“武者振”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしゃぶ68.2%
むしゃぶり13.6%
むしやぶり9.1%
むしゃぶるい4.5%
むしやぶる4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忠作が武者振むしゃぶりつくのを一堪ひとたまりもなく蹴倒けたおす、蹴られて忠作は悶絶もんぜつする、大の男二人は悠々ゆうゆうとしてその葛籠を背負って裏手から姿を消す。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
先君のとむらい合戦と申して、せがれ秀勝も髪をろさんといい、堀秀政も剃髪すると云い出したが、お身らは若い、それまでには及ばぬ。武者振むしゃぶりこそ作れと、ようやくあちらで止めて参った。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といきなり両手を拡げて武者振むしやぶりついたと思ふと、力一杯頭突を食はせた。法律の箇条書で一杯詰つてゐる筈の頭は、案外空つぽだつたと見えて、缶詰の空殻あきがらを投げたやうに、かんと音がした。
(新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
また、三四年まえに、お祖母さんが自分にかくしてしまいこんでいた羊羹の折箱を、そっと盗み出して、裏の畑で存分にふみつけてやったことを思い出し、何か武者振むしゃぶるいいのようなものを全身に感じた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
さわやかな夜風が襟に吹いて、上野の鐘が頭の上で鳴るやうに、九つを告げます。その最後の音が余韻よゐんを殘して闇の中に消えると、平次は何んとはなしに武者振むしやぶるひを感じました。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)