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古新聞
風呂を
焚いてゐましてね、
何か、
嗅ぐと
矢つ
張り
石炭でしたが、
何か、よくきくと、たきつけに
古新聞と
塵埃を
燃したさうです。
讀書は
彼の
病的の
習慣で、
何んでも
凡そ
手に
觸れた
所の
物は、
其れが
縱令去年の
古新聞で
有らうが、
暦であらうが、一
樣に
饑えたる
者のやうに、
屹度手に
取つて
見るのである。
何時まで
考へて
居つたとて
際限のない
事、
且つは
此樣に
夜を
更かすのは
衞生上にも
極めて
愼む
可き
事と
思つたので
私は
現に
想像の
材料となつて
居る
古新聞をば
押丸めて
部室の
片隅へ
押遣り