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かけだ
ふりがな文庫
“
馳出
(
かけだ
)” の例文
風
(
かぜ
)
でも
吹
(
ふ
)
いて
栗
(
くり
)
の
枝
(
えだ
)
の
搖
(
ゆ
)
れるやうな
朝
(
あさ
)
に
父
(
とう
)
さんがお
家
(
うち
)
から
馳出
(
かけだ
)
して
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ますと『
誰
(
たれ
)
も
來
(
こ
)
ないうちに
早
(
はや
)
くお
拾
(
ひろ
)
ひ。』と
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
が
言
(
い
)
つて
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お客の前へ小供が
馳出
(
かけだ
)
して
阿母
(
おっか
)
さんアレなぞと菓子皿へ指をさすのはあんまり見っとも
好
(
い
)
い事でない。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ロレ いや、
賢
(
かしこ
)
う
徐
(
ゆる
)
うぢゃ。
馳出
(
かけだ
)
す
者
(
もの
)
は
蹉躓
(
けつまづ
)
くわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ある日、私は表の方から
馳出
(
かけだ
)
して來まして、格子を開けて上らうとする拍子に
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
に激しく躓きました。私の身體は飛んで玄關に轉げました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お爺さんが止めるのも聞かずに、
馳出
(
かけだ
)
して行きました。この子供が木の実を拾いに行きますと、高い枝の上に居た一
羽
(
わ
)
の
橿鳥
(
かしどり
)
が大きな声を出しまして
二人の兄弟
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
心
易
(
やす
)
い調子で、正太はそこに立ったままお雪に尋ねてみた。子供は、知らない大人に見られることを
羞
(
は
)
じるという風であったが、
馳出
(
かけだ
)
そうともしなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
近所の子供が礼を言って、
馳出
(
かけだ
)
して行った後でも、まだお雪は耳を澄まして、小さな下駄の音に聞入った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その子供が復た
馳出
(
かけだ
)
して行った後でも、親子は時を惜むという風で、母の方は稲穂をこき落すに余念なく、
子息
(
むすこ
)
はその籾を
叩
(
たた
)
く方に廻ってすこしも手を休めなかった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「父さんが帰って来た時、車の上から繁ちゃんに声を掛けたろう。父さんには
直
(
す
)
ぐ繁ちゃんだということが分った。あの時、お前は妙な返事をして
馳出
(
かけだ
)
して行ったじゃないか」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
洋燈
(
ランプ
)
の側にうとうとしていた猫が、急に耳を振って、物音に驚いたように
馳出
(
かけだ
)
したので、奥様も私も殿方の御噂さを
休
(
や
)
めて聞耳を立てていますと、
須叟
(
やがて
)
猫は御部屋へ帰って来て
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と復た岸本が言うと、子供等は
馳出
(
かけだ
)
して行って、「もう沢山、もう沢山」と彼の方で言っても聞入れないほど沢山なリモオジュ土産を彼の前にあるテエブルの上に置いて見せた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
父
(
とう
)
さんは
榎木
(
えのき
)
の
實
(
み
)
の
紅
(
あか
)
くなるのが
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
られませんでした。
爺
(
ぢい
)
やが
止
(
と
)
めるのも
聞
(
き
)
かずに、
馳出
(
かけだ
)
して
木
(
き
)
の
實
(
み
)
を
拾
(
ひろ
)
ひに
行
(
ゆ
)
きますと、
高
(
たか
)
い
枝
(
えだ
)
の
上
(
うへ
)
に
居
(
ゐ
)
た一
羽
(
は
)
の
橿鳥
(
かしどり
)
が
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
しまして
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこに遊んでいた子供の中には、それを聞きつけて、急に
馳出
(
かけだ
)
すのもあった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
向うの暗い方から
馳出
(
かけだ
)
して来て、見ている前で戯れ合って、急に復た暗い方へ馳出して行く犬の群もあった。やがて三四時間もしたら白々と明けかかって来そうな短い夏の夜の空がそこにあった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
中には月あかりの中を
馳出
(
かけだ
)
して行くのもあった。三吉は姪を
庇護
(
かば
)
うようにして、その側を盗むように通った。表の門から入って、
金目垣
(
かなめがき
)
と窓との狭い間を庭の方へ抜けると、裏の女教師の家でも寝た。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と言ひ放ちながら、急に家の方へ
馳出
(
かけだ
)
して行つて了ひました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
馳出
(
かけだ
)
しの小僧にすら遠く彼は及ばなかった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馳
漢検準1級
部首:⾺
13画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“馳”で始まる語句
馳
馳走
馳駆
馳付
馳寄
馳上
馳違
馳落
馳來
馳行