ぶく)” の例文
もつともまた二十歳はたちになつたばかり、月代さかやきが青々として、下つぶくれのあごのあたり、僅かに童顏の殘るのも、限りない愛嬌でした。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
この医師いしゃから、病人が見放されたのは、それから八日目であった。叔母の体は、手をかければ崩れでもしそうに、顔も手足も黄色くぶくついて来た。時々差し引きのある熱も退かなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)