“みごも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
妊娠38.2%
身籠14.7%
11.8%
11.8%
8.8%
妊振2.9%
懐妊2.9%
懐姙2.9%
懐胎2.9%
2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荒神様あらがみさまではあるけれど、諏訪八ヶ嶽の宗介天狗様へ、申し児をせいと人に勧められ、祈願をかけたその月から不思議に妊娠みごもって産み落としたのが、この葉之助ではございませぬか。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
嫁の元服は、身籠みごもつた時がきつかけで、それは封建的な怪しからぬ習慣であつたにしても、青々と剃り落した眉や、眞つ黒な齒は、また一つの女の魅力でした。
するとその後間もなう起つたのは、その傘張の娘がみごもつたと云ふ騒ぎぢや。しかも腹の子の父親は、「さんた・るちや」の「ろおれんぞ」ぢやと、まさしう父の前で申したげでござる。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
みごもっているらしく、だるそうな顔に、底知れぬ不安と、死の近づいているきざしたたえているのであった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
神此の不思議を見ていたく驚き、アダムを畏れて自らが子となし給いしも、エヴは常人と異ならざれば婢となし、さてエヴといとなみしに、エヴみごもりて女児を生みて死せり。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
『すでに、おれの子を妊振みごもっている女を』
御鷹 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山吹はこの頃懐妊みごもっていた。多四郎の種を宿していたのだ。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
くれなゐの天竺牡丹ぢつと見て懐姙みごもりたりと泣きてけらずや
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
これでもなく懐胎みごもって、おとこでもうまれれば、なんのことはないのでございますが、そこがままならぬ浮世うきよならいで、一ねんっても、二ねんぎても、三ねんれても、ドウしても小供こどもうまれないので
かつては大正末期の新劇大女優さ——当時三歳にすぎなかったその人をあるじとしているうちに、大正四年になると、思いがけなかった男の子が、算哲の愛妾岩間富枝にみごもったのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)