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振
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ふ
ふりがな文庫
“
振
(
ふ
)” の例文
見
(
み
)
よ、
愚劣
(
ぐれつ
)
な×
(2)
旗
(
き
)
に対して
拳
(
こぶし
)
を
振
(
ふ
)
る
子供
(
こども
)
らを、
顔
(
かほ
)
をそむけて
罵
(
のゝし
)
る
女
(
をんな
)
たちを、
無言
(
むごん
)
のまゝ
反抗
(
はんこう
)
の
視線
(
しせん
)
を
列
(
れつ
)
に
灼
(
や
)
きつける
男
(
をとこ
)
たちを!
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
こうして
見
(
み
)
る
清作
(
せいさく
)
さんは、じつにりっぱな
軍人
(
ぐんじん
)
でした。だから
町
(
まち
)
を
通
(
とお
)
ると、
男
(
おとこ
)
も
女
(
おんな
)
も
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて、その
雄々
(
おお
)
しい
姿
(
すがた
)
をながめたのです。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ひるがへつて
歐米
(
おうべい
)
を
見
(
み
)
れば、さすがに
母語
(
ぼご
)
は
飽
(
あ
)
くまでもこれを
尊重
(
そんてう
)
し、
英米
(
えいべい
)
の
如
(
ごと
)
きは
至
(
いた
)
るところに
母語
(
ぼご
)
を
振
(
ふ
)
りまはしてゐるのである。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
後
(
あと
)
では
寧
(
むし
)
ろ
悔
(
く
)
いるまでも
羞恥
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とそれから
勘次
(
かんじ
)
を
憚
(
はゞか
)
ることから
由
(
よ
)
つて
來
(
きた
)
る
抑制
(
よくせい
)
の
念
(
ねん
)
とが
慌
(
あわ
)
てゝ
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
挘
(
もき
)
らせるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私
(
わたくし
)
と、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
と、
他
(
ほか
)
に
一群
(
いちぐん
)
の
水兵
(
すいへい
)
とは、
陸
(
りく
)
に
留
(
とゞま
)
つて、
其
(
その
)
試運轉
(
しうんてん
)
の
光景
(
くわうけい
)
を
眺
(
なが
)
めつゝ、
花火
(
はなび
)
を
揚
(
あ
)
げ、
旗
(
はた
)
を
振
(
ふ
)
り、
大喝采
(
だいかつさい
)
をやる
積
(
つも
)
りだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
「さうだ、
全
(
まつた
)
く
蒸
(
む
)
すね。
惡
(
わる
)
くすると、
明日
(
あした
)
は
雨
(
あめ
)
だぜ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
き
樣
(
ざま
)
に
答
(
こた
)
へた。
河野
(
かうの
)
の
眠
(
ねむ
)
さうな
眼
(
め
)
が
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
にチラリと
光
(
ひか
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そこで、にいさんたちは、またうしろを
振
(
ふ
)
り返って、こんどは何だろうと、ながめてみました。「のろま!」と、ふたりは言いました。
のろまのハンス:――むかしばなしの再話――
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
先生も何があるのかと思ったらしく、ちょっとうしろを
振
(
ふ
)
り向いて見ましたが、なあになんでもないという風でまたこっちを向いて
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
とやさしい女の
声
(
こえ
)
で
声
(
こえ
)
をかけられました。
坊
(
ぼう
)
さんはぎょっとしながら、
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
ってみますと、
若
(
わか
)
い女でしたから、やっと
安心
(
あんしん
)
して
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いえいえやはり佐助を呼んで下されと強情に手を
振
(
ふ
)
り
払
(
はら
)
ってそのまま立ちすくんでいる所へ佐助が
駈
(
か
)
け付け、顔色でそれと察した。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『
其邊
(
そのへん
)
には』と
云
(
い
)
ひながら
猫
(
ねこ
)
は、
其右
(
そのみぎ
)
の
前足
(
まへあし
)
を
振
(
ふ
)
つて
弧
(
こ
)
を
描
(
えが
)
き、『
帽子屋
(
ぼうしや
)
が
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
る、それから
其方
