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ふ
吾は
異しき
夢を見つ。
沙本二の
方より、
暴雨の
零り來て、
急に吾が面を
沾しつ。また錦色の
小蛇、我が頸に
纏はりつ。
「もみぢ葉を散らす
時雨の
零るなべに
夜さへぞ寒き一人し
寝れば」(巻十・二二三七)等の例がある。
吾背子と二人見ませば
幾許かこの
零る雪の
懽しからまし
我が女
二人竝べたてまつれる
由は、石長比賣を使はしては、天つ神の御子の
命は、雪
零り風吹くとも、恆に
石の如く、
常磐に
堅磐に動きなくましまさむ。
なお、「
天飛ぶや雁のつばさの
覆羽の
何処漏りてか霜の
零りけむ」(巻十・二二三八)の例がある。
「押し照る難波ほり江の葦べには雁
宿たるかも霜の
零らくに」(同・二一三五)等の歌がある。
ここに
大氷雨を
零らして、倭建の命を打ち惑はしまつりき。