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蹈
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ふ
ふりがな文庫
“
蹈
(
ふ
)” の例文
貞之助は附合いの関係でいろいろの機会に花柳界へ足を
蹈
(
ふ
)
み入れることがあるので、よくそう云う方面から奥畑の
噂
(
うわさ
)
を聞いて来る。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
繁
(
しげ
)
るがまゝの秋草ですが、それでも氣をつけて見ると、人間の通つたらしい跡が、ほんの少しばかり草が
蹈
(
ふ
)
みつけられてをります。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
このふっくりした白いものは、
南無三宝
(
なむさんぼう
)
仰向
(
あおむ
)
けに倒れた女の胸、膨らむ乳房の
真中
(
まんなか
)
あたり、
鳩尾
(
みぞおち
)
を、土足で
蹈
(
ふ
)
んでいようでないか。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白斑
(
ぶち
)
の大きな木馬の
鞍
(
くら
)
の上に小さい主人が、両足を
蹈
(
ふ
)
ん張って
跨
(
また
)
がると、白い房々した
鬣
(
たてがみ
)
を動かして馬は前後に揺れるのだった。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
私
(
わたくし
)
の
家
(
うち
)
なんざアね
此方
(
こっち
)
を
蹈
(
ふ
)
むと
彼方
(
あっち
)
が上り、
彼方
(
あっち
)
を蹈むと
此方
(
こっち
)
が上りね、どうして海の方が
余程
(
よっぽど
)
平らさ、あゝ
宜
(
い
)
い心持ちだ、どうも
好
(
い
)
い景色だ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
かうして
最初
(
さいしよ
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
に
蹈
(
ふ
)
み
耐
(
こら
)
へる
家屋
(
かおく
)
が、
其後
(
そのご
)
、
三分
(
さんぶん
)
の
一
(
いち
)
以下
(
いか
)
の
地震力
(
ぢしんりよく
)
によつて
押
(
お
)
し
切
(
き
)
られることはないはずである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そして足に力を込め、やけくそに床を
蹈
(
ふ
)
み鳴らした。その野蛮な荒々しい響からして、急に室内の空気が振動した。
ウォーソン夫人の黒猫
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「君、
薄
(
すすき
)
の根へ足をかけて持ち
応
(
こた
)
えていたまえ。——あんまり前の方で
蹈
(
ふ
)
ん
張
(
ば
)
ると、
崖
(
がけ
)
が
崩
(
くず
)
れて、足が滑べるよ」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
開かずば
蹴破
(
けやぶ
)
るぞと
嚇
(
おど
)
す
故
(
ゆえ
)
に、是非なく戸を明けたれば入りきたるはヤマハハなり。炉の
横座
(
よこざ
)
に
蹈
(
ふ
)
みはたかりて火にあたり、飯をたきて食わせよという。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「まあ!」と叫びし妻は
忽
(
たちま
)
ち
胸塞
(
むねふたが
)
りて、その後を言ふ能はざるなり。蒲田は手の舞ひ、膝の
蹈
(
ふ
)
むところを知らず
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
われらが自己の胸底に最醇の満足を意識するのはみずから正善の道を
蹈
(
ふ
)
めりと天に対して語り得るときである。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
殊に太祇、蕪村などは京の台木へ江戸の
椄穂
(
つぎほ
)
を
椄
(
つ
)
いだというのであるから、江戸を全く
蹈
(
ふ
)
み倒す訳にも行かず、先ず無勝負として置くが善かろうと思います。
俳句上の京と江戸
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
之れを以て今の作家に擬するは屋上屋を架するの愚を演ずるものにはあらざるか。今の作家をして
彼
(
か
)
の
中古派
(
ローマンチツク、スクール
)
の
覆轍
(
ふくてつ
)
を
蹈
(
ふ
)
ましめんと欲するものにあらざるか。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
海は今日も
凪
(
な
)
いで美しい色だつた。丘の菜園には、今日も余るほどの、陽光がそそいでゐた。良寛さんの
