“みもち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
身持31.0%
妊娠20.7%
品行13.8%
懐妊6.9%
行状6.9%
姙娠3.4%
懐姙3.4%
懐胎3.4%
懷胎3.4%
操行3.4%
素行3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その身持みもちや酒を飲む飲まないという特別な註まで、ちゃんと記入してある——要するに、見た眼にも気持のいいものであった。
それよりも、部屋で泣伏しているおゆうの可憐いじらしい姿に、心のかるる房吉は、やがてそのそばへ寄って、優しいことばをかけてやりたかった。妊娠みもちだと云うことが、一層男の愛憐あいれんそそった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
うかれ車座のまわりをよくする油さし商売はいやなりと、此度このたび象牙ぞうげひいらぎえて児供こどもを相手の音曲おんぎょく指南しなん、芸はもとより鍛錬をつみたり、品行みもちみだらならず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
四月の二十日はつかに奥州へ行くと云って暇乞いとまごいにまいりました人に、旦那様が塩釜様しおがまさまのおふだをお頼みなさったので、わたくしは初めて御新造様が懐妊みもちにおなりなさったのを知ったのでございます
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
世間は気次第で忌〻しくも面白くもなるもの故、出来るだけは卑劣けちさびを根性に着けず瀟洒あつさりと世を奇麗に渡りさへすれば其で好いは、と云ひさしてぐいと仰飲あふぎ、後は芝居の噂やら弟子共が行状みもちの噂
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
時々は工夫の辨當の方に御馳走がある位ださうだから無理も無いのさ。それから七番の夫婦連れね。あの内儀さんは姙娠みもちでね。それはひどい惡阻つはりさ。
「だから云ってるではないか。残りの半分のマッチの棒は、あの銀座の鋪道に斃れた川村秋子かわむらあきこという懐姙みもち婦人が喰べてしまったのだ」
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
懐胎みもちの様子はなかったが、取逆上とりのぼせて少し気が変になったらしく、昼でも行灯を点けておいたり、草履を縁側へブラ下げたり、無暗むやみに逃出そうとしたり
懷胎みもちの樣子はなかつたが、取逆上とりのぼせて少し氣が變になつたらしく、晝でも行燈を點けて置いたり、草履を縁側へブラ下げたり、無暗に逃出さうとしたり
それで、腕はすぐれていながら、操行みもちのおさまらぬ職人の中などに、どうかすると、のみと小刀を風呂敷ふろしきに包み、「彫り物の武者修業に出るんだ」といって他流試合に出掛けるものがいたもんです。
「それじゃ、素行みもちでもわるいのか、演劇しばいなんかへ往ってると、俳優と関係があるとかなんとか、人はへんなことを云いたがるものだよ、何かそんな噂でもあるのか」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)