“金剛寺坂”の読み方と例文
読み方割合
こんごうじざか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この、小石川こいしかわ金剛寺坂こんごうじざかのあたりは、上水にそってが多い。枝の影が交錯して、畳いっぱいにはっている。ゆれ動いている。戸外は風があるのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
金剛寺坂こんごうじざか笛熊ふえくまさんというのは、女髪結おんなかみゆいの亭主で大工の本職を放擲うっちゃって馬鹿囃子ばかばやしの笛ばかり吹いている男であった。按摩あんま休斎きゅうさいは盲目ではないが生付いての鳥目とりめであった。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それから先は、後方うしろをも振向ふりむかず、一散走いつさんばしりに夢中で駈出かけだしたが、その横町を出ると、すぐ其処そこ金剛寺坂こんごうじざかという坂なので、私はもう一生懸命にその坂を中途まで下りて来ると
青銅鬼 (新字新仮名) / 柳川春葉(著)