)” の例文
よ、愚劣ぐれつな×(2)に対してこぶし子供こどもらを、かほをそむけてのゝしをんなたちを、無言むごんのまゝ反抗はんこう視線しせんれつきつけるをとこたちを!
こうして清作せいさくさんは、じつにりっぱな軍人ぐんじんでした。だからまちとおると、おとこおんないて、その雄々おおしい姿すがたをながめたのです。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひるがへつて歐米おうべいれば、さすがに母語ぼごくまでもこれを尊重そんてうし、英米えいべいごときはいたるところに母語ぼごりまはしてゐるのである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あとではむしいるまでも羞恥はぢ恐怖おそれとそれから勘次かんじはゞかることからつてきた抑制よくせいねんとがあわてゝもきらせるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくしと、日出雄少年ひでをせうねんと、ほか一群いちぐん水兵すいへいとは、りくとゞまつて、その試運轉しうんてん光景くわうけいながめつゝ、花火はなびげ、はたり、大喝采だいかつさいをやるつもりだ。
「さうだ、まつたすね。わるくすると、明日あしたあめだぜ‥‥」と、わたしざまこたへた。河野かうのねむさうなやみなかにチラリとひかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そこで、にいさんたちは、またうしろをり返って、こんどは何だろうと、ながめてみました。「のろま!」と、ふたりは言いました。
先生も何があるのかと思ったらしく、ちょっとうしろをり向いて見ましたが、なあになんでもないという風でまたこっちを向いて
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とやさしい女のこえこえをかけられました。ぼうさんはぎょっとしながら、かえってみますと、わかい女でしたから、やっと安心あんしんして
人馬 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いえいえやはり佐助を呼んで下されと強情に手をはらってそのまま立ちすくんでいる所へ佐助がけ付け、顔色でそれと察した。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
其邊そのへんには』とひながらねこは、其右そのみぎ前足まへあしつてえがき、『帽子屋ぼうしやんでる、それから其方そつちはうには』とほか前足まへあしつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
露八はつい後方うしろにばかり気をられているのだった。そのときも、かえっていた。そして思わず、あっ……と佇立たたずんでしまった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私にはこの上もないい機会が与えられたのに、知らないりをしてなぜそれをやり過ごしたのだろうという悔恨の念が燃えたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう忍耐にんたい出來できない、萬年まんねんペンをとつてりあげた、そのおそろしいしもとしたあわれみをふかのようにいてゐる、それがたゝけるか。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
老人ろうじんつえると、二人は一番高いとう屋根やねにあがりました。王子はまだこんな高いところへあがったことがありませんでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
すると、たちまち、ガチョウもニワトリも、ニールスのほうをりむきました。そうして、みんなは、ものすごいいきおいできたてました。
私はその子の名前を呼んだ。その子はしかし私の方をり向こうともしなかった。それほど自分の遊びに夢中むちゅうになっているように見えた。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
……たびに、銀杏返いてふがへしくろあたまが、縦横たてよこはげしくれて、まんまるかほのふら/\とせはしくまはるのが、おほき影法師かげばうしつて、障子しやうじうつる……
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、またたゞち自分じぶんことものい、ことわかるものはいとでもかんがなほしたかのやうに燥立いらだつて、あたまりながらまたあるす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
とほざかるが最期さいごもうゑんれしもおなじことりつくしまたのみもなしと、りすてられしやうななげきにおそのいよ/\心細こヽろぼそ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
エレクトリークは歩きながら、ひっきりなしに頭をりもぎったり、どうぶるいをしたり、鼻を鳴らしたり、いなないたりした。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
夢中むちゅうはらったおれん片袖かたそでは、稲穂いなほのように侍女じじょのこって、もなくつちってゆく白臘はくろうあしが、夕闇ゆうやみなかにほのかにしろかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
今日こんにちからかえってかんがえると、このうみ修行場しゅぎょうばわたくしめに神界しんかいとくもうけてくだすったおさらいの場所ばしょともいうべきものなのでございました。
最後さいご吉彦よしひこさんがじぶんで、おおきくおおきく撞木しゅもくって、がオオんん、とついた。わんわんわん、となが余韻よいんがつづいた。すると吉彦よしひこさんが
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
その國からのぼつておいでになる時に、龜のこうに乘つて釣をしながら勢いよく身體からだつて來る人に速吸はやすい海峽かいきようで遇いました。
あれはきつね松明たいまつるのだともひましたし、奧山おくやまくさつてひかるのをきつねくちにくはへてるのだともひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わて親爺おやじに無心して払いまっさ」と柳吉もだまっているわけに行かなかったが、種吉は「そんなことしてもろたら困りまんがな」と手をった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
