“驅出(かけだ)” の例文
新字:駆出
幾度(いくたび)か越前街道(ゑちぜんかいだう)の往來(ゆきき)に馴(な)れて、賃(ちん)さへあれば、俥(くるま)はひとりで驅出(かけだ)すものと心得(こゝろえ)て居(ゐ)たからである。しかし、此(こ)の上下(じやうげ)には、また隨分(ずゐぶん)難儀(なんぎ)もした。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
せめての腹愈(はらいや)しには、吾(わが)鐵拳(てつけん)をもつて彼(かれ)の頭(かしら)に引導(いんどう)渡(わた)して呉(く)れんと、驅出(かけだ)す袂(たもと)を夫人(ふじん)は靜(しづか)に留(とゞ)めた。
それ驅出(かけだ)した、これ、これ、ど、ど、どうしたんだ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
……船中(せんちう)にて然(さ)やうな事(こと)は申(まを)さぬものだが、龍宮場末(りうぐうばすゑ)の活動寫眞(くわつどうしやしん)が宣傳(プロパガンダ)をするやうな風説(うはさ)を聞(き)いて、乘(の)らざるべけんやと、旅費(りよひ)の苦(くる)しいのが二人(ふたり)づれで驅出(かけだ)した。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
三人(さんにん)ばかり倒(たふ)れて寢(ね)たよ、驅出(かけだ)すのなんざ一人(ひとり)も居(ゐ)ない、……皆(みん)な恁(か)う腕(うで)を組(く)んで、のそり/\と草(くさ)を踏(ふ)んで歩行(ある)いて居(ゐ)たがね、あの草(くさ)を踏(ふ)むのが祕傳(ひでん)ださうだよ
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)