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踏
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ふ
ふりがな文庫
“
踏
(
ふ
)” の例文
然
(
しか
)
れども
別
(
べつ
)
に
社界
(
しやかい
)
の
大弊根
(
たいへいこん
)
の
長
(
なが
)
く
存
(
そん
)
するありて、
壯年有爲
(
そうねんゆうい
)
の
士
(
し
)
をして
徃々
(
おう/\
)
にして
熱火
(
ねつくわ
)
を
踏
(
ふ
)
み
焔柱
(
ゑんちう
)
を
抱
(
いだ
)
くの
苦慘
(
くさん
)
を
快
(
こゝろよし
)
とせしむる
事
(
こと
)
あり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
恁
(
か
)
うして
買
(
か
)
つて
參
(
まゐ
)
ります
品物
(
しなもの
)
が
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らないと、
甚
(
ひど
)
いんですぜ、そりや、
踏
(
ふ
)
んだり、
蹴
(
け
)
つたり、ポカ/\でさ。
我又不善擇人參可否
(
われまたにんじんのかひをえらぶことをよくせず
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
うしろから吹きつける風に
煽
(
あお
)
られて身体ぐるみ
宙
(
ちゅう
)
に浮いたまま、二三歩前へよろけてから、やっと
踏
(
ふ
)
みとどまる
癖
(
くせ
)
がついてしまった。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
女神は、その岩にさえぎられて、それより先へは一足も
踏
(
ふ
)
み出すことができないものですから、
恨
(
うら
)
めしそうに岩をにらみつけながら
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
山母はこれはたいへんだと水がめから
跳
(
は
)
ね上がって外へ走り出ようとすると、踏み台のベゴの糞で
踏
(
ふ
)
ん
滑
(
ずら
)
のめってステンところんだ。
東奥異聞
(新字新仮名)
/
佐々木喜善
(著)
▼ もっと見る
「そうしたほうがいいだろう。ここへ
捕手
(
とりて
)
が
踏
(
ふ
)
ン込んで、枕元から縄付きになった日には、
養父
(
おやじ
)
さんも安々と行く所へも行かれまい」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
れが
頻
(
しき
)
りに
交代
(
かうたい
)
されるので、
卯平
(
うへい
)
は一
度
(
ど
)
しか
郷里
(
きやうり
)
の
土
(
つち
)
を
踏
(
ふ
)
まなくても
種々
(
しゆ/″\
)
の
變化
(
へんくわ
)
を
耳
(
みゝ
)
にした。
彼
(
かれ
)
は一
番
(
ばん
)
おつぎのことが
念頭
(
ねんとう
)
に
浮
(
うか
)
ぶ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「わツ驚いた、ドブ板が
陷穴
(
おとしあな
)
になつて居るぜ。
踏
(
ふ
)
み返したとたんに赤犬が噛み付きさうに吠える仕掛は念入り過ぎやしませんか、親分」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
数千年来、数億の人々が
踏
(
ふ
)
み
固
(
かた
)
めてくれた、
坦々
(
たんたん
)
たる
平
(
たいら
)
かな道である。
吾人
(
ごじん
)
が母の
胎内
(
たいない
)
においてすでに幾分か聞いて来た道である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そして、身体をあちこちに廻しながら物を
踏
(
ふ
)
み
蹂
(
にじ
)
るような格好をして母を見い見い外へ出て行こうとした。「
通
(
かよ
)
いは?」と母が訊いた。
火
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
私
(
わたくし
)
は
別
(
べつ
)
に
婦道
(
ふどう
)
が
何
(
ど
)
うの、
義理
(
ぎり
)
が
斯
(
こ
)
うのと
言
(
い
)
って、
六ヶ
(
むずか
)
しい
理窟
(
りくつ
)
から
割
(
わ
)
り
出
(
だ
)
して、
三浦
(
みうら
)
に
踏
(
ふ
)
みとどまった
訳
(
わけ
)
でも
何
(
なん
)
でもございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
又
(
また
)
鎔岩
(
ようがん
)
が
次第
(
しだい
)
に
冷却
(
れいきやく
)
して
來
(
く
)
るとどんな
成分
(
せいぶん
)
のものも
流動
(
りゆうどう
)
し
難
(
がた
)
くなり、
其後
(
そのご
)
は
固形
(
こけい
)
の
岩塊
(
がんかい
)
が
先頭
(
せんとう
)
の
岩塊
(
がんかい
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
えて
前進
(
ぜんしん
