トップ
>
駈出
>
かけだ
ふりがな文庫
“
駈出
(
かけだ
)” の例文
(我慢なさい。こんな事をしていちゃ、
生命
(
いのち
)
にも障りましょう。血の池でも針の山でも構わず
駈出
(
かけだ
)
して行って支度して
迎
(
むかえ
)
に来ます。)
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お銀ちゃん栗栖君を何と思ってるんだい。あれはなかなか偉いんだよ。小説を書かせたって、このごろの
駈出
(
かけだ
)
しの作家
跣足
(
はだし
)
だぜ。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
大急ぎで
駈出
(
かけだ
)
して行く広岡理学士の姿が見えた。学士は風呂敷包から古い杖まで忘れずに持って、上田行の汽車に乗り
後
(
おく
)
れまいとした。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
赤い
襦袢
(
じゅばん
)
の上に
紫繻子
(
むらさきじゅす
)
の幅広い
襟
(
えり
)
をつけた座敷着の遊女が、
冠
(
かぶ
)
る
手拭
(
てぬぐい
)
に顔をかくして、前かがまりに
花道
(
はなみち
)
から
駈出
(
かけだ
)
したのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と云いながら
日和
(
ひより
)
下駄を
穿
(
は
)
いたなりで
駈出
(
かけだ
)
し、
突然
(
いきなり
)
喧嘩の中へ飛込みますると云うお話に相成りますのでございますが、
一寸
(
ちょっと
)
一服致します。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
御調べ願ひ夫の
惡名
(
あくみやう
)
雪
(
すゝ
)
ぐべし忠兵衞殿には何處迄も
證據
(
しようこ
)
と成て下されと
直
(
すぐ
)
にも
駈出
(
かけだ
)
すお光が氣色此有樣に忠兵衞は
如何
(
いかゞ
)
なことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さはあれ、呂昇はよき師をとり、それに一心不乱の勤勉と、天性の美音とが、いつまでも
駈出
(
かけだ
)
しの
旅烏
(
たびがらす
)
にしておかなかった。
豊竹呂昇
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何しろ社交上の礼儀も何も
弁
(
わきま
)
えない
駈出
(
かけだ
)
しの書生ッぽで、ドンナ名士でも突然訪問して面会出来るものと思い、また訪問者には面会するのが当然で
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
その胸の
辺
(
あたり
)
を、
一突
(
ひとつき
)
強く
貫
(
つ
)
くと、女はキャッと
一声
(
いっせい
)
叫ぶと、その
儘
(
まま
)
何処
(
どこ
)
とも知らず
駈出
(
かけだ
)
して姿が見えなくなった。
月夜峠
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
其処
(
そこ
)
に車があって馬が付て居れば乗物だと云うことは
分
(
わか
)
りそうなものだが、一見したばかりでは
一寸
(
ちょい
)
と
考
(
かんがえ
)
が付かぬ。所で戸を開けて這入ると馬が
駈出
(
かけだ
)
す。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
或
(
ある
)
夜半、急に顔色を変えて寝床から起上ると、何か訳の分らぬことを叫びつつそのまま下にとび下りて、
闇
(
やみ
)
の中へ
駈出
(
かけだ
)
した。彼は二度と
戻
(
もど
)
って来なかった。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この騒ぎを見て
忽
(
たちま
)
ち五六人駈け付けた。材木置場からも職人が
駈出
(
かけだ
)
して来た。大勢寄って
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も二人を引き
起
(
おこ
)
したが、
何
(
ど
)
うもならぬのはお葉の手であった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
巷
(
ちまた
)
の取沙汰に比較されている
忌々
(
いまいま
)
しさもある。また地方出の
駈出
(
かけだ
)
し剣客がという
蔑
(
さげす
)
みも頭へ先に入っている。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
靴屋
(
くつや
)
はこれを
聞
(
き
)
くと、
襯衣
(
シャツ
)
のまんまで、
戸外
(
そと
)
へ
駈出
(
かけだ
)
して、
眼
(
め
)
の
上
(
うえ
)
へ
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
して、
家根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
を
眺
(
なが
)
めました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
船長
(
おやじ
)
を探すらしく巨大なバナナを抱えて船長室を
駈出
(
かけだ
)
して行く青服の
少年
(
こども
)
を
船長
(
おやじ
)
は手招きして呼び上げた。俺が買って来た
西蔵
(
チベット
)
紅茶の箱を、鼻の先に
突付
(
つきつ
)
けて命令した。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
『
畜生
(
ちくしょう
)
!
