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拂
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はら
ふりがな文庫
“
拂
(
はら
)” の例文
新字:
払
宗助
(
そうすけ
)
は
御米
(
およね
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いて、
始
(
はじ
)
めて
一窓庵
(
いつさうあん
)
の
空氣
(
くうき
)
を
風
(
かぜ
)
で
拂
(
はら
)
つた
樣
(
やう
)
な
心持
(
こゝろもち
)
がした。
一
(
ひと
)
たび
山
(
やま
)
を
出
(
で
)
て
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
れば
矢張
(
やは
)
り
元
(
もと
)
の
宗助
(
そうすけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おつぎは
勘次
(
かんじ
)
の
敏捷
(
びんせふ
)
な
目
(
め
)
を
欺
(
あざむ
)
くには
此
(
これ
)
だけの
深
(
ふか
)
い
注意
(
ちうい
)
を
拂
(
はら
)
はなければならなかつた。それも
稀
(
まれ
)
なことで
數
(
かず
)
は
必
(
かなら
)
ず
一
(
ひと
)
つに
限
(
かぎ
)
られて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見
(
み
)
よ、
頭
(
かしら
)
なき
其
(
そ
)
の
骸
(
むくろ
)
、
金鎧
(
きんがい
)
一縮
(
いつしゆく
)
して
戟
(
ほこ
)
を
横
(
よこた
)
へ、
片手
(
かたて
)
を
擧
(
あ
)
げつゝ
馬
(
うま
)
に
跨
(
またが
)
り、
砂煙
(
すなけむり
)
を
拂
(
はら
)
つてトツ/\と
陣
(
ぢん
)
に
還
(
かへ
)
る。
陣中
(
ぢんちう
)
豈
(
あに
)
驚
(
おどろ
)
かざらんや。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十一文づゝ二年
半餘
(
はんあま
)
りも
滯
(
とゞこふ
)
らば
大抵
(
たいてい
)
三十文
計
(
ばか
)
りの
引負
(
ひきおひ
)
となるべし。
閏月
(
しゆんげつ
)
は
即
(
すなは
)
ちこの三十文の
引負
(
ひきおひ
)
を一月にまとめて
拂
(
はら
)
ふことゝ
知
(
し
)
るべし。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
取するばかり
手短
(
てみじか
)
の話が先斯した處だ何れなりとも御望み次第
何
(
どう
)
だネ旅の
衆
(
しう
)
其懷ろは御前が彼の飯盛の
揚代
(
あげだい
)
を
拂
(
はら
)
ふ時篤と見て置夫故跡を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
第一
毎日
(
まいにち
)
六
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
寢衣
(
ねまき
)
を
着替
(
きか
)
へ、
蒲團
(
ふとん
)
の
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
寢間
(
ねま
)
其外
(
そのほか
)
居間
(
ゐま
)
を
掃除
(
さうじ
)
し、
身體
(
しんたい
)
を
十分
(
じふぶん
)
安靜
(
しづか
)
にして、
朝飯
(
あさはん
)
を
食
(
しよく
)
する
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
「
注意
(
ちうい
)
を
拂
(
はら
)
ふ」だの「
近
(
ちか
)
き
將來
(
しやうらい
)
」などは、おかしいけれどもまだ
意味
(
いみ
)
が
分
(
わ
)
かるが、
妙
(
めう
)
に
持
(
も
)
つてまはつて、
意味
(
いみ
)
が
通
(
つう
)
じないのは、まことに
困
(
こ
)
まる。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
又
(
また
)
その
眼
(
め
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
りさうな
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
を
拂
(
はら
)
ひ
除
(
の
)
けやうとして
其
(
そ
)
の
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
つてる
所
(
ところ
)
を
見
(
み
)
ました——それから
又
(
また
)
一
心
(
しん
)
に
何
(
なに
)
か
聽
(
き
)
いてるやうにも
見
(
み
)
えました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
もいと
晴々
(
はれ/″\
)
しき
顏色
(
がんしよく
)
で、そよ/\と
吹
(
ふ
)
く
南
(
みなみ
)
の
風
(