)
するのみである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
仰ぎ見る彼等は、流るゝ雲に引きずられてやゝもすれば
駈
(
か
)
け出しそうになる足を
踏
(
ふ
)
みしめ踏みしめ立って居なければならなかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これは
雷
(
かみなり
)
があんまり
調子
(
ちょうし
)
に
乗
(
の
)
って、
雲
(
くも
)
の上を
駆
(
か
)
け
回
(
まわ
)
るひょうしに、
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
みはずして、
地
(
ち
)
の上に
落
(
お
)
ちて、目を
回
(
まわ
)
したのでした。お
百姓
(
ひゃくしょう
)
は
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
短遮等より投げたる球を攫み得て第一基を
踏
(
ふ
)
むこと(もしくは
身体
(
からだ
)
の一部を
触
(
ふ
)
るること)走者より早くば走者は除外となるなり。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
茶店、旅宿などにても、極上等の
座敷
(
ざしき
)
のたたみは洋服ならでは
踏
(
ふ
)
みがたく、洋服着たる人は、後に来りて先ず
飲食
(
いんしょく
)
することをも得つべし。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そしてそれが
水上
(
すいじょう
)
を
渡
(
わた
)
って
向
(
むこ
)
うへ
消
(
き
)
えたと
思
(
おも
)
うと、
幾匹
(
いくひき
)
かの
猟犬
(
りょうけん
)
が
水草
(
みずくさ
)
の中に
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
て、
草
(
くさ
)
を
踏
(
ふ
)
み
折
(
お
)
り
踏
(
ふ
)
み
折
(
お
)
り
進
(
すす
)
んで
行
(
い
)
きました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
よし存在してもすぐ他から
排斥
(
はいせき
)
され
踏
(
ふ
)
み
潰
(
つぶ
)
されるにきまっているからです。私はあなたがたが自由にあらん事を切望するものであります。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わしはもはやふたたび都の土を
踏
(
ふ
)
む望みはない。
一指
(
いっし
)
を加えることができないで敵とともに一つの天をいただくことは限りない苦しみだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
やはり、手探りしながら、歩く暗さで、
暫
(
しばら
)
くゆくと、
突然
(
とつぜん
)
、足下の
床
(
ゆか
)
が左右に
揺
(
ゆ
)
れだし、しっかり
踏
(
ふ
)
みしめて歩かぬと、転げそうでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
地方によって多少作り方も違い、タチツケ、あるいは略してタッケ、猿袴、
踏
(
ふ
)
ん
込
(
こ
)
みなどともいい、庄内辺ではマタシャリとも言うそうな。
春雪の出羽路の三日
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
その一
瞬
(
しゅん
)
だ。富田六段の右の手が、さっとひらめくように動いたと見ると、モンクスの
踏
(
ふ
)
み出した足首をさっとすくい上げた。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
それも
何
(
ど
)
うあらうかと
母
(
はゝ
)
などは
頻
(
しきり
)
にいやがるので
私
(
わし
)
も
二
(
に
)
の
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで
居
(
ゐ
)
る、
無論
(
むろん
)
病院
(
びやうゐん
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
自宅
(
じたく
)
と
違
(
ちが
)
つて
窮屈
(
きゆうくつ
)
ではあらうが
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一、二
年
(
ねん
)
の
後
(
のち
)
には、
天才
(
てんさい
)
の
芽
(
め
)
は、まったく
踏
(
ふ
)
みにじられて、あとかたもなく、
如才
(
じょさい
)
のない、きざな一
個
(
こ
)
の
商人
(
しょうにん
)
ができあがるでありましょう。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
流石
(
さすが
)
に、
無暗
(
むやみ
)
に
踏
(
ふ
)
ん
込
(
こ
)
む訳にも行かぬので、一同玄関の土間にためらっていると、奥の方から、幽かに誰かの泣きじゃくる声が漏れて来た。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
