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揺
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ふ
ふりがな文庫
“
揺
(
ふ
)” の例文
旧字:
搖
「まあ、出しなさい。なるほど
嵩張
(
かさば
)
る割に軽いもんだね。見っともないと云うのは小野さんの事だ」と宗近君は屑籠を
揺
(
ふ
)
りながら歩き出す。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
寤
(
さま
)
させまゐらせんといへるを、赤穴又
頭
(
かしら
)
を
揺
(
ふ
)
りてとどめつも、
更
(
さら
)
に物をもいはでぞある。左門云ふ。既に
九〇
夜を
続
(
つ
)
ぎて
来
(
こ
)
し給ふに、心も
倦
(
う
)
み足も
労
(
つか
)
れ給ふべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
と、小腰を
屈
(
かが
)
めて
差覗
(
さしのぞ
)
き、頭を
揺
(
ふ
)
って呼掛けたのは、
顱巻
(
はちまき
)
もまだ
除
(
と
)
らないままの植木屋の甚平爺さん。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
下の方に坐っていた者が手を
揺
(
ふ
)
っていった。
阿英
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
袖垣
(
そでがき
)
に
辛夷
(
こぶし
)
を添わせて、
松苔
(
まつごけ
)
を
葉蘭
(
はらん
)
の影に畳む上に、切り立ての
手拭
(
てぬぐい
)
が春風に
揺
(
ふ
)
らつくような所に住んで見たい。——藤尾はあの家を貰うとか聞いた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
汝も又さる
類
(
たぐひ
)
にやあらん。よく心を静むべしとあれども、左門
頭
(
かしら
)
を
揺
(
ふ
)
りて、まことに
一一一
夢の
正
(
まさ
)
なきにあらず。
兄長
(
このかみ
)
は
一一二
ここもとにこそありつれと、又声を
放
(
あ
)
げて
哭倒
(
なきたふ
)
る。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
が、外套が外へ出た、あとを、しめざまに
細
(
ほっそ
)
りと見送る処を、外套が振返って、頬ずりをしようとすると、あれ人が見る、島田を
揺
(
ふ
)
って、おくれ毛とともに背いたけれども、弱々となって顔を寄せた。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼鏡の
縁
(
ふち
)
から、斜めに宗近君を見ると、相変らず、
紙屑籠
(
かみくずかご
)
を
揺
(
ふ
)
って、
揚々
(
ようよう
)
と正面を向いて歩いている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その黒い幹をちょろちょろと
栗鼠
(
りす
)
が長く太った尾を
揺
(
ふ
)
って、
駆
(
か
)
け
上
(
のぼ
)
った。と思うと古く厚みのついた
苔
(
こけ
)
の上をまた一匹、
眸
(
ひとみ
)
から
疾
(
と
)
く
駆
(
か
)
け抜けたものがある。苔は
膨
(
ふく
)
れたまま動かない。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
揺
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
“揺”を含む語句
動揺
揺曳
揺籃
揺椅子
揺蕩
一揺
揺動
揺々
蕩揺
揺起
揺上
揺落
揺籠
小揺
偏揺
揺下
揺出
揺据
大揺
揺笑
...