かぜ
)
に
鬢
(
びん
)
のほつれ
毛
(
げ
)
を
拂
(
はら
)
はせながら
餘念
(
よねん
)
もなく
海上
(
かいじやう
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此豫報
(
このよほう
)
が一たび
各新聞
(
かくしんぶん
)
に
由
(
よ
)
つて
傳
(
つた
)
へられると、
迷信
(
めいしん
)
非迷信
(
ひめいしん
)
に
關
(
かゝは
)
らず、
江湖
(
こうこ
)
は
大
(
おほ
)
いなる
注意
(
ちうい
)
を
之
(
これ
)
に
向
(
む
)
けて
拂
(
はら
)
つた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
その
晩
(
ばん
)
、
暑
(
あつ
)
さを
拂
(
はら
)
ふ
凉雨
(
れうう
)
が
來
(
き
)
た、
昨夜
(
ゆうべ
)
猫
(
ねこ
)
のために十
分
(
ぶん
)
に
寢
(
ね
)
られなかつた
入
(
い
)
れ
合
(
あは
)
せに
今夜
(
こんや
)
は
熟睡
(
じゆくすゐ
)
しようと
思
(
おも
)
つた。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
道翹
(
だうげう
)
は
蛛
(
くも
)
の
網
(
い
)
を
拂
(
はら
)
ひつゝ
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて、
閭
(
りよ
)
を
豐干
(
ぶかん
)
のゐた
明家
(
あきや
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つた。
日
(
ひ
)
がもう
暮
(
く
)
れ
掛
(
か
)
かつたので、
薄暗
(
うすくら
)
い
屋内
(
をくない
)
を
見𢌞
(
みまは
)
すに、がらんとして
何
(
なに
)
一つ
無
(
な
)
い。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
番町
(
ばんちやう
)
の
旦那
(
だんな
)
といふは
口數
(
くちかず
)
少
(
すくな
)
き
人
(
ひと
)
と
見
(
み
)
えて、
時
(
とき
)
たま
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したやうにはた/\と
團扇
(
うちは
)
づかひするか、
卷煙草
(
まきたばこ
)
の
灰
(
はひ
)
を
拂
(
はら
)
つては
又
(
また
)
火
(
ひ
)
をつけて
手
(
て
)
に
持
(
もつ
)
てゐる
位
(
くらゐ
)
なもの
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
で、
其家
(
そのいへ
)
と
總
(
すべて
)
の
什具
(
じふぐ
)
とは、
棄賣
(
すてうり
)
に
拂
(
はら
)
はれて、イワン、デミトリチと
其母親
(
そのはゝおや
)
とは
遂
(
つひ
)
に
無
(
む
)
一
物
(
ぶつ
)
の
身
(
み
)
となつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ないものは
拂
(
はら
)
へないからそこは
宗教
(
しうけう
)
の
力
(
ちから
)
で、
何
(
なん
)
とか
便宜
(
べんぎ
)
を
計
(
はか
)
つてはくれまいかと
嘆願
(
たんぐわん
)
して
見
(
み
)
たんですが、
彼奴
(
あいつ
)
はどうして、
規定
(
きてい
)
は
規定
(
きてい
)
だから、
證明書
(
しようめいしよ
)
もなく
金
(
かね
)
もないなら
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
今後
(
こんご
)
外國
(
ぐわいこく
)
から
餘計
(
よけい
)
物
(
もの
)
を
買
(
か
)
へば、それだけ
日本
(
にほん
)
の
保有
(
ほいう
)
して
居
(
ゐ
)
る
金貨
(
きんくわ
)
を
以
(
もつ
)
て
外國
(
ぐわいこく
)
に
拂
(
はら
)
ふことになる。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
屡
(
しば/\
)
海底
(
かいてい
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
を
起
(
おこ
)
す
場所
(
ばしよ
)
に
接
(
せつ
)
し、そこに
向
(
むか
)
つて
大
(
おほ
)
きく
漏斗形
(
じようごがた
)
に
開
(
ひら
)
いた
地形
(
ちけい
)
の
港灣
(
こうわん
)
がそれに
當
(
あた
)
るわけであるが、これに
次
(
つ
)
いで
多少
(
たしよう
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
拂
(
はら
)
ふべきは、
遠淺
(
とほあさ
)
の
海岸
(
かいがん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
とにかくあんまり
強
(
つよ
)
くもなく、かと言つてまた
格別
(
かくべつ
)
恥
(
はづ
)
かしいほど