が、
草
(
くさ
)
や
竹
(
たけ
)
の
落葉
(
おちば
)
は、一
面
(
めん
)
に
踏
(
ふ
)
み
荒
(
あら
)
されて
居
(
を
)
りましたから、きつとあの
男
(
をとこ
)
は
殺
(
ころ
)
される
前
(
まへ
)
に、
餘程
(
よほど
)
手痛
(
ていた
)
い
働
(
はたら
)
きでも
致
(
いた
)
したのに
違
(
ちが
)
ひございません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
思
(
おも
)
ひせまつて
梅川
(
うめかは
)
は、
袖
(
たもと
)
をだいてよろ/\よろ、
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
へよろめいて、はつと
踏
(
ふ
)
みとまつて、
手
(
て
)
をあげた
時
(
とき
)
、
白
(
しろ
)
い
指
(
ゆび
)
がかちりと
鳴
(
な
)
つたのです。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
太い女だ、ひどい
奴
(
やつ
)
があるもんだ、どうかしてもう一度
江戸
(
えど
)
の
土
(
つち
)
を
踏
(
ふ
)
み、
女房
(
にようばう
)
子
(
こ
)
に
会
(
あ
)
つて死にたいものだ、お
祖師様
(
そしさま
)
の
罰
(
ばち
)
でも
当
(
あた
)
つたのかしら。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから五
人
(
にん
)
、
手分
(
てわけ
)
をして、
窟内
(
くつない
)
を
隈
(
くま
)
なく
調査
(
てうさ
)
して
見
(
み
)
ると、
遺骨
(
ゐこつ
)
、
遺物
(
ゐぶつ
)
、
續々
(
ぞく/″\
)
として
發見
(
はつけん
)
される。それを
過
(
あや
)
まつて
踏
(
ふ
)
みさうに
爲
(
す
)
る。
大騷
(
おほさは
)
ぎだ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
げたで
踏
(
ふ
)
まれたひたいのこぶがしくしく痛みだす。がかれはそれよりも痛いのは胸の底を
刺
(
さ
)
されるような大なる傷であった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
わたしの心の花々は、
一時
(
いちどき
)
に残らずもぎ取られて、わたしのまわりに散り敷いていた。——投げ散らされ、
踏
(
ふ
)
みにじられて。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
さるとりいばらにひっかけられたり、
窪
(
くぼ
)
みにどんと足を
踏
(
ふ
)
みこんだりしながらも、一生けん命そっちへ走って行きました。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そこで日々の勤めは否定されねばならない。その最後の一線はどうして
踏
(
ふ
)
み
踰
(
こ
)
えるか。ここで逡巡することは許されない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
その
頃
(
ころ
)
の
若
(
わか
)
いもんたちは、
三日三晩
(
みっかみばん
)
、たたらという
大
(
おお
)
きなふいごを
足
(
あし
)
で
踏
(
ふ
)
んで、
銅
(
かね
)
をとかす
火
(
ひ
)
をおこしたもんだそうだ。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
今日まで
踏
(
ふ
)
みとどまっている士族は少なかった。昔は家から家へと続いたものであるが、今は
晨
(
あした
)
の星のように畠と畠の間に一軒二軒と残っている。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「君達も今は劇は芸術だからつて、高く
止
(
とま
)
つてゐるが、芝居に足を
踏
(
ふ
)
ん
込
(
ご
)
むだ
抑々
(
そも/\
)
は、まさか芸術家になつてみたいと思つた訳でも無かつたらう。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると夜中の一時
頃
(
ごろ
)
であろうか。
本堂
(
ほんどう
)
の方の
廊下
(
ろうか
)
を歩く大きな足音がきこえて来た。その足音は少なくも八本か十本ぐらいの足で
踏
(
ふ
)
みならす音であった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
是なども
後
(
あと
)
の句は
越
(
こし
)
の
大徳
(
だいとく
)
の故事を
踏
(
ふ
)
んだものらしいが、まん中はやはり荒々しい山伏村の写実であった。そうかと思うと『
続猿蓑
(
ぞくさるみの
)
』の夏の夜の章には
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さア、お腹は空いてくるわ、なんぼ泣いてもほっとかれるわ。お
襁褓
(
むつ
)
もかえてくれんわ。
踏
(
ふ
)
んだり
蹴
(
け
)