蹈
(
ふ
)
んでゆく道の若草は、ゆくゆくかんばしく
匂
(
にほ
)
つた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
新築
(
しんちく
)
の
家
(
いへ
)
を
蹈
(
ふ
)
んで、
屋敷
(
やしき
)
のわるい
魂
(
たましひ
)
を
鎭
(
しづ
)
め
舞
(
ま
)
ふ
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が、
手
(
て
)
に
捲
(
ま
)
きつけた
玉
(
たま
)
を、
今
(
いま
)
鳴
(
な
)
らしてゐることよ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
懐には偶然
捕縄
(
とりなは
)
があつた。それを出してほぐして、低い枝に足を
蹈
(
ふ
)
み
締
(
し
)
めて、高い枝に投げ掛けた。そして
罠
(
わな
)
を作つて自分の
頸
(
くび
)
に掛けて、低い枝から飛び降りた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
こんな奴等は
盗人
(
ぬすっと
)
も同様、あさ寝も昼寝もめずらしくないので、手先は雨戸をこじ明けて踏み込むと、虎七は煎餅蒲団の上に大きい口をあいて
蹈
(
ふ
)
んぞり返っていた。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その悦ばしさとこの訝しさとに、浜の真砂路も
蹈
(
ふ
)
み迷はれて、彼はただちに村に入る、光景の何ぞ全く変りはてたることや、世の転変は一日にして見られたるなり。
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
昇降口
(
しようこうぐち
)
の高さは少くとも三尺位は有るべし。
恐
(
おそ
)
らくは
木製
(
もくせい
)
の
梯子
(
はしご
)
或は
蹈
(
ふ
)
み
臺
(
だい
)
の
設
(
もう
)
け有りしならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
あたり一面に色ある落葉が散っている、がさがさ落葉を
蹈
(
ふ
)
みちらして進む、拝殿の柱に張った七五三と思ったは、社殿二
間
(
けん
)
ほど前に両側にある松に張ってあるのであった
八幡の森
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
どれだけその人道を
蹈
(
ふ
)
むことだろうか——OH! そして小説のなかの彼らめいめいの用意と目的と感情、それらのすべてを、過去のものも来るべき作家のペンに宿る性格も
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
それ、
姫
(
ひめ
)
が
來
(
わ
)
せた。おゝ、あのやうな
輕
(
かる
)
い
足
(
あし
)
では、いつまで
蹈
(
ふ
)
むとも、
堅
(
かた
)
い
石道
(
いしみち
)
は
磨
(
へ
)
るまいわい。
戀人
(
こひびと
)
は、
夏
(
なつ
)
の
風
(
かぜ
)
に
戲
(
たはむ
)
れ
遊
(
あそ
)
ぶあの
埓
(
らち
)
もない
絲遊
(
かげろふ
)
に
騎
(
のッ
)
かっても、
落
(
お
)
ちぬであらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「五月雨や仏の花を捨てに出る」その花の
褪
(
あ
)
せた色も香も、「秋雨や水底の草
蹈
(
ふ
)
みわたる」散策子の
蹠
(
あしうら
)
の感覚も、「楠の根を静かにぬらす時雨」の沈静な風趣も、悉く好もしい。
雨の日
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
廻し二日三日と
音信
(
おとずれ
)
の絶えてない折々は
河岸
(
かし
)
の内儀へお頼みでござりますと月始めに魚一
尾
(
ひき
)
がそれとなく報酬の
花鳥使
(
かちょうし
)
まいらせ
候
(
そろ
)
の韻を
蹈
(
ふ
)
んできっときっとの呼出状今方貸小袖を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
或
(
あるひ
)
は
地
(
ち
)
を
擇
(
えら
)
んで
之
(
これ
)
を
蹈
(
ふ
)
み、
時
(
とき
)
にして
然
(
しか
)
る
後
(
のち
)
言
(
こと
)
を
出
(
いだ
)
し、
行
(
ゆ
)
くに
(五六)
徑
(
こみち
)
に
由
(
よ
)
らず、
(五七)
公正
(
こうせい
)
に
非
(
あら
)
ざれば
憤
(
いきどほり
)
を
發
(
はつ
)
せず、
而
(
しか
)
も
禍災
(
くわさい
)
に
遇
(
あ
)
ふ
者
(
もの
)
、
勝
(
あ
)
げて
數
(
かぞ
)
ふ
可
(
べ
)
からざる
也
(
なり
)
。
余
(
よ
)
甚
(
はなは
)
だ
惑
(
まど
)