弱
(
よわ
)
い
譯
(
わけ
)
でもなく、
棋
(
き
)
風も先づ正正
堂堂
(
どうどう
)
として
至極
(
しごく
)
落
(
お
)
ち着き
拂
(
はら
)
つた方、正に兄たり
難
(
かた
)
く弟たり
難
(
かた
)
しの
組
(
くみ
)
合せだ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
のんだ
酒
(
さけ
)
の
勘定
(
かんじやう
)
からですよ。
去年
(
きよねん
)
の
盆
(
ぼん
)
に一どお
前
(
まへ
)
におごつたことがあるから、けふのは
拂
(
はら
)
へと、あののんだくれ の
俺
(
わし
)
の
奴
(
やつ
)
が
言
(
ゆ
)
ふんです。するとあんたの
方
(
はう
)
も
方
(
はう
)
ですわねえ。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
その
農作地
(
のうさくち
)
と
牧場
(
まきば
)
とを
作
(
つく
)
るためには
森林
(
しんりん
)
の
一部分
(
いちぶぶん
)
を
燒
(
や
)
き
拂
(
はら
)
ひ
燒
(
や
)
き
拂
(
はら
)
ひしました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
然
(
しかる
)
にお房は、彼の
財布
(
さいふ
)
には
底
(
そこ
)
が無いものと思ツて、
追續
(
おツつぎ
)
々
(
/\
)
々
(
/\
)
預算以外の支出を要求して、米屋八百屋の借を
拂
(
はら
)
はせたり、
家賃
(
やちん
)
の滯を
埋
(
う
)
めさせたり、
纒
(
まとま
)
ツて幾らといふ
烏金
(
からすがね
)
の
口
(
くち
)
まで拂はせた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ロミオ
此方
(
こち
)
も
其
(
その
)
貧苦
(
ひんく
)
にこそ
拂
(
はら
)
へ、
意
(
こゝろ
)
には
拂
(
はら
)
はぬわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「死」に
拂
(
はら
)
ふ
渡
(
わたり
)
のしろと、
船人
(
ふなびと
)
の
掌
(
て
)
にとらさむも。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
卯平
(
うへい
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
誰
(
たれ
)
がさうしたのか
筵
(
むしろ
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
たへられてあつた。
彼
(
かれ
)
は
少
(
すくな
)
い
白髮
(
しらが
)
を
薙
(
な
)
ぎ
拂
(
はら
)
つて
燒
(
や
)
いた
火傷
(
やけど
)
のあたりを
手
(
て
)
で
掩
(
お
)
うて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
降
(
ふ
)
るも
積
(
つも
)
るも
風情
(
ふぜい
)
かな、
未開紅
(
みかいこう
)
の
梅
(
うめ
)
の
姿
(
すがた
)
。
其
(
そ
)
の
莟
(
つぼみ
)
の
雪
(
ゆき
)
を
拂
(
はら
)
はむと、
置
(
おき
)
炬燵
(
ごたつ
)
より
素足
(
すあし
)
にして、
化粧
(
けはひ
)
たる
柴垣
(
しばがき
)
に、
庭
(
には
)
下駄
(
げた
)
の
褄
(
つま
)
を
捌
(
さば
)
く。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
又
(
また
)
これを
譬
(
たと
)
へばあらまし三百六十五文
拂
(
はら
)
ふべき
借金
(
しやくきん
)
を、
毎月
(
まいつき
)
二十九文五
分
(
ぶ
)
づゝの
濟口
(
すみくち
)
にて十二
箇
(
か
)
月
拂
(
はら
)
へば一年に
凡
(
およそ
)
十一文づゝの
不足
(
ふそく
)
あり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今迄
(
いままで
)
小六
(
ころく
)
に
就
(
つい
)
て、
夫程
(
それほど
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
拂
(
はら
)
つてゐなかつた
宗助
(
そうすけ
)
は、
突然
(
とつぜん
)
此
(
この
)
問
(
とひ
)
に
逢
(
あ
)
つて、すぐ、「
何故
(
なぜ
)
」と
聞
(
き
)
き
返
(
かへ
)
した。
御米
(
およね
)
はしばらく
逡巡
(
ためら
)
つた
末
(
すゑ
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
震
(
ふる
)
はして申立てけるに其時檢使は彼場所に傘捨有りし傘を
出
(
いだ
)
され其方此傘に覺え有りやと見せらるれば長庵涙を
拂
(
はら
)
ひて
倩々
(
つく/″\
)
と
打詠
(
うちなが
)
め暫く
有
(
あつ
)
て小膝を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