行
(
ゆ
)
け! さッさと
行
(
ゆ
)
け!』と
彼
(
かれ
)
は
玄関
(
げんかん
)
まで
駈出
(
かけだ
)
して、
泣声
(
なきごえ
)
を
上
(
あ
)
げて
怒鳴
(
どな
)
る。『
畜生
(
ちくしょう
)
!』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それから先は、
後方
(
うしろ
)
をも
振向
(
ふりむ
)
かず、
一散走
(
いつさんばし
)
りに夢中で
駈出
(
かけだ
)
したが、その横町を出ると、すぐ
其処
(
そこ
)
が
金剛寺坂
(
こんごうじざか
)
という坂なので、私はもう一生懸命にその坂を中途まで下りて来ると
青銅鬼
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
留吉は、十一番地のところまでまるで夢中で
駈出
(
かけだ
)
しました。やれやれとそこで立どまると、あとから
今田
(
いまだ
)
家と襟を染めぬいた法被をきた男が、留吉の帽子を持って立っていました。
都の眼
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
晴衣
(
はれぎ
)
の
亘長
(
ゆきたけ
)
を気にしてのお勢のじれこみがお政の
肝癪
(
かんしゃく
)
と成て、廻りの髪結の来ようの遅いのがお鍋の落度となり、
究竟
(
はて
)
は万古の
茶瓶
(
きゅうす
)
が生れも付かぬ
欠口
(
いぐち
)
になるやら、
架棚
(
たな
)
の
擂鉢
(
すりばち
)
が
独手
(
ひとりで
)
に
駈出
(
かけだ
)
すやら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
磯吉の
食事
(
めし
)
が済むとお源は
笊
(
ざる
)
を持て
駈出
(
かけだ
)
して出たが、やがて
量炭
(
はかりずみ
)
を買て来て、火を起しながら今日お徳と木戸のことで言いあったこと、旦那が木戸を見て言った言葉などをべらべら
喋舌
(
しゃべっ
)
て聞かしたが
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
が、
主従
(
しゅうじゅう
)
ともに
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
したのは、其の首のない
胴躯
(
どうむくろ
)
が、
一煽
(
ひとあお
)
り鞍に
煽
(
あお
)
ると
斉
(
ひと
)
しく、
青牛
(
せいぎゅう
)
の
脚
(
あし
)
が
疾
(
はや
)
く成つて
颯
(
さっ
)
と
駈出
(
かけだ
)
した事である。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
忽
(
たちま
)
ち向うに見える雷門の
新橋
(
しんばし
)
と書いた
大提灯
(
おおぢょうちん
)
の下から、大勢の人がわいわいいって
駈出
(
かけだ
)
して来るのみか女の泣声までを聞付けた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大事な
貝割葉
(
かいわれば
)
の方へ行った。雨に打たれる朝顔
鉢
(
ばち
)
の方へ行った。説教そこそこにして、彼は夕立の中を朝顔棚の方へ
駈出
(
かけだ
)
した。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
老人は
溝板
(
どぶいた
)
をドタドタと
駈出
(
かけだ
)
した。鍋がガチャンとぶつかった音がした。台所からも御新造さんが怒鳴りだした。生徒たちもワーッと声をあげた。
旧聞日本橋:04 源泉小学校
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
威嚇
(
いかく
)
の
辞
(
ことば
)
と誘惑の手から
脱
(
のが
)
れて、絶望と憤怒に男をいら
立
(
だた
)
せながら、
旧
(
もと
)
の道へ
駈出
(
かけだ
)
すまでに、お島は
可也
(
かなり
)
悶踠
(
もが
)
き争った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
又
躄
(
びっこ
)
だと思った
乞食
(
こじき
)
が雨が降って来ると下駄を持って
駈出
(
かけだ
)
しやす、世間にはいくらもある手だから、これも
矢張
(
やっぱ
)
り其の伝でしょう、お止しなせえ/\
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
供の者も大勢
附
(
つい
)
て居る様子、問わずと知れた攘夷の一類と推察して気味が悪い、終夜ろくに寝もせず、夜の明ける前に早々宿屋を
駈出
(
かけだ
)
してコソ/\逃げたことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
奥からは母のお
由
(
よし
)
も女中のおかんも
駈出
(
かけだ
)
して来て、水をのませて、落着かせて、さて、その
仔細
(
しさい
)
を問ひ
糺
(
ただ
)
さうとしたが、おせきは胸の
動悸
(
どうき
)
がなか/\
鎮
(
しず
)
まらないらしく
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
畜生
(
ちくしやう
)
!