ふ。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
歸路
(
かへり
)
に
眞闇
(
まつくら
)
に
繁
(
しげ
)
つた
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
を
通
(
とほ
)
る
時
(
とき
)
、
僕
(
ぼく
)
は
斯
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひながら
歩
(
あ
)
るいた、
若
(
も
)
し
僕
(
ぼく
)
が
足
(
あし
)
を
蹈
(
ふ
)
み
滑
(
す
)
べらして
此溪
(
このたに
)
に
落
(
お
)
ちる、
死
(
し
)
んでしまう、
中西屋
(
なかにしや
)
では
僕
(
ぼく
)
が
歸
(
かへ
)
らぬので
大騷
(
おほさわ
)
ぎを
初
(
はじ
)
める
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
急に起き上つて両脚を
蹈
(
ふ
)
み伸ばして大きく
欠伸
(
あくび
)
をしたと思ふと、のそのそと歩き出して、爺さんが蓋をとつたまま置きつぱなしにしておいた熬し入れの小壺に戯れかからうとしました。
小壺狩
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
根津の丘、姫子沢の谷、鳥が
啼
(
な
)
く
田圃側
(
たんぼわき
)
なぞに霜枯れた雑草を
蹈
(
ふ
)
み乍ら、十一月上旬の野辺に満ちた光を眺めて
佇立
(
たゝず
)
んだ時は、今更のやうに胸を流れる活きた血潮の若々しさを感ずる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
我
(
わし
)
の病院へ入れる事は不承知かと毎々聞かれるのであるが、それもどう有らうかと母などは
頻
(
しきり
)
にいやがるので我も二の足を
蹈
(
ふ
)
んでゐる、無論病院へ行けば自宅と違つて窮屈ではあらうが
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
露の上を素足で
蹈
(
ふ
)
むような怪しい音がきこえて、
四辺
(
あたり
)
が蒼白くかすんで来ました、私は思わずふり向いて見ますと、そこへもう、三人の鬼女に分れた悪蛇が、歩いて来るのでございます。
道成寺(一幕劇)
(新字新仮名)
/
郡虎彦
(著)
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
渡船
(
とせん
)
を
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
してみたけれど、
殆
(
ほと
)
んど
片足
(
かたあし
)
を
蹈
(
ふ
)
み
込
(
こ
)
む
餘地
(
よち
)
もないので、
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
に
舌打
(
したう
)
ちして、
汀
(
みぎは
)
に
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つてゐたが、やがて
高
(
たか
)
く、
虎
(
とら
)
が
吼
(
ほ
)
えるやうに
聲
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げると
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
昏倒
(
こんとう
)
した蘇武に対する
胡毉
(
こい
)
の手当てというのがすこぶる変わっていた。地を掘って
坎
(
あな
)
をつくり
熅火
(
うんか
)
を入れて、その上に傷者を寝かせその背中を
蹈
(
ふ
)
んで血を出させたと
漢書
(
かんじょ
)
には
誌
(
しる
)
されている。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
私にはこの幼い心がただ一つの頼りなのです。励みなのです。私が独りで世の中へ出て行った時、十四歳ではじめてこのコペンハーゲンの土を
蹈
(
ふ
)
んだ時と今と、私はちっとも変っていません。
聖アンデルセン
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
いずれを
蹈
(
ふ
)
み破るも
難
(
かた
)
ければ、今はただいつまでもかく
寡居
(
かきょ
)
していつまでも佐太郎に訪わるるこそせめて世に
存
(
ながら
)
うる
甲斐
(
かい
)
ならめ、しかれどもすでに黄金に余れる彼、いつまで妻なくてあるべき
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
水かふ岸の
葦蘆
(
よしあし
)
を
蹈
(
ふ
)
み砕きてや、
降
(
お
)
りたつを。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
父が歩くにつれて、地上にくっきり映っている父の影が揺れて行ったが、滋幹はそれを
