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攘
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はら
ふりがな文庫
“
攘
(
はら
)” の例文
狐は毎夜その女のところへ忍んで来るので、張の家では大いに
患
(
うれ
)
いて、なんとかして追い
攘
(
はら
)
おうと試みたが、遂に成功しなかった。
中国怪奇小説集:15 池北偶談(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
水牛の背にも、昆蟲
聚
(
あつま
)
りて寸膚を止めねば、時々怒りて自らテヱエルの黄なる流に躍り入り、身を水底に
滾
(
まろが
)
してこれを
攘
(
はら
)
ひたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
勿論
(
もちろん
)
是も面白い世の中といえば言える。いわゆる二重三重生活は我々の単調なる存在から、退屈という
畏
(
おそ
)
ろしい悪魔を追い
攘
(
はら
)
う効力はある。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
可
(
い
)
いかな? その
陋劣
(
さもし
)
い心を
人間
(
ひと
)
の胸から
攘
(
はら
)
ひ浄めて、富めるも賤きも、真に四民平等の楽天地を作る。それが此教の第一の目的ぢや。解つたぞな?
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
人蟒われいまだ死せざるに、この者われを
易
(
あなど
)
り、取次もなしに入り来ると
瞋
(
いか
)
って毒気を吐くを、舎利弗慈恵を以て
攘
(
はら
)
い、光顔ますます
好
(
よ
)
く、一毛動かず。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
直言讜議
(
ちょくげんとうぎ
)
、
諱
(
い
)
まず
憚
(
はばか
)
らず、時には国王の
逆鱗
(
げきりん
)
に触れるほどの危きをも冒し、ますます筆鋒を鋭くして、死に至るまで実利主義のために進路の
荊棘
(
けいきょく
)
を
攘
(
はら
)
った。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
高ッ調子のお国がいなくなると、
宅
(
うち
)
は水の
退
(
ひ
)
いたようにケソリとして来た。お作は
場所塞
(
ばしょふさ
)
げの厄介物を
攘
(
はら
)
った気でいたが、新吉は何となく寂しそうな顔をしていた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
儛
(
まひ
)
を列ねて
賊
(
あた
)
を
攘
(
はら
)
ひ、歌を聞きて仇を伏しき。すなはち夢に
覺
(
さと
)
りて神祇を
敬
(
ゐやま
)
ひたまひき、
所以
(
このゆゑ
)
に賢后と
稱
(
まを
)
す
一〇
。烟を望みて黎元を撫でたまひき、今に聖帝と傳ふ
一一
。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
この中で、
露国
(
ろこく
)
の船将が
対馬尾崎浦
(
つしまおざきうら
)
に上陸し
駐屯
(
ちゅうとん
)
しているとの
報知
(
しらせ
)
すら伝わった。港は
鎖
(
とざ
)
せ、ヨーロッパ人は打ち
攘
(
はら
)
え、その排外の風がいたるところを吹きまくるばかりであった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
七たびも生かえりつつ夷をぞ
攘
(
はら
)
わんこころ吾れ忘れめや〔七たび生れて賊を滅ぼす〕
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それは幕政の局に当つて財況其他の実情を知悉し、夷の
攘
(
はら
)
ふべからず、戦の交ふべからざることを知つてゐたからである。しかし此に於ては漢方より洋方に遷ることを
肯
(
がへん
)
ぜなかつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其咒力により一切の災厄を
攘
(
はら
)
い病苦を救いて、功徳を施すことを怠らなかった。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
けだし弓は
昔時
(
せきじ
)
にあつては神聖なる武器にして、戦場に用ゐらるるは言ふまでもなく、
蟇目
(
ひきめ
)
などとて
妖魔
(
ようま
)
を
攘
(
はら
)
ふの儀式もある位なれば、
金気
(
きんき
)
の
粛殺
(
しゅくさつ
)
たるに取り合せて
自
(
おのずか
)
ら無限の趣味を生ずるを見る。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「それは聞いた、横浜の
毛唐
(
けとう
)
を打ち
攘
(
はら
)
う
先鋒
(
せんぽう
)
とやら」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
士もなんだか夢のような心持になって、かれらを追い
攘
(
はら
)
うすべもなく、手足をなぐられるやら、噛まれるやら、さんざんの目に逢わされた。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
他の土人たちは声で
嚇
(
おど
)
し、かつ鉄砲をその前後の空間に打ち掛けて、悪魔を追い
攘
(
はら
)
おうとしたがついに効を奏せず、捕われた者は茂みに隠れてしまった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
こは車の大道を去るべき知らせなり。我は道の傍に
築
(
きづ
)
きたる壇に上りぬ。脚下には人の頭波立てり。今やコルソオの競馬始らんとするなれば、兵士は人を
攘
(
はら
)
はんことに力を
竭
(
つく
)
せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし史朗はその時、清川に
頭臚
(
あたま
)
を
殴
(
なぐ
)
られ、泣き
面
(
つら
)
かきながら
逐
(
お
)
い
攘
(
はら
)
われて来た。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
古アッカジア人既に婬鬼を
攘
(
はら
)
う呪法を備え(一八七四年パリ板ルノルマン著『カルジアおよびアッカジア魔法篇』三六頁)、一八一七年板マーチンの『トンガ島人記』二巻一一九頁には
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「あしきを
攘
(
はら
)
うて救けたまへ。」の御神樂歌と代り、大和の國の總本部に参詣して來てからは、自ら思立つてか、唆かされてか、家屋敷所有地全體賣拂つて、工事總額二千九百何十圓といふ
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
先ずその蛙の巣窟を
攘
(
はら
)
うに如ずと云うので、お出入りの植木職を呼あげて、庭の植込を
洗
(
ふ
)
かせ、草を苅らせ、池を
浚
(
さら
)
わせた。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ネブトというと
腫物
(
はれもの
)
のように聞えるが、なお目的は睡魔を
攘
(
はら
)
うにあって、宇都宮の方ではこれをネムタ流しといい、その際に紙で作った人形を流す風習もあった(同上)。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『ハツハハ。酔へエばアア寝たくなアるウ、(と唄ひさして、)寝れば、それから何だつけ?