第十
常居
(
ゐま
)
は
濕氣
(
しめりけ
)
少
(
すくな
)
く
日當
(
ひあた
)
りよくして
風
(
かぜ
)
の
透
(
とほ
)
る
樣
(
やう
)
に
心
(
こゝろ
)
を
用
(
もち
)
ふ
可
(
べ
)
し。一ヶ
年
(
ねん
)
一兩度
(
いちりやうど
)
は
必
(
かなら
)
ず
天井
(
てんじやう
)
また
椽
(
えん
)
の
下
(
した
)
の
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
寢所
(
ねどころ
)
は
高
(
たか
)
く
燥
(
かわ
)
きたる
方
(
はう
)
を
擇
(
えら
)
ぶべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
此時
(
このとき
)
艦頭
(
かんとう
)
に
立
(
た
)
てる
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は、
右鬢
(
うびん
)
に
微傷
(
びしやう
)
を
受
(
う
)
けて、
流
(
なが
)
るゝ
血汐
(
ちしほ
)
の
兩眼
(
りようがん
)
に
入
(
い
)
るを、
拳
(
こぶし
)
に
拂
(
はら
)
つて、キツと
見渡
(
みわた
)
す
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
、
電光
(
でんくわう
)
の
如
(
ごと
)
く
近
(
ちか
)
づき
來
(
きた
)
つた
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
まだかまだかと
塀
(
へい
)
の
廻
(
まわ
)
りを七
度
(
た
)
び
廻
(
まわ
)
り、
欠伸
(
あくび
)
の
數
(
かず
)
も
盡
(
つ
)
きて、
拂
(
はら
)
ふとすれど
名物
(
めいぶつ
)
の
蚊
(
か
)
に
首筋
(
くびすぢ
)
額
(
ひたい
)
ぎわしたゝか
螫
(
さゝ
)
れ、三五
郎
(
らう
)
弱
(
よわ
)
りきる
時
(
とき
)
、
美登利
(
みどり
)
立出
(
たちい
)
でゝいざと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
(
新聞
(
しんぶん
)
には
講演
(
かうえん
)
の
梗概
(
かうがい
)
が
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
たが、
余
(
よ
)
は
新聞
(
しんぶん
)
の
記事
(
きじ
)
には、
信用
(
しんよう
)
を
拂
(
はら
)
はぬ一
人
(
にん
)
であるので、
證
(
しよう
)
とせぬ)
余
(
よ
)
は
余
(
よ
)
として、
生意氣
(
なまいき
)
ながら
左
(
さ
)
の
如
(
ごと
)
き
説
(
せつ
)
を
持
(
じ
)
するのである。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
何故
(
なぜ
)
かならば
昨年
(
さくねん
)
七
月
(
ぐわつ
)
二
日
(
か
)
から
同樣
(
どうやう
)
の
事
(
こと
)
をして、それで
今日
(
こんにち
)
初
(
はじめ
)
て
日本
(
にほん
)
は
海外
(
かいぐわい
)
に
金
(
かね
)
を
拂
(
はら
)
はないで
濟
(
す
)
む
貿易關係
(
ぼうえきくわんけい
)
になつたのであるから
本年
(
ほんねん
)
にも
昨年
(
さくねん
)
と
同
(
おな
)
じやうな
状態
(
じやうたい
)
を
持續
(
ぢぞく
)
すれば
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
とにかく
舊式
(
きうしき
)
の名人
制
(
せい
)
打
破
(
は
)
は
甚
(
はなは
)
だいい。ただ
問題
(
もんだい
)
は
棋界
(
きかい
)
に
功勞
(
こうろう
)
があり、而も
棋
(
き
)
力
衰
(
おとろ
)
へた
老棋士
(
ろうきし
)
の
老
(
ろう
)
後の生
活
(
くわつ
)
に
對
(
たい
)
して同時に何等かの
考慮
(
こうりよ
)
が
拂
(
はら
)
はるべきである事を
僕
(
ぼく
)
は切言したい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
驚
(
おどろ
)
きの
餘
(
あま
)
り、
怒
(
いか
)
り
叫
(
さけ
)
び、
其等
(
それら
)
を
拂
(
はら
)
ひ
除
(
の
)
けやうとして、
身
(
み
)
は
堤
(
どて
)
の
上
(
うへ
)
に、
※
(
ねえ
)
さんの
膝
(
ひざ
)
を
枕
(
まくら
)
に
臥
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
たのに
氣
(
き
)
がつきました、
※
(
ねえ
)
さんは
靜
(
しづか
)
に、
顏
(
かほ
)
に
散
(
ち
)
り
來
(
く
)
る
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
拂
(
はら
)
つて
居
(
を