ったりや。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
父の
行方
(
ゆくえ
)
の心配、都に小娘一人住みの
危
(
あや
)
うさ、とうとう姫も決心して国元へ帰ろうとほとんど路銀も持たずただ一人、この街道を
踏
(
ふ
)
み出して来たのでした。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
故十方斎先生は、
此室
(
ここ
)
で
皆伝
(
かいでん
)
の秘密の
口述
(
くちず
)
をしたもので、大廊下からわかれてこっちへ通ずる小廊下の
床
(
ゆか
)
が、
鶯張
(
うぐいすば
)
りになっている。
踏
(
ふ
)
むと音がするんです。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
山の案内人などの話でも老爺さんが一足
踏
(
ふ
)
み入れて、あるといった山に硫黄のなかったためしがなく、歩いていると、ふと向うの山の格好を見て言いあてる。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
こゝからは
岩石
(
がんせき
)
と
砂礫
(
されき
)
の
道
(
みち
)
を
一歩々々
(
いつぽ/\
)
踏
(
ふ
)
みすゝんで、つひに
海拔
(
かいばつ
)
一萬二千餘尺
(
いちまんにせんよしやく
)
の
絶頂
(
ぜつちよう
)
へたどりつくわけです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
あの
水松
(
いちゐ
)
の
下
(
した
)
で、
長々
(
なが/\
)
と
横
(
よこ
)
になって、
此
(
この
)
洞
(
ほら
)
めいた
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
直
(
ひた
)
と
耳
(
みゝ
)
を
附
(
つ
)
けてゐい、
穴
(
あな
)
を
掘
(
ほ
)
るので、
土
(
つち
)
が
緩
(
ゆる
)
んで、
和
(
やはら
)
いでゐるによって、
踏
(
ふ
)
めば
直
(
すぐ
)
に
足音
(
あしあと
)
が
聞
(
きこ
)
えう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
無垢
(
むく
)
な
若者
(
わかもの
)
の
前
(
まへ
)
に
洪水
(
おほみづ
)
のやうに
展
(
ひら
)
ける
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、どんなに
甘
(
あま
)
い
多
(
おほ
)
くの
誘惑
(
いうわく
)
や、
美
(
うつく
)
しい
蠱惑
(
こわく
)
に
充
(
み
)
ちて
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せることだらう!
外
(
そ
)
れるな、
濁
(
にご
)
るな、
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ふなと
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
だってこうなってからというものア運とは云いながら
為
(
す
)
ることも為ることもどじを
踏
(
ふ
)
んで、
旨
(
うめ
)
え酒一つ飲ませようじゃあ無し面白い目一つ見せようじゃあ無し
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
手
(
て
)
の
内
(
うち
)
の
宝
(
たから
)
を
奪
(
うば
)
われでもしたように、
藤吉
(
とうきち
)
は
地駄
(
じだ
)
ン
駄
(
だ
)
踏
(
ふ
)
んで、あとから、
土橋
(
どばし
)
をひと
飛
(
と
)
びに
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そうして一めんに生い茂った雑草を
踏
(
ふ
)
み分けて行くうちに、この家のこうした光景は、数年前、最後にこれを見た時とそれが少しも変っていないような気がした。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
所詮
(
しょせん
)
は大体のうえに眼をつけて、それから細かいところへ
踏
(
ふ
)
み込んで行かないと、前にも云ったような、飛んだ見込み違いで横道へそれてしまうことがありますよ
半七捕物帳:25 狐と僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
新室
(
にひむろ
)
を
踏
(
ふ
)
み
鎮
(
しづ
)
む
子
(
こ
)
し
手玉
(
ただま
)
鳴
(
な
)
らすも
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
照
(
て
)
りたる
君
(
きみ
)
を
内
(
うち
)
へと
白
(
まを
)
せ 〔巻十一・二三五二〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
踏
常用漢字
中学
部首:⾜
15画
“踏”を含む語句
舞踏
踏込
踏留
踏止
踏掛
舞踏室
舞踏場
踏板
踏跨
高踏
足踏
雪踏
踏襲
踏切
踏台
踏破
踏歌
踏付
地鞴踏
舞踏曲
...