呍
(
うん
)
、何だつけ? ハツハハ。あしきを
攘
(
はら
)
うて救けたまへだ。ハツハハ。』と、
再
(
また
)
グラリとする。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
太史
(
たいし
)
(史官)の
奏上
(
そうじょう
)
によると、昨夜は
北斗
(
ほくと
)
七星が光りを
隠
(
かく
)
したということである。それは何の
祥
(
しょう
)
であろう。師にその禍いを
攘
(
はら
)
う術があるか」
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あしきを
攘
(
はら
)
うて救けたまへ。」の
御神楽
(
みかぐら
)
歌
(
うた
)
と代り、大和の国の総本部に参詣して来てからは、自ら思立つてか、唆かされてか、家屋敷
所有地
(
もちち
)
全体
(
すつかり
)
売払つて、工事費総額二千九百何十円といふ
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかも昔からの言い伝えで、毛人を追い
攘
(
はら
)
うには一つの方法がある。それは手を
拍
(
う
)
って、大きな声で
囃
(
はや
)
し立てるのである。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あらゆる邪魔をうち
攘
(
はら
)
ひ、戀と意地とを立て通した最期の笑顏も、鏡に映せばおなじ顏で、勝利の滿足に變りはあるまい。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なんとかして永久にこの幽靈を追ひ
攘
(
はら
)
つてしまふのでなければ、小幡一家の平和を保つことは
覺束
(
おぼつか
)
ないやうに思はれた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
但し道士の修法が成就して、潮はようやく退いた後であるので、
攘
(
はら
)
いの祈祷をおこなった上に、堤を築き、宮を建てることにして帰った。(隠居通議)
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼はどんな利益を犠牲にしても、悪魔のような久次郎を追い
攘
(
はら
)
ってしまわなければならないと決心した。
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのうちに事態いよいよ危急に迫って、七月二十九日には
成歓牙山
(
せいかんがさん
)
のシナ兵を撃ち
攘
(
はら
)
うことになる。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
老女はあると答えると、それではおれが
攘
(
はら
)
ってやろうといって、道士は
嚢
(
ふくろ
)
のなかから一枚のお
符
(
ふだ
)
を取り出して火に
焚
(
や
)
くと、やがてどこかで落雷でもしたような響きがきこえた。
中国怪奇小説集:13 輟耕録(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
なんとかしてその禍いを
攘
(
はら
)
う法はあるまいかと相談しましたが、与茂四郎は別にその方法を教えてくれなかったそうです。ただこの後は決して蟹を食うなと戒めただけでした。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのなかに
郝居士
(
かくこじ
)
という人があった。かれは邪を
攘
(
はら
)
い、魔を
降
(
くだ
)
すの術をよく知っていた。
中国怪奇小説集:06 宣室志(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その頃、誰が云い出したのか知らないが、コロリの疫病神を
攘
(
はら
)
うには、軒に八つ手の葉を
吊
(
つる
)
して置くがいいと云い伝えられた。八つ手の葉は天狗の
羽団扇
(
はねうちわ
)
に似ているからであると云う。
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
敵がちっとぐらい暴れ廻ったところで、誰かが又それを何とか撃ち
攘
(
はら
)
ってくれるだろう位に多寡をくくっているので、彼は年の若い師冬が熱しているほどにはこの問題を重大視していなかった。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
背後
(
うしろ
)
からは忠一を先に、角川家の人々が追って来た。前には巡査が立っている。敵に前後を挟まれた重太郎は、
先
(
ま
)
ず当面の邪魔を
攘
(
はら
)
うに
如
(
しか
)
ずと思ったのであろう、刃物を
揮
(
ふる
)
って巡査に突いて
蒐
(
かか
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
正親 かうして惡魔を
攘
(
はら
)
ふのぢや。(又打つ。)
能因法師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
攘
漢検1級
部首:⼿
20画
“攘”を含む語句
攘夷
尊王攘夷
攘除
逐攘
撃攘
龍攘虎搏
攘夷論
尊攘
鎖攘
攘夷家
攘祓
勤王攘夷
開攘
鎖港攘夷
鎖攘主義
尊攘派
尊攘論者
追攘
破邪攘魔
尊王攘幕
...