みごも)” の例文
空氣みごもり、帶となるべき糸をたもつにいたるとき、われらは屡〻しば/″\ラートナのむすめの亦かくの如く卷かるゝを見る 六七—六九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
するとその後間もなう起つたのは、その傘張の娘がみごもつたと云ふ騒ぎぢや。しかも腹の子の父親は、「さんた・るちや」の「ろおれんぞ」ぢやと、まさしう父の前で申したげでござる。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
畑に働いている者は上衣を取りに帰るな。皆その場から、着のみ着のまま大急ぎで避難しろ。その日にはみごもりたる女と、乳をまする女とは禍害わざわいなるかな。このことの冬起こらぬように祈れ。
里の商人あきんど多四郎と、窩人の娘の山吹とが八ヶ嶽山上つづみほらで、恋の生活を営んでいるうちに、みごもり産んだのが葉之助であった。すなわち幼名猪太郎というのが、彼葉之助に他ならないのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さればこそ土は往昔そのかみ生物の極めて完全なるにふさはしく造られ、また處女をとめみごもりしなれ 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)