蹈
(
ふ
)
まないように
可
(
か
)
なり離れて附いて行った。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
見ると、やや立離れた——一段高く台を
蹈
(
ふ
)
んで立った——
糶売
(
せりうり
)
の親仁は、この小春日の
真中
(
まんなか
)
に、しかも夕月を肩に掛けた銅像に似ていた。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
といいながら
行
(
ゆ
)
きにかゝりますと、馬が多助の
穿
(
は
)
いている草鞋の切れ目を
蹈
(
ふ
)
み、多助の袖を
噛
(
くわ
)
えて遣るまいとするから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恰
(
あだか
)
も
相撲
(
すまふ
)
のとき、
土俵
(
どひよう
)
の
中央
(
ちゆうおう
)
からずる/\と
押
(
お
)
された
力士
(
りきし
)
が、
劍
(
つるぎ
)
の
峯
(
みね
)
に
蹈
(
ふ
)
み
耐
(
こら
)
へる
場合
(
ばあひ
)
のようである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何も見ないで、はるか遠くのことを思ひふけつてゐるやうに、じつとしてゐた。
杖
(
つゑ
)
のやうに細い肢の先は、
蹄
(
ひづめ
)
が二つに割れて、みづみづしいはこべらの緑を
蹈
(
ふ
)
んでゐた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
空に響く楽の音につれて彼等は躍りつゝ舞ひ上り飛び行くに我もおくれじと茨葎のきらひ無く
蹈
(
ふ
)
みしだき躍り越え思はず野川に落ちしよと見て夢さむれば寝汗したゝかに
襦袢
(
じゅばん
)
を
小園の記
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
黒ん坊のことが杣仲間の口から世間にひろまると、婿の方では二の足を
蹈
(
ふ
)
むようになった。
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一 まゐり来て
此
(
この
)
橋を
見申
(
みもう
)
せや、いかなもをざは
蹈
(
ふ
)
みそめたやら、わだるがくかいざるもの
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
風「余り善でもない。さうしてあれを
此方
(
こつち
)
へ取つて了へば、三百円は
蹈
(
ふ
)
めるのかね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今宵
(
こよひ
)
、
陋屋
(
らうをく
)
にて、
地
(
ち
)
を
蹈
(
ふ
)
む
明星
(
みょうじゃう
)
が
群
(
む
)
れ
輝
(
かゞや
)
き、
暗天
(
やみぞら
)
をさへも
明
(
あかる
)
う
照
(
て
)
らすを
御覽
(
ごらん
)
あれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
瀬田は頭がぼんやりして、
体
(
からだ
)
ぢゆうの脈が
鼓
(
つゞみ
)
を打つやうに耳に響く。狭い田の
畔道
(
くろみち
)
を踏んで行くに、足がどこを踏んでゐるか感じが無い。
動
(
やゝ
)
もすれば
苅株
(
きりかぶ
)
の間の
湿
(
しめ
)
つた泥に足を
蹈
(
ふ
)
み込む。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今交通の事を述へたる後に
熟考
(
じゆくかう
)
するに、一部落と他部落との間には、人々の多く
徃來
(
わうらい
)
する所、即ち多くの人に
蹈
(
ふ
)
まれて
自
(
おのづか
)
ら定まりたる道路の形を成せる所有りしならんとは推知せらるるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
狭い
廬
(
いおり
)
の中を
蹈
(
ふ
)
んで廻った。脇目からは、
遶道
(
にょうどう
)
する群れのように。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
同十八日——「月を
蹈
(
ふ
)
んで散歩す、青煙地を
這
(
は
)
い月光林に砕く」
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ひた
強
(
し
)
ひに
蹈繪
(
ふみゑ
)
の型を
蹈
(
ふ
)
めよとぞ、あな淺ましや
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
蹈
漢検1級
部首:⾜
17画
“蹈”を含む語句
蹈込
蹈鞴
地蹈韛
舞蹈
地蹈鞴
蹈鳴
蹈留
蹈外
蹈石撮香芹
蹈縛
蹈付
蹈跨
大蹈歩
大蹈
足蹈
蹈迷
蹈台
蹈出
蹈襲
蹈延
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