)” の例文
新字:
ものゝかんかた非常ひじやう鋭敏えいびんで、はなみゝはだなどにれるものをするどることの出來できめづらしい文學者ぶんがくしやであつたことをせてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
やがておりうがしなやかにまがつて、をとこれると、むねのあたりにつて卷煙草まきたばこは、こゝろするともなく、はなれて、婦人をんなわたつた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おなひとですら其通そのとほり、いはんやかつこひちかられたことのないひと如何どうして他人たにんこひ消息せうそくわからう、そのたのしみわからう、其苦そのくるしみわからう?。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そこで、お夏に頼んで、決して自分勝手には外へでないし、人目にれるやうなことをしないからと、堅く約束をして鍵を造らせました
「いゝえ、それにれたつて、やつぱり夢ですの。」私の顏の前からそれを下ろし乍ら私は云つた。「お食事はおすみですの?」
與吉よきち卯平うへいそばからなゝめしてた。卯平うへい與吉よきちちひさなあしかふへそつとれてた。あしどつちもざら/\とこそつぱかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すぐ乗っていただきますとれて来たので、ケノフスキーは周章あわててドレゴの方へ手を振って、飛行機の方へ駆け出した。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
そそぎ出すに用ゐたりと見ゆる土噐唇にれたりと見ゆる土噐の容量ようりやう比較的ひかくてきに小なるは中に盛りたる飮料ゐんれう直打ねうち湯水よりはたふときに由りしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
趣味とは、眺めてゐるものと、はつて見るもの、れなければ堪能できないものと、心に養つてゐるものとがある。
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
でもこのくらゐにくむべき言葉ことばが、人間にんげんくちことがあらうか? 一でもこのくらゐのろはしい言葉ことばが、人間にんげんみみれたことがあらうか? 一でもこのくらゐ
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
この一舞踏ひとをどりんだなら、ひめ居處ゐどころけ、このいやしいを、きみ玉手ぎょくしゅれ、せめてもの男冥利をとこみゃうりにせう。
宗助そうすけこの一語いちごなかに、あらゆる自暴じばう自棄じきと、不平ふへい憎惡ぞうをと、亂倫らんりん悖徳はいとくと、盲斷まうだん決行けつかうとを想像さうざうして、是等これら一角いつかくれなければならないほど坂井さかゐおとうと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『まア、なんといふうれしいことでせう、つたのねえ!』つて公爵夫人こうしやくふじん可愛かあいさのあまり、かひなかひなれるばかりに摺寄すりよつて、二人ふたりは一しよあるいてきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
めづらしく家内中うちゞうとのれになりけり、このともうれしがるは平常つねのこと、父母ちゝはゝなきのちたゞ一人の大切たいせつひとが、やまひのとこ見舞みまこともせで、物見遊山ものみゆさんあるくべきならず
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
遺骨ゐこつは三四たい合葬がつそうした形跡けいせきがある。其所そこにも此所こゝにも人骨じんこつよこたはつてるが、多年たねん泥水どろみづしたされてたので、れると宛然まるでどろごどく、かたちまつた取上とりあげること出來できぬ。
讀書どくしよかれ病的びやうてき習慣しふくわんで、んでもおよれたところものは、れが縱令よし去年きよねん古新聞ふるしんぶんらうが、こよみであらうが、一やうえたるもののやうに、屹度きつとつてるのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
(三にんでしたがその一人ひとり現實げんじつ世界せかいにでてわづかに三日光ひのひかりにもれないですぐまた永遠えいゑん郷土きやうどにかへつてきました)勿論もちろん天眞てんしんどもたちたいしてははづかしいことばかりの
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
彼女かのぢよはすぐに自分自身じぶんじしんのために、また子供達こどもたちためめにはたらかなければならなかつた。彼女かのぢよもなく親戚しんせき子供こどもあづけて土地とち病院びやうゐんつとめるとなつた。彼女かのぢよ脇目わきめらなかつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
一秒時間いちびやうじかんに三百廻轉くわいてん速力そくりよくをもつて、絞車こうしやごと廻旋くわいせんするのであるから、この衝角しやうかくるゝところ、十四インチはん以上いじやう裝甲アーモアいうする鐵艦てつかんほかは、ほとんど粉韲ふんさいせられざるものはるまいとおもはるゝ
とにかくその日の四五時間をすごした修道院のすべては、たとへばそこに住む修道士達の生活も、たんなる建物の感じそのものも、その建物をとり卷く自然の情景も、いや、眼にれ、耳に響き
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
星の如くふるふわがはぢの身のれたらば
(ああ、くるるるるおと。)
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
これやれてもまほしの
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
晝のつかれにれてゆく
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
つるぎれてかれたり
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
