)” の例文
それはそれとし、この菊水紋の旗を、尊良親王にして、赤坂城へ下賜された叡慮のうちには図案以上な、機略の妙がうかがわれる。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斬られた角兵衛は秘密にしているにしても、人の腕を斬って往来へ投げ捨てて、世間を騒がした照之助を不問にして置くわけには行かない。
半七捕物帳:54 唐人飴 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
パンセイの頭には亀裂ひびが入って、そこから暗黒世界がほんのわずかばかり沁み込んだために、彼を死に至らしめたのだという私の説を一笑にしている。
第七十三条 将来ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅命ちょくめいもっテ議案ヲ帝国議会ノスヘシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
無論今度のことは等閑とうかんすべからざることですが、退校は少しくこくにすぎはしますまいか
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
彼のいう盗人ぬすびと一件などはむろん一笑にしてしまったのであるが、なにしろ船長の申しいでが非常に嬉しかったので、それでは船の大工を連れて行って、部屋を調べさせましょうと
松蔵まつぞういえが、貧乏びんぼうのために、いっさいの道具どうぐ競売きょうばいせられたことであります。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
炳文を以て大将軍徐達じょたつして一等となす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
勿論その時代とても、すべての人がそれを信用するわけではなく、心ある者は一笑にして顧みなかったのであるが、そういうたぐいの流言は今日より多く行われ、多く信じられた。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして、そのまきで火葬にされて終るのが、女の一生と約されていた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)