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附
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ふ
ふりがな文庫
“
附
(
ふ
)” の例文
自分としては一生懸命だが、人が聞けば、何と思って今ごろそんなことを言いだすかと、頭から一笑に
附
(
ふ
)
せられるかもしれない。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
伯夷
(
はくい
)
・
叔齊
(
しゆくせい
)
、
賢
(
けん
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、
(七三)
夫子
(
ふうし
)
を
得
(
え
)
て
名
(
な
)
益〻
(
ますます
)
彰
(
あら
)
はれ、
顏淵
(
がんえん
)
、
篤學
(
とくがく
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、
(七四)
驥尾
(
きび
)
に
附
(
ふ
)
して
行
(
おこなひ
)
益〻
(
ますます
)
顯
(
あら
)
はる。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
活字に
附
(
ふ
)
せられたものは、未発表の部分の単なる標本として
之
(
これ
)
を取扱い、
他日
(
たじつ
)
全部公開の機会の到来を待つより外に
途
(
みち
)
がない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
それに遠祖外戚までに及ぶのはなお煩を加えるだけだから、壇ノ浦合戦に見える人々だけにとどめ、かんたんな
註
(
ちゅう
)
を
附
(
ふ
)
して次に掲げてみる。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生計的に
落魄
(
らくはく
)
し、世間的に不問に
附
(
ふ
)
されていることは悲劇ではない。自分が自分の魂を握り得ぬこと、これほどの
虚
(
むな
)
しさ馬鹿さ
惨
(
みじ
)
めさがある筈はない。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
と
女性
(
じよせい
)
の
無邪氣
(
むじやき
)
なる
輕薄
(
けいはく
)
を
笑
(
わら
)
ひ、
更
(
さら
)
に
一旦
(
いつたん
)
與
(
あた
)
へたる
財貨
(
ざいか
)
を
少娘
(
こむすめ
)
の
筐中
(
きようちう
)
より
奪
(
うば
)
ひて
酒亭一塲
(
しゆていいちじやう
)
の
醉夢
(
すいむ
)
に
附
(
ふ
)
するの
條
(
じよう
)
を
説
(
と
)
かしめ
遂
(
つい
)
に
再
(
ふたゝ
)
び
免職
(
めんしよく
)
になりし
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
云うと、
厳然
(
げんぜん
)
たる
処分
(
しょぶん
)
に
附
(
ふ
)
するぞ。空中へ飛び出させていかぬものなら、縄で
結
(
ゆ
)
わえて置いたらばいいじゃないか。広告気球の代りになるかも知れないぞ
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それから望月少佐は五十嵐博士逝去のことと遺骸は上田市で
荼毘
(
だび
)
に
附
(
ふ
)
し、遺骨は病中の博士夫人に代って南京子さんが預かっていることなどを告げ知らせた。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それで一八八八年には世界のあらゆる場所から
莫大
(
ばくだい
)
な資金が集められ、彼の名を
附
(
ふ
)
した立派なパストゥール研究所がパリに建設されて、その所長となりました。
ルイ・パストゥール
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
死体を解剖に
附
(
ふ
)
すると云って
口惜
(
くや
)
しがったけれども、結局そのままになってしまった。
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
西暦
(
せいれき
)
一千八百六十六
年
(
ねん
)
の
墺普戰爭
(
オーフツせんさう
)
に、
敵
(
てき
)
の
重圍
(
じゆうゐ
)
に
陷
(
おちい
)
つたる
墺太利軍
(
オースタリーぐん
)
の
一
(
いち
)
偵察隊
(
ていさつたい
)
は、
敵
(
てき
)
の
眼
(
まなこ
)
を
晦
(
くら
)
まさんがため、
密書
(
みつしよ
)
をば
軍用犬
(
ぐんようけん
)
の
首輪
(
くびわ
)
に
附
(
ふ
)
して、
其
(
その
)
本陣
(
ほんじん
)
に
送皈
(
おくりかへ
)
したといふ
逸話
(
いつわ
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
下寺町の広沢八助に入門し、校長の相弟子たる光栄に浴していた。なお校長の
驥尾
(
きび
)
に
附
(
ふ
)
して、日本橋五丁目の裏長屋に住む浄瑠璃本写本師、毛利金助に
稽古本
(
けいこぼん
)
を註文したりなどした。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
準備をしてゐる久しい間には、
折々
(
をり/\
)
成功の時の光景が
幻
(
まぼろし
)
のやうに目に浮かんで、地上に血を流す役人、脚下に
頭
(
かうべ
)
を
叩
(
たゝ
)
く金持、それから
草木
(
さうもく
)
の風に
靡
(
なび
)
くやうに
来
(
きた
)
り
附
(
ふ
)