くちれあひて相寢あひねぬる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
吾顏にるぞうれしき
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
申立其場は立去申まじと答ければ感應院の死去しきよは全く毒殺どくさつこそ知られけり抑々そも/\此清兵衞と云はもと紀伊大納言光貞卿みつさだきやう御意に入の醫師にて高橋意伯いはくとて博學はくがくの者なりしが光貞卿の御愛妾あいせふさくの方といふに密通みつつうなし大納言殿の御眼にれ其方深山幽谷しんざんいうこくに住居すべし家督かとくせがれへ申付捨扶持すてふちとして五人扶持を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うろつくものには、傍目わきめらず、肅然しゆくぜんとして廊下らうかながつて、とほつて、ひろ講堂かうだうが、青白あをじろうつつてひらく、其處そこ堂々だう/\はひつたのです。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こひちからである、ひと抵抗ていかうすることの出來できないちからである。此力このちから認識にんしきせず、また此力このちからおさるとおもひとは、此力このちかられなかつたひとである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
井戸端ゐどばたにぼつさりとしげりながら日中につちうあつさにぐつたりとしをれて鳳仙花ほうせんくわの、やつとすがつてはな手拭てぬぐひはしれてぼろつとちた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私の順番になつた時、私は喉がかわいてゐたから水は飮んだけれども、昂奮と疲勞とで食べる氣がしなかつたので、食物には、手をれなかつた。
打ち殺してでもやるやうなことを人樣の前で言ひらす者には、人を殺すやうな膽つ玉の持主でないのが、平次の永い間の經驗で明らかだつたのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
ぎ出し口を我か身の方に向け之に唇をれて器をかたむけ飮料を口中にそそみしものの如く思はる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
形容けいようすればみづやうあさあはいものであつた。かれ今日こんにちまで路傍ろばう道上だうじやうおいて、なにかのをりれて、らないひと相手あひてに、是程これほど挨拶あいさつをどのくらゐかへしてたかわからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ヂュリ 巡禮じゅんれいどの、作法さはふかなうた御信仰ごしんかうぢゃに、其樣そのやうにおッしゃッては、そのいかァいどく聖者せいじゃがたにも御手みてはある、その御手みてるゝのが巡禮じゅんれい接吻禮キッスとやら。
しばらつてのちよく/\ると、それはほんとに、れたのでなかつたといふことを、説明せつめいでいつてゐるのでなく、氣持きもちからひとこゝろれてつてゐるのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
すんほどにのびた院内ゐんない若草わかぐさが、下駄げたやはらかくれて、つちしめりがしつとりとうるほひをつてゐる。かすかなかぜきつけられて、あめいとはさわ/\とかさち、にぎつたうるほす。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
こと庭男にはをとこなどにはずなければ、最初はじめより艷書ふみりては、たまふかいな其處そこまことにあやふし、如何いかにせんと思案しあんくるしみしが、れよ、人目ひとめにふるヽはみちおなじこと
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いくら注意ちういはらつても、却々なか/\我々われ/\に——其遺物そのゐぶつの一破片はへんでも——れることむづかしからうとかんがへてたのが、う、容易ようゐ發見はつけんせられてると、おほいに趣味しゆみかんぜずんばあらずである。
是迄これまで虚心きよしん平氣へいきで、健全けんぜんろんじてゐたが、一てう生活せいくわつ逆流ぎやくりうるゝや、たゞちくじけて落膽らくたんしづんでしまつた……意氣地いくぢい……人間にんげん意氣地いくぢいものです、貴方あなたとても猶且やはりうでせう
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ほかにあのパイれるといふ不可思議ふかしぎ魅力みりよくがある。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
うらわかみこそれもすれ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
れ易いこころのいた
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
るゝにはやまかせけむ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
いためる胸にそとれて
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
てつごと健脚けんきやくも、ゆきんではとぼ/\しながら、まへつてあしあとをいんしてのぼる、民子たみこはあとから傍目わきめらず、のぼ心細こゝろぼそさ。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちたひくたけ垣根かきねつよ筋力きんりよくもつ破壤はくわいするになん造作ざうさもないはずであるが、先端せんたんれしめることさへ出來できないでるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お酉の話は次第にいろ/\のことにれて行きますが、思はぬことにそれも中斷されてしまひました。
山門さんもんはひると、左右さいうにはおほきなすぎがあつて、たかそらさへぎつてゐるために、みちきふくらくなつた。その陰氣いんき空氣くうきれたとき宗助そうすけなかてらなかとの區別くべつきふさとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)