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
來
(
く
)
ると、
宛然
(
まるで
)
空々
(
そら/″\
)
しい
無理
(
むり
)
な
元氣
(
げんき
)
を
出
(
だ
)
して、
強
(
し
)
ひて
高笑
(
たかわらひ
)
をして
見
(
み
)
たり、
今日
(
けふ
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
顏色
(
かほいろ
)
が
好
(
い
)
いとか、
何
(
なん
)
とか、ワルシヤワの
借金
(
しやくきん
)
を
拂
(
はら
)
はぬので、
内心
(
ないしん
)
の
苦
(
くる
)
しく
有
(
あ
)
るのと、
恥
(
はづか
)
しく
有
(
あ
)
る
所
(
ところ
)
から
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
然
(
さ
)
らばと
言
(
い
)
つて、
一寸
(
ちよつと
)
蛙
(
かへる
)
を、
承
(
うけたまは
)
りまする
儀
(
ぎ
)
でと、
一々
(
いち/\
)
町内
(
ちやうない
)
の
差配
(
さはい
)
へ
斷
(
ことわ
)
るのでは、
木戸錢
(
きどせん
)
を
拂
(
はら
)
つて
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
見
(
み
)
るやうな
殺風景
(
さつぷうけい
)
に
成
(
な
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
只
(
たゞ
)
一
部
(
ぶ
)
、三
角測量臺
(
かくそくりやうだい
)
の
見通
(
みとほ
)
しに
障
(
さは
)
る
爲
(
ため
)
に
切
(
き
)
り
拂
(
はら
)
はれた
空隙
(
すき
)
がそれを
導
(
みちび
)
いた。
火
(
ひ
)
の
子
(
こ
)
は
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
屋根
(
やね
)
の一
角
(
かく
)
にどさりと
止
(
とま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
御米
(
およね
)
、
御前
(
おまい
)
子供
(
こども
)
が
出來
(
でき
)
たんぢやないか」と
笑
(
わら
)
ひながら
云
(
い
)
つた。
御米
(
およね
)
は
返事
(
へんじ
)
もせずに
俯向
(
うつむ
)
いてしきりに
夫
(
をつと
)
の
脊廣
(
せびろ
)
の
埃
(
ほこり
)
を
拂
(
はら
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
なすよし女房は屏風を
立廻
(
たてまは
)
し床に
掛
(
かゝ
)
り
有
(
あり
)
しが後の方に
骨柳
(
こり
)
一ツ有しを夫を改めんとなすを
妻
(
つま
)
は此品は
不正
(
ふせい
)
の
物
(
もの
)
ならずと手を出す役人共
拂
(
はら
)
ひ退て中を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
高
(
たか
)
はあきれて
力
(
りき
)
ちやん
大底
(
たいてい
)
におしよといへども、
何
(
なに
)
宜
(
い
)
いのさ、これはお
前
(
まへ
)
にこれは
姉
(
ねへ
)
さんに、
大
(
おほ
)
きいので
帳塲
(
ちやうば
)
の
拂
(
はら
)
ひを
取
(
と
)
つて
殘
(
のこ
)
りは
一同
(
みんな
)
にやつても
宜
(
い
)
いと
仰
(
おつ
)
しやる
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
す
暇
(
いとま
)
もない、
急
(
いそ
)
ぎ
追
(
お
)
ひ
拂
(
はら
)
ふ
積
(
つも
)
りで、
一發
(
いつぱつ
)
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
したのが
※失
(
あやまり
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いくら
注意
(
ちうい
)
を
拂
(
はら
)
つても、
却々
(
なか/\
)
我々
(
われ/\
)
の
手
(
て
)
に——
其遺物
(
そのゐぶつ
)
の一
破片
(
はへん
)
でも——
觸
(
ふ
)
れる
事
(
こと
)
は
難
(
むづ
)
かしからうと
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
たのが、
斯
(
か
)
う、
容易
(
ようゐ
)
に
發見
(
はつけん
)
せられて
見
(
み
)
ると、
大
(
おほ
)
いに
趣味
(
しゆみ
)
を
感
(
かん
)
ぜずんばあらずである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
一年と
定
(
さだ
)
めたる
奉公人
(
ほうこうにん
)
の
給金
(
きうきん
)
は十二箇月の
間
(
あひだ
)
にも十兩、十三
箇
(
か
)
月の
間
(
あひだ
)
にも十兩なれば、一
箇
(
か
)
月はたゞ
奉公
(
ほうこう
)
するか、たゞ