風呂敷ふろしきの中から地獄壺を出して、与一の耳の辺でってみせた事が大きいそぶりであっただけに私は閉口してしまった。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
いきなり短刀をき放して、天皇のお首をま下にねらって、三度までおりかざしになりましたが、いよいよとなると、さすがにおいたわしくて
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
北を見ると、最早もう鉄軌れえるを敷いた電鉄の線路が、烏山の木立の間に見え隠れ、此方こなたのまだ枕木も敷かぬ部分には工夫が五六人鶴嘴つるはしり上げて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もつと左樣さうするまへ老人らうじん小聲こゞゑ一寸ちよつ相談さうだんがあつたらしく、金貸かねかしらしい老人らうじんは『勿論もちろんのこと』とひたげな樣子やうすくびかたせてたのであつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『えらい權式けんしきぢやなア。』とおもひながら、玄竹げんちく腰差こしざしをあづけようとすると、多田院ただのゐんからむかへのをとこつて、『よろしい/\。』とつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
岸壁でさんざんに吹きまくられるのかと思うと、やはり服にすればよかったと、急にりの赤さが気になってきた。
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
わたしをつとなるあなたの、わたしつけてあひずにつていらつしやるおそでを、よくようとかんがへて、わたしつたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
何かほかの嗜好物しこうぶつに転換させるか、もしばん不可能な時は、妻自身大酒をのむか、ただしはのみたるりでっぱらって困らせて見せるか、知人の大酔家を
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
このぼうおほきくないものは、つた棍棒こんぼうかとおもはれますが、ふとくておほきなものには、とうていつてりまはすことの出來できないものがありますから
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
その時は、北方から剽悍ひょうかんな遊牧民ウグリ族の一隊が、馬上に偃月刀えんげつとうりかざして疾風しっぷうのごとくにこの部落をおそうて来た。湖上の民は必死になってふせいだ。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
人々はかたずをのんで、的の下のごうからの合い図を待ちました。赤い旗が出て上下にれば十点、黒い円形の弾痕指示器だんこんしじきが出て左右にれば零点れいてんなのです。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
楽長のは斉に去った。亜飯あはんかんに去った。三飯のりょうさいに去った。四飯のけつしんに去った。鼓師つづみし方叔ほうしゅくは河内に逃げた。鼓師つづみしは漢に逃げた。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
長い一生をかへつてみても、何一つ碌な事は仕出来しでかしてゐないので、この頃ではひとと話す時には、いつもパアシング将軍の舅を自慢する事に決めてゐる。
例の、みなさん、ご承知の「信不退しんふたい」「行不退ぎょうふたい」というものがありまして「もろもろの雑行ぞうぎょうてて」
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
お湯をじゃぶじゃぶきまわして、子供のりをしてみても、なんとなく気が重い。これからさき、生きてゆく理由が無いような気がして来て、くるしくなる。
女生徒 (新字新仮名) / 太宰治(著)
花野を、あか塗笠ぬりがさをかぶつて、狐葛の葉が飛んでゆく舞臺のりは、どんなに幼心をとらへたらう。
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
警部は首を上下にって大きい決心を示しました。「かかれッ!」サッと警部の手がドアの方を指しました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
妻子さいしてて、奮然ふんぜん学問のしなおしをやってみようかしら、そんならばたしかに人をおどろかすにたるな。やってみようか、おもしろいな奮然ふんぜんやってみようか。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
下段の自分のベッドに転がり、松山さんと、意味ありげに顔を見合せ、ぼくのほうをりかえります。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
りながら何の御禮に及びませうぞそれ其處そこ水溜みづたまり此處には石がころげ有りと飽迄あくまでお安に安心させ何處どこ連行つれゆきばらさんかと心の内に目算しつゝ麹町をもとくすぎて初夜のかね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「子供にかまける」毎の、りかまはぬ姿こそ、清く尊いものと云へば云へるであらう。だが、こゝに、私は日本人の不思議な凝結心理をみて、聊か疑問を抱く。
妻の日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
成程なるほど子分こぶん多人数たにんずるのは子槌こづちで、れから種々いろ/\たからしますが、兜町かぶとちやうのおたくつて見ると子宝こだからの多い事。甲「だい国立銀行こくりつぎんこう大黒だいこくえん十分じふぶんります。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
昔ハりトきトハ通用シテ山吹やまぶき山振やまぶりト云ヒ古事記ニりてト云フトコロヲ手をふきてトアル
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)