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驅出
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かけだ
幾度か
越前街道の
往來に
馴れて、
賃さへあれば、
俥はひとりで
驅出すものと
心得て
居たからである。しかし、
此の
上下には、また
隨分難儀もした。
せめての
腹愈しには、
吾鐵拳をもつて
彼の
頭に
引導渡して
呉れんと、
驅出す
袂を
夫人は
靜に
留めた。
それ
驅出した、これ、これ、ど、ど、どうしたんだ。
……
船中にて
然やうな
事は
申さぬものだが、
龍宮場末の
活動寫眞が
宣傳をするやうな
風説を
聞いて、
乘らざるべけんやと、
旅費の
苦しいのが
二人づれで
驅出した。
三人ばかり
倒れて
寢たよ、
驅出すのなんざ
一人も
居ない、……
皆な
恁う
腕を
組んで、のそり/\と
草を
踏んで
歩行いて
居たがね、あの
草を
踏むのが
祕傳ださうだよ