給金
(
きうきん
)
を
拂
(
はら
)
ふか、
何
(
いづ
)
れにも一
方
(
ぽう
)
の
損
(
そん
)
なり。
其外
(
そのほか
)
の
不都合
(
ふつがふ
)
計
(
かぞふ
)
るに
遑
(
いとま
)
あらず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
『はい!』と
叫
(
さけ
)
んだものゝ
愛
(
あい
)
ちやんは、
餘
(
あま
)
りに
狼狽
(
あはて
)
たので
自分
(
じぶん
)
が
此所
(
こゝ
)
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
に、
如何
(
いか
)
ばかり
大
(
おほ
)
きくなつたかと
云
(
い
)
ふことを
全然
(
すつかり
)
忘
(
わす
)
れて、
遽
(
には
)
かに
跳
(
と
)
び
上
(
あが
)
りさま、
着物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
で
裁判官
(
さいばんくわん
)
の
席
(
せき
)
を
拂
(
はら
)
ひ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
とにかく、あなたが
始終
(
しじふ
)
こんな
氣
(
き
)
まぐれな
贅澤
(
ぜいたく
)
ばかりなさるから、
月末
(
つきずゑ
)
の
拂
(
はら
)
ひが
足
(
た
)
りなかつたり、
子供
(
こども
)
の
身
(
み
)
のまはりをちやんとしてやれないのよ。
考
(
かんが
)
へても
御覽
(
ごらん
)
なさい、
夏繪
(
なつゑ
)
は
來年
(
らいねん
)
もう
學校
(
がくかう
)
よ。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
假
(
かり
)
に
本年
(
ほんねん
)
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
があつて、さうして
差引
(
さしひき
)
一
億圓
(
おくゑん
)
の
金貨
(
きんくわ
)
を
外國
(
ぐわいこく
)
に
拂
(
はら
)
はなければならぬとすると、
日本銀行
(
にほんぎんかう
)
の十一
億圓
(
おくゑん
)
の
金貨
(
きんくわ
)
が十
億圓
(
おくゑん
)
に
減
(
へ
)
り、
兌換劵
(
だくわんけん
)
の
平均流通高
(
へいきんりうつうだか
)
は十二
億
(
おく
)
五千
萬圓
(
まんゑん
)
に
減
(
へ
)
る
譯
(
わけ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
本堂
(
ほんだう
)
に
額
(
ぬかづ
)
き
果
(
は
)
てて、
衝
(
つ
)
と
立
(
た
)
ちて
階
(
きざはし
)
の
方
(
かた
)
に
歩
(
あゆ
)
み
出
(
い
)
でたるは、
年紀
(
とし
)
はやう/\
二十
(
はたち
)
ばかりと
覺
(
おぼ
)
しき
美人
(
びじん
)
、
眉
(
まゆ
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
鐵漿
(
かね
)
をつけたり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬廻
(
うままは
)
りに
美男
(
びなん
)
の
聞
(
きこ
)
えは
有
(
あ
)
れど、
月
(
つき
)
の
雲井
(
くもゐ
)
に
塵
(
ちり
)
の
身
(
み
)
の
六三
(
ろくさ
)
、
何
(
なん
)
として
此戀
(
このこひ
)
なり
立
(
たち
)
けん、
夢
(
ゆめ
)
ばかりなる
契
(
ちぎ
)
り
兄君
(
あにぎみ
)
の
眼
(
め
)
にかヽりて、
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
遠乘
(
とほのり
)
の
歸路
(
かへりみち
)
、
野末
(
のずゑ
)
の
茶店
(
ちやてん
)
に
女
(
をんな
)
を
拂
(
はら
)
ひて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
余
(
よ
)
は、コロボツクルの
名
(
な
)
は、
曾
(
かつ
)
て
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
同時
(
どうじ
)
に
人類學者
(
じんるゐがくしや
)
として
坪井博士
(
つぼゐはかせ
)
の
居
(
ゐ
)
られる
事
(
こと
)
も
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
た。けれども、
日本
(
にほん
)
に
於
(
お
)
ける
石器時代
(
せききじだい
)
に
就
(
つい
)
ては、
全
(
まつた
)
く
注意
(
ちうい
)
を
拂
(
はら
)
はずに
居
(
ゐ
)
たのであつた。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
拂
部首:⼿
8画
“拂”を含む語句
拂曉
追拂
煤拂
引拂
御拂
咳拂
醉拂
露拂
支拂
賣拂
掻拂
切拂
拂子
吹拂
拂底
出拂
所拂
振拂
拂塵
海外支拂勘定
...