行
(
ゆ
)
け! さツさと
行
(
ゆ
)
け!』と
彼
(
かれ
)
は
玄關迄
(
げんくわんまで
)
駈出
(
かけだ
)
して、
泣聲
(
なきごゑ
)
を
上
(
あ
)
げて
怒鳴
(
どな
)
る。『
畜生
(
ちくしやう
)
!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
見れば扇子一本
落
(
おち
)
てあり藤兵衞手に取あげ
能々
(
よく/\
)
見るに
鐵扇
(
てつせん
)
にて親骨に
杉田
(
すぎた
)
三五郎と
彫付
(
ほりつけ
)
有りし故掃部大いに
怒
(
いか
)
り然らば是は
幸手
(
さつて
)
の三五郎が
所業
(
しわざ
)
に
違
(
ちがひ
)
無
(
な
)
し今西の方へ
駈出
(
かけだ
)
して
行
(
ゆく
)
人影
(
ひとかげ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
どうだかね、
私
(
わし
)
、
内方
(
うちかた
)
へ参ったは
些
(
ちい
)
との
間
(
ま
)
だし、雨に
駈出
(
かけだ
)
しても来さっしゃらねえもんだで、まだ帰らっしゃらねえでごぜえましょう。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤い
襦袢
(
じゆばん
)
の上に
紫繻子
(
むらさきじゆす
)
の幅広い
襟
(
えり
)
をつけた
座敷着
(
ざしきぎ
)
の遊女が、
冠
(
かぶ
)
る
手拭
(
てぬぐひ
)
に顔をかくして、
前
(
まへ
)
かゞまりに
花道
(
はなみち
)
から
駈出
(
かけだ
)
したのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お鶴は
滑
(
すべ
)
って
転
(
ころ
)
んだ。お延は
駈出
(
かけだ
)
して行った。お俊も笑いながら、妹の着物に附いた泥を落してやりに行った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
加之
(
しか
)
も二つ、うす暗い奥から
此方
(
こっち
)
を覗いていたが、やがて入口の方へちょこちょこ
駈出
(
かけだ
)
して来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
己
(
おれ
)
今でこそ車を引いてるが、元は
大久保政五郎
(
おおくぼまさごろう
)
の親類で、
駈出
(
かけだ
)
しの
賭博打
(
ばくちうち
)
だが、
漆原
(
うるしはら
)
の
嘉十
(
かじゅう
)
と云った
長脇差
(
ながわきざし
)
よ、ところが
御維新
(
ごいっしん
)
になってから賭博打を
取捕
(
とっつかめ
)
えては
打切
(
ぶっき
)
られ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
居れば危ないから
脊戸口
(
せどぐち
)
から
駈出
(
かけだ
)
して、東京まで逃げて来た、と云うのは両人ともモウちゃんと首を
斬
(
き
)
られる中に数えられて居たその次第を、誰か告げて
呉
(
く
)
れる者があって
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あの
人
(
ひと
)
が
一
(
ひ
)
と
足先
(
あしさ
)
きへお
風呂
(
ふろ
)
に
行
(
い
)
つた
隙
(
すき
)
を
見
(
み
)
て、
足袋跣足
(
たびはだし
)
で
飛出
(
とびだ
)
したんださうでございますの。それで
駈出
(
かけだ
)
して、
車
(
くるま
)
でステーションまで
来
(
き
)
て、
私
(
わたくし
)
のところへ
逃
(
に
)
げこんでまゐりました。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
松さんは大急ぎで俥をひいて
駈出
(
かけだ
)
した。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
成
(
な
)
りたけ
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れて、
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
をお
通
(
とほ
)
んなさい。
何
(
なん
)
なら
豫
(
あらかじ
)
め
其
(
そ
)
の
用心
(
ようじん
)
で、
丁
(
ちやう
)
ど
恁
(
か
)
うして
人通
(
ひとゞほ
)
りはなし——
構
(
かま
)
はず
駈出
(
かけだ
)
したら
可
(
い
)