(
そつち
)
の
方
(
はう
)
には』と
他
(
ほか
)
の
前足
(
まへあし
)
を
振
(
ふ
)
つて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
露八はつい
後方
(
うしろ
)
にばかり気を
奪
(
と
)
られているのだった。そのときも、
振
(
ふ
)
り
顧
(
かえ
)
っていた。そして思わず、あっ……と
佇立
(
たたず
)
んでしまった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私にはこの上もない
好
(
い
)
い機会が与えられたのに、知らない
振
(
ふ
)
りをしてなぜそれをやり過ごしたのだろうという悔恨の念が燃えたのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう
忍耐
(
にんたい
)
が
出來
(
でき
)
ない、
萬年
(
まんねん
)
ペンをとつて
振
(
ふ
)
りあげた、その
恐
(
おそ
)
ろしい
笞
(
しもと
)
の
下
(
した
)
で
憐
(
あわれ
)
みを
乞
(
こ
)
ふかのように
鳴
(
な
)
いてゐる、それが
毆
(
たゝ
)
けるか。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
老人
(
ろうじん
)
が
杖
(
つえ
)
を
振
(
ふ
)
ると、二人は一番高い
塔
(
とう
)
の
屋根
(
やね
)
にあがりました。王子はまだこんな高いところへあがったことがありませんでした。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
すると、たちまち、ガチョウもニワトリも、ニールスのほうを
振
(
ふ
)
りむきました。そうして、みんなは、ものすごい
勢
(
いきお
)
いで
鳴
(
な
)
きたてました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
私はその子の名前を呼んだ。その子はしかし私の方を
振
(
ふ
)
り向こうともしなかった。それほど自分の遊びに
夢中
(
むちゅう
)
になっているように見えた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
……
其
(
そ
)
の
毎
(
たび
)
に、
銀杏返
(
いてふがへし
)
の
黒
(
くろ
)
い
頭
(
あたま
)
が、
縦横
(
たてよこ
)
に
激
(
はげ
)
しく
振
(
ふ
)
れて、まん
円
(
まる
)
い
顔
(
かほ
)
のふら/\と
忙
(
せは
)
しく
廻
(
まは
)
るのが、
大
(
おほき
)
な
影法師
(
かげばうし
)
に
成
(
な
)
つて、
障子
(
しやうじ
)
に
映
(
うつ
)
る……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
又
(
また
)
直
(
たゞち
)
に
自分
(
じぶん
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聽
(
き
)
く
者
(
もの
)
は
無
(
な
)
い、
其
(
そ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
解
(
わか
)
るものは
無
(
な
)
いとでも
考
(
かんが
)
へ
直
(
なほ
)
したかのやうに
燥立
(
いらだ
)
つて、
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
りながら
又
(
また
)
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
遠
(
とほ
)
ざかるが
最期
(
さいご
)
もう
縁
(
ゑん
)
の
切
(
き
)
れしも
同
(
おな
)
じこと
取
(
と
)
りつく
島
(
しま
)
の
頼
(
たの
)
みもなしと、
我
(
わ
)
れ
振
(
ふ
)
りすてられしやうな
歎
(
なげ
)
きにお
園
(
その
)
いよ/\
心細
(
こヽろぼそ
)
く
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
エレクトリークは歩きながら、ひっきりなしに頭を
振
(
ふ
)
りもぎったり、
胴
(
どう
)
ぶるいをしたり、鼻を鳴らしたり、いなないたりした。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
夢中
(
むちゅう
)
で
振
(
ふ
)
り
払
(
はら
)
ったお
蓮
(
れん
)
の
片袖
(
かたそで
)
は、
稲穂
(
いなほ
)
のように
侍女
(
じじょ
)
の
手
(
て
)
に
残
(
のこ
)
って、
惜
(
お
)
し
気
(
げ
)
もなく
土
(
つち
)
を
蹴
(
け
)
ってゆく
白臘
(
はくろう
)
の
足
(
あし
)
が、
夕闇
(
ゆうやみ
)
の
中
(
なか
)
にほのかに
白
(
しろ
)
かった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今日
(
こんにち
)
から
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
って
考
(
かんが
)
えると、この
海
(
うみ
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
は
私
(
わたくし
)
の
為
(
た
)
めに
神界
(
しんかい
)
で
特
(
とく
)
に
設
(
もう
)
けて
下
(
くだ
)
すったお
浚
(
さら
)
いの
場所
(
ばしょ
)
ともいうべきものなのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
最後
(
さいご
)
に
吉彦
(
よしひこ
)
さんがじぶんで、
大
(
おお
)
きく
大
(
おお
)
きく
撞木
(
しゅもく
)
を
振
(
ふ
)
って、がオオんん、とついた。わんわんわん、と
長
(
なが
)
く
余韻
(
よいん
)
がつづいた。すると
吉彦
(
よしひこ
)
さんが
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
その國から
上
(
のぼ
)
つておいでになる時に、龜の
甲
(
こう
)
に乘つて釣をしながら勢いよく
身體
(
からだ
)
を
振
(
ふ
)
つて來る人に
速吸
(
はやすい
)
の
海峽
(
かいきよう
)
で遇いました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
あれは
狐
(
きつね
)
が
松明
(
たいまつ
)
を
振
(
ふ
)
るのだとも
言
(
い
)
ひましたし、
奧山
(
おくやま
)
の
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
が
腐
(
くさ
)
つて
光
(
ひか
)
るのを
狐
(
きつね
)
が
口
(
くち
)
にくはへて
振
(
ふ
)
るのだとも
言
(
い
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
私
(
わて
)
が
親爺
(
おやじ
)
に無心して払いまっさ」と柳吉も
黙
(
だま
)
っているわけに行かなかったが、種吉は「そんなことしてもろたら困りまんがな」と手を
振
(
ふ
)
った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
風呂敷
(
ふろしき
)
の中から地獄壺を出して、与一の耳の辺で
振
(
ふ
)
ってみせた事が大きいそぶりであっただけに私は閉口してしまった。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
いきなり短刀を
抜
(
ぬ
)
き放して、天皇のお首をま下にねらって、三度までお
振
(
ふ
)
りかざしになりましたが、いよいよとなると、さすがにおいたわしくて
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
北を見ると、
最早
(
もう
)
鉄軌
(
れえる
)
を敷いた電鉄の線路が、烏山の木立の間に見え隠れ、
此方
(
こなた
)
のまだ枕木も敷かぬ部分には工夫が五六人
鶴嘴
(
つるはし
)
を
振
(
ふ
)
り上げて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
最
(
もつと
)
も
左樣
(
さう
)
する
前
(
まへ
)
に
老人
(
らうじん
)
と
小聲
(
こゞゑ
)
で
一寸
(
ちよつ
)
と
相談
(
さうだん
)
があつたらしく、
金貸
(
かねかし
)
らしい
老人
(
らうじん
)
は『
勿論
(
もちろん
)
のこと』と
言
(
い
)
ひたげな
樣子
(
やうす
)
を
首
(
くび
)
の
振
(
ふ
)
り
方
(
かた
)
で
見
(
み
)
せてたのであつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『えらい
權式
(
けんしき
)
ぢやなア。』と
思
(
おも
)
ひながら、
玄竹
(
げんちく
)
は
腰差
(
こしざ
)
しを
預
(
あづ
)
けようとすると、
多田院
(
ただのゐん
)
から
來
(
き
)
た
迎
(
むか
)
への
男
(
をとこ
)
が
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
つて、『よろしい/\。』と
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
岸壁でさんざんに吹きまくられるのかと思うと、やはり服にすればよかったと、急に
振
(
ふ
)
りの赤さが気になってきた。
野萩
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
私
(
わたし
)
の
夫
(
をつと
)
なるあなたの、
私
(
わたし
)
を
見
(
み
)
つけてあひずに
振
(
ふ
)
つていらつしやるお
袖
(
そで
)
を、よく
見
(
み
)
ようと
考
(
かんが
)
へて、
私
(
わたし
)
が
折
(
を
)
つたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
何かほかの
嗜好物
(
しこうぶつ
)
に転換させるか、もし
万
(
ばん
)
不可能な時は、妻自身大酒をのむか、
但
(
ただ
)
しはのみたる
振
(
ふ
)
りで
酔
(
よ
)
っぱらって困らせて見せるか、知人の大酔家を
良人教育十四種
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
この
棒
(
ぼう
)
の
大
(
おほ
)
きくないものは、
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つた
棍棒
(
こんぼう
)
かと
思
(
おも
)
はれますが、
太
(
ふと
)
くて
大
(
おほ
)
きなものには、とうてい
持
(
も
)
つて
振
(
ふ
)
りまはすことの
出來
(
でき
)
ないものがありますから
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その時は、北方から
剽悍
(
ひょうかん
)
な遊牧民ウグリ族の一隊が、馬上に
