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夏繪
そして、ばたばた
近寄つて
來た
夏繪と
敏樹を
靜にさせながら、
二人を
兩方から
抱きよせたまま
蜂の
動作を
眺めつゞけてゐた。
朝の
半日をアトリエに
籠つた
夫は
庭で
二人の
子供と
快活な
笑聲を
立ててゐた
長女の
夏繪と四つになる
長男の
敏樹と、
子供好きの
夫は
氣持よく
仕事が
運んだあとでひどく
上機嫌だつた。
「さあ、
夏繪。
今度はうまく
受け
取るんだぞ。そら、ワン、ツウ、スリイ‥‥」