いでせう……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何となく胸騒ぎがして何処へという当もなく一生懸命に
駈出
(
かけだ
)
し初めると、忽ち目の前に大きな橋が現われた。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と裏の「叔母さん」は
沈着
(
おちつ
)
いた、深切な調子で、生徒に物を言い含めるように言った。お房は洗濯した
単衣
(
ひとえもの
)
に着更えさせて貰って、やがて復たぷいと
駈出
(
かけだ
)
して行った。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其次
(
そのつぎ
)
行
(
い
)
つた時に、
腹
(
はら
)
が立ちましたからギーツと
表
(
おもて
)
を開けて、
廊下
(
らうか
)
をバタ/″\
駈出
(
かけだ
)
して、
突然
(
いきなり
)
書斎
(
しよさい
)
の
開
(
ひら
)
き
戸
(
ど
)
をガチリバタリと
開
(
あ
)
けて先生の
傍
(
そば
)
まで
行
(
ゆ
)
きました、先生は
驚
(
おどろ
)
いて先
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
口入屋の
暖簾
(
のれん
)
をくぐろうかと考えて、その前を往ったり来たりしたが、そこに田舎の
駈出
(
かけだ
)
しらしい女の無智な表情をした顔だの、みすぼらしい
蝙蝠
(
こうもり
)
や包みやレーザの畳のついた下駄などが目につくと
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
男は
突放
(
つきはな
)
して又
駈出
(
かけだ
)
そうとした。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
もう
可恐
(
おそろし
)
く成りまして、夢中で
駈出
(
かけだ
)
しましたものですから、
御前様
(
ごぜんさま
)
に、つい——あの、そして……御前様は、
何時
(
いつ
)
御旅行さきから。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云いながら
真青
(
まっさお
)
になって夢中で
逃出
(
にげだ
)
し、白翁堂勇齋の
処
(
ところ
)
へ
往
(
ゆ
)
こうと思って
駈出
(
かけだ
)
しました。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二階へ上ってから手早く鏡台や何かの引出しをあけて手紙や
請取書
(
うけとりしょ
)
などの有無を調べ、
押入
(
おしいれ
)
からトランクと
行李
(
こうり
)
と
手提革包
(
てさげかばん
)
を引ずり出した後、外へ
駈出
(
かけだ
)
し、円タクを二台呼んで来て
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
制
(
おさ
)
えに制えたようなものが家の内の空気を支配していた。子供等の顔までも何となく岸本には改まって見えた。繁は父の帰宅を知らせるために、学校の方に居る泉太の
許
(
もと
)
へ
駈出
(
かけだ
)
して行った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
雖然
(
けれども
)
、
心覺
(
こゝろおぼ
)
えで
足許
(
あしもと
)
の
覺束
(
おぼつか
)
なさに、
寒
(
さむ
)
ければとて、
三尺
(
さんじやく
)
を
前結
(
まへむす
)
びに
唯
(
たゞ
)
解
(
と
)
くばかりにしたればとて、ばた/\
駈出
(
かけだ
)
すなんど
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らない。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
穏坊
(
をんばう
)
の
畜生
(
ちくしやう
)
、
此方
(
こつち
)
へ
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
やアがると
肯
(
きか
)
ねえぞ、
無闇
(
むやみ
)
に
這入
(
へいり
)
やアがるとオンボウ
焼
(
や
)
いて
押付
(
おつつ
)
けるぞ。と
悪体
(
あくたい
)
をつきながら
穏坊
(
をんばう
)
の
袖
(
そで
)
の
下
(
した
)
を
掻潜
(
かいくゞ
)
つてスーツと
駈出
(
かけだ
)
して
行
(
ゆ
)
きました。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“駈”で始まる語句
駈
駈落
駈引
駈込
駈上
駈足
駈寄
駈下
駈付
駈廻