文
身は、大納言だいなごん藤原道綱ふじわらみちつなの子と生れて、天台座主慈恵てんだいざすじえ大僧正の弟子でしとなったが、三業さんごうしゅうせず、五戒ごかいも持した事はない。
道祖問答 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
新朝廷の方は、西園寺公宗をはじめ、光厳帝の久我こがノ右大臣や中院ノ大納言も説きふせてあるし、また後伏見、花園の二上皇も、意地悪くは仰せもなく
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孝孺の学徳ようやく高くして、太祖の第十一子蜀王しょくおう椿ちん、孝孺をへいして世子のとなし、尊ぶに殊礼しゅれいもってす。王の孝孺にたまうの書に、余一日見ざれば三秋の如き有りの語あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
朽木大学は宗利ので、もう五十九歳になり、宗利が去年家督すると共に参政となった。
松風の門 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
諸王の為にひそかに謀る者を誰となす。曰く、諸王のゆうを燕王となす。燕王のに、僧道衍どうえんあり。道衍は僧たりといえども、灰心滅智かいしんめっち羅漢らかんにあらずして、かえってれ好謀善算の人なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
洪武二十八年、初めて諸王の封国にく時、道衍ずからすすめて燕王のとならんとし、って曰く、大王だいおう臣をして侍するを得せしめたまわば、一白帽いちはくぼうを奉りて大王がためにいただかしめんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)