する諸民が見えた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
内国貿易の景況、隣国交際の政略、当局の政治家においては実に大切にして
等閑
(
とうかん
)
に
附
(
ふ
)
すべからざるものなれども、これがために所期百年の教育上に影響を及ぼすとは憐むべき次第ならずや。
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
二人は最初のうちそれを一笑に
附
(
ふ
)
していたが、生徒たちのどのかたまりででも同じようなことが語られているのを聞くと、とうとうたまりかねて、次郎を人けのない倉庫のうらに誘いこみ
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
信州
御岳参
(
みたけまゐ
)
り七回の
経験
(
けいけん
)
あるを
聞
(
き
)
き衆皆之を
壮
(
さう
)
とす、此峠を
過
(
す
)
ぐれば字上ヶ原の大平野あり、
広袤
(
こうばう
)
凡一万町歩、
水
(
みづ
)
あり
良草
(
りやうさう
)
あり以て
牧塲
(
ぼくじやう
)
となすに
適
(
てき
)
す、今之を不毛に
附
(
ふ
)
し
去
(
さ
)
るは
遺憾
(
いかん
)
と云ふべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
是亦
(
これまた
)
忽諸
(
こつしよ
)
に
附
(
ふ
)
す
可
(
べ
)
からざる一問題と
存候
(
ぞんじそろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
一笑
(
いつせう
)
に
附
(
ふ
)
せられるに相違ない。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こうして大石内蔵助以下寺坂吉右衛門にいたるまで四十八人の血判がすんだ時、さらに当夜の
人々心得
(
にんにんこころえ
)
が議に
附
(
ふ
)
せられた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
私はいつも、頁頭に質問事項を書いて置くと、
之
(
これ
)
に対する解答が自動的に現れ、それには段落までつけてあるので、直ちに印刷に
附
(
ふ
)
しても差支えないのであった。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
何ヵ国の恩賞を
附
(
ふ
)
すもよいとしていることだし、ゆらい、九州の豪族間ではまた豪族同士で、この狭い領土を
侵
(
おか
)
し合って、すきあらば寸土でも自家の勢力を伸ばそうと
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お由の屍体は直ぐに大学病院に運ばれて解剖に
附
(
ふ
)
されたが、其処からは何等犯罪的な死因は得られず、或いは一種の
頓死
(
とんし
)
ではないかとさえ言われたが、屍体
損壊
(
そんかい
)
の点から見ても
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
平田氏は、
其場
(
そのば
)
ではこの死人の脅迫状を一
笑
(
しょう
)
に
附
(
ふ
)
して了ったことだが、さて、段々時がたつにつれて、何とも云えない不安がそろそろと彼の心に湧き上って来るのをどうすることも出来なかった。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だが習性の中にも在る筈の肉体などは一顧も与えられておらず、何よりも、本来の人間の自由な本姿が不問に
附
(
ふ
)
されているのである。人間本来の欲求などは始めから彼の文学の問題ではなかった。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「そうだ、一切を
荼毘
(
だび
)
に
附
(
ふ
)
して、
亡者
(
もうじゃ
)
の霊をなぐさめ、おれたちは、ここを下山としよう」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
菅谷
(
すがのや
)
半之丞、
早水
(
はやみ
)
藤左衛門、三村次郎左衛門、それに若党仲間どもを加えて、同勢すべて十人、「日野家用人垣見五郎兵衛」と大書した絵符を両掛長持に
附
(
ふ
)
して、関所関所の眼を
眩
(
くら
)
ましながら
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
と、
一笑
(
いっしょう
)
に
附
(
ふ
)
した。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、むすび「執事師直」の名のほかに、尊氏の袖判も
附
(
ふ
)
してあるのだ。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それはいかんな。軍令を出しておけ。厳罰に
附
(
ふ
)
すと」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「着到に
附
(
ふ
)
すことはなり申さん」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“附(附指定)”の解説
附指定(つけたりしてい)あるいは単に附(つけたり)とは、建造物、美術工芸品、考古資料、歴史資料等を重要文化財や都道府県指定文化財等に指定する際に、文化財本体に関連する物品や資料等を本体と併せて文化財指定することである。
(出典:Wikipedia)
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
“附”を含む語句
附着
附合
取附
打附
附添
附近
心附
言附
見附
片附
目附
寄附
引附
附属
縁附
押附
門附
吩附
肉附
附会
...