はら)” の例文
はらさんと立上りしがいや荒立あらだてては事の破れ何にもせよお浪を引さらひ女房にすれば男は立つたゞにつくきは富右衞門なりよきをりもあらば此遺恨このうらみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
源「覚えがないとばかり云っても、それじゃア胴巻の出た趣意が立たねえ、己まで御疑念がかゝり困るから、早く白状して殿様の御疑念をはらしてくれろ」
如何いかきゝ如何いかばかりあんじやしけん、どくのことしてけるよ、いで今日けふくれなんとするを、れいあしおとするころなり、日頃ひごろくもりしむねかゞみすゞしき物語ものがたりはらさばやとばかり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にくい悪い日頃から悪んでいる悪魔にでも、この時この一撃で息の音を止めて、恨みをはらしてやるというような面構つらがまえできっと青褪めた白百合のような眠っている少女の顔を睨み落した。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
これは伊達だてに飾ってあるのではない、僕は朝夕これを執って、わが家の同人の誰でもを相手に剣術の練習をする、たまらなく気が滅入って始末のつかぬ時には、これで戦争ごっこをして気分をはら
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)
はらされよと云つゝかね省愼たしなおきたる具足櫃ぐそくびつならびに差替さしかへの大小までも取出し此通り國難まさかの時の用意も致し居る拙者なり他人の物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
機をはずさず討たれんものと、わざと源次郎のかたちをして見違えさせ、槍で突かして孝心の無念をこゝにはらさせんと、かくは計らいたる事なり、今汝が錆槍にて脾腹を突かれし苦痛より
さし無念ははらしたれど今は此地に住居はならじと直樣すぐさま此處を立去たちさり是よりは名を嘉傳次かでんじあらため大坂へ出夫より九州へ赴き所々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とこづかれて、孝助は泣きながら、たゞ残念でございますと云っていると、お國は先夜せんやの意趣をはらすは此の時なり、今日こそ孝助が殿様にお手打になるか追出おいだされるかと思えば、心地よく、わざと
隅「本当でございますから疑りをはらして一献ひとつ戴きましょう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)