トップ
>
腫
>
むく
ふりがな文庫
“
腫
(
むく
)” の例文
少し
腫
(
むく
)
みのある顔を悲しそうに
蹙
(
しか
)
めながら、そっと腰の
周囲
(
まわり
)
をさすっているところは男前も何もない、血気盛りであるだけかえってみじめが深い。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
膝頭やくるぶしが分らないほど
腫
(
むく
)
んでいた。彼女はそれを畳の上で折りまげてみた。すると、膝頭の肉がかすかにバリバリと音をたてた。それはイヤな音だった。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
そのアトから腎臓病で
腫
(
むく
)
んだ左右の
顳顬
(
こめかみ
)
に梅干を貼った一知の父親の
乙束
(
おとづか
)
区長が、長い
頬髯
(
ほおひげ
)
を生した村医の神林先生や二三人の農夫と一緒に大慌てに慌てて走り上って来たが
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
病後の血色こそ好くないが、
腫
(
むく
)
んだように円々と肥って、にっとこちらを見て笑っていた
容姿
(
すがた
)
には、決して心から私という者を
厭
(
いと
)
うてはいないらしい毒気のないところが表われていた。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
で、
物
(
もの
)
の五丁も歩くと、今度は
先達
(
せんだち
)
を代へて、また同じやうな事を繰返すのだ。
間
(
ま
)
の悪い日になると夕方家に帰る頃には、皆の両唇が
腫
(
むく
)
み上つて
碌
(
ろく
)
に物も言へなくなつたやうな事さへあつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
ともし火のもとにさびしくわれ居りて
腫
(
むく
)
みたる足のばしけるかな
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「へい。ですが、こないだ
腫
(
むく
)
んでた皮を赤剥けにして、親方に
譴
(
しか
)
られましたもの……」と渋くったが、見ると、お上さんは目を真赤に泣き
腫
(
は
)
らしているので、小僧は何と思ったか
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
朝はやき
日比谷
(
ひびや
)
の
園
(
その
)
に
腫
(
むく
)
みたる足をぞ
撫
(
さす
)
る
労働
(
はたらき
)
びとひとり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
膩肉
(
あぶらみ
)
の
熱
(
ほと
)
ぼる
腫
(
むく
)
み、——しかすがに
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
腫
常用漢字
中学
部首:⾁
13画
“腫”を含む語句
水腫
腫物
浮腫
腫脹
蚯蚓腫
泣腫
腫瘍
腫上
地腫
腫起
肉腫
脬腫
癌腫
腫瘤
肺気腫
青腫
腫眶
糜爛性腫瘍
腫瞼
下腫
...