偃月刀
(
えんげつとう
)
を
振
(
ふ
)
りかざして
疾風
(
しっぷう
)
のごとくにこの部落を
襲
(
おそ
)
うて来た。湖上の民は必死になって
禦
(
ふせ
)
いだ。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
人々はかたずをのんで、的の下の
壕
(
ごう
)
からの合い図を待ちました。赤い旗が出て上下に
振
(
ふ
)
れば十点、黒い円形の
弾痕指示器
(
だんこんしじき
)
が出て左右に
振
(
ふ
)
れば
零点
(
れいてん
)
なのです。
国際射的大競技
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
楽長の
摯
(
し
)
は斉に去った。
亜飯
(
あはん
)
の
干
(
かん
)
は
楚
(
そ
)
に去った。三飯の
繚
(
りょう
)
は
蔡
(
さい
)
に去った。四飯の
欠
(
けつ
)
は
秦
(
しん
)
に去った。
鼓師
(
つづみし
)
の
方叔
(
ほうしゅく
)
は河内に逃げた。
振
(
ふ
)
り
鼓師
(
つづみし
)
の
武
(
ぶ
)
は漢に逃げた。
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
長い一生を
振
(
ふ
)
り
顧
(
かへ
)
つてみても、何一つ碌な事は
仕出来
(
しでか
)
してゐないので、この頃では
他
(
ひと
)
と話す時には、いつもパアシング将軍の舅を自慢する事に決めてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
例の、みなさん、ご承知の「
信不退
(
しんふたい
)
」「
行不退
(
ぎょうふたい
)
」というものがありまして「もろもろの
雑行
(
ぞうぎょう
)
を
振
(
ふ
)
り
捨
(
す
)
てて」
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
お湯をじゃぶじゃぶ
掻
(
か
)
きまわして、子供の
振
(
ふ
)
りをしてみても、なんとなく気が重い。これからさき、生きてゆく理由が無いような気がして来て、くるしくなる。
女生徒
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
花野を、
紅
(
あか
)
い
緒
(
を
)
の
塗笠
(
ぬりがさ
)
をかぶつて、狐葛の葉が飛んでゆく舞臺の
振
(
ふ
)
りは、どんなに幼心をとらへたらう。
春宵戯語
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
警部は首を上下に
振
(
ふ
)
って大きい決心を示しました。「
懸
(
かか
)
れッ!」サッと警部の手が
扉
(
ドア
)
の方を指しました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
妻子
(
さいし
)
を
振
(
ふ
)
り
捨
(
す
)
てて、
奮然
(
ふんぜん
)
学問のしなおしをやってみようかしら、そんならばたしかに人をおどろかすにたるな。やってみようか、おもしろいな
奮然
(
ふんぜん
)
やってみようか。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
下段の自分のベッドに転がり、松山さんと、意味ありげに顔を見合せ、ぼくのほうを
振
(
ふ
)
りかえります。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
振
(
ふ
)
りながら何の御禮に及びませうぞ
夫
(
それ
)
其處
(
そこ
)
は
水溜
(
みづたま
)
り此處には石が
轉
(
ころ
)
げ有りと
飽迄
(
あくまで
)
お安に安心させ
何處
(
どこ
)
へ
連行
(
つれゆき
)
殺
(
ばら
)
さんかと心の内に目算しつゝ麹町をも
疾
(
とく
)
過
(
すぎ
)
て初夜の
鐘
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「子供にかまける」毎の、
扮
(
な
)
り
振
(
ふ
)
りかまはぬ姿こそ、清く尊いものと云へば云へるであらう。だが、こゝに、私は日本人の不思議な凝結心理をみて、聊か疑問を抱く。
妻の日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
成程
(
なるほど
)
、
子分
(
こぶん
)
の
多人数
(
たにんず
)
在
(
あ
)
るのは
子槌
(
こづち
)
で、
夫
(
そ
)
れから
種々
(
いろ/\
)
の
宝
(
たから
)
を
振
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
しますが、
兜町
(
かぶとちやう
)
のお
宅
(
たく
)
へ
往
(
い
)
つて見ると
子宝
(
こだから
)
の多い事。甲「
第
(
だい
)
一
国立銀行
(
こくりつぎんこう
)
で
大黒
(
だいこく
)
の
縁
(
えん
)
は
十分
(
じふぶん
)
に
在
(
あ
)
ります。 ...
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昔ハりトきトハ通用シテ
山吹
(
やまぶき
)
ヲ
山振
(
やまぶり
)
ト云ヒ古事記ニ
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
りてト云フトコロヲ手をふきてトアル
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“振”を含む語句
振舞
振返
身振
振鈴
素振
振向
武者振
振廻
男振
羽振
手振
振顧
振切
立居振舞
一振
振子
頭振
言振
棒手振
振下
...