)” の例文
ゆゑに縐布しゞみぬのといひたるを、はぶきてちゞみとのみいひつらん。かくてとしるほどに猶たくみになりて、地をうつくしくせんとて今のごとくちゞみは名のみにのこりしならん。
殊に本邦の竹類に在てはそれ生じてたくを解きてより遂に枯死に就くに至るまで、その寿命を保つの間仮令たとい幾年の星霜をるも遂に花を出すことなくして止むもの少なからず。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
宝暦六年余廿一歳、森氏をめとる。生質微弱にして余が多病を給するに堪へず。況や十年をいへども、一子を産せず。故に家母甚だこれを愁ふ。明和二年家人に命じ、山中氏の女をめとり、給仕せしむ。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けだし北越奇談ほくゑつきだん会津あひづとなこまたけ深谷しんこくに入ること三里にして化石渓くわせきたにと名付る処あり、虫羽ちゆうう草木といへどもたにに入りて一年をればみな化して石となる。その川甚苦寒くかんにして夏もわたるべからざるが如し。
けだし北越奇談ほくゑつきだん会津あひづとなこまたけ深谷しんこくに入ること三里にして化石渓くわせきたにと名付る処あり、虫羽ちゆうう草木といへどもたにに入りて一年をればみな化して石となる。その川甚苦寒くかんにして夏もわたるべからざるが如し。