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駈出
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かけい
ふりがな文庫
“
駈出
(
かけい
)” の例文
されども
渠
(
かれ
)
は聞かざる真似して、手早く
鎖
(
じょう
)
を外さんとなしける時、
手燭
(
てしょく
)
片手に
駈出
(
かけい
)
でて、むずと帯際を
引捉
(
ひっとら
)
え、
掴戻
(
つかみもど
)
せる老人あり。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
舞台はやがて
昨日
(
きのう
)
の通りに
河端
(
かわばた
)
の
暗闘
(
だんまり
)
になって、劇の主人公が盗んだ金を
懐中
(
ふところ
)
に花道へ
駈出
(
かけい
)
でながら
石礫
(
いしつぶて
)
を打つ、それを合図にチョンと拍子木が響く。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
綾子は
堪
(
たま
)
らず、「あれえ!」と血を絞る声を立てられしが、
衝
(
つ
)
と座を立ちて
駈出
(
かけい
)
だし、
一室
(
ひとま
)
の戸を内より閉じて、自らその身を監禁せり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立見
(
たちみ
)
の混雑の中でもあるし、
長吉
(
ちやうきち
)
は
驚
(
おどろ
)
いたまゝ黙つてゐるより
仕様
(
しやう
)
がなかつたが、舞台はやがて
昨日
(
きのふ
)
の通りに
河端
(
かはばた
)
の
暗闘
(
だんまり
)
になつて、劇の主人公が
盗
(
ぬす
)
んだ金を
懐中
(
ふところ
)
に
花道
(
はなみち
)
へ
駈出
(
かけい
)
でながら
石礫
(
いしつぶて
)
を打つ
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
あとは途ぎれてことばなきに、お通はあるにもあられぬ思い、思わず
起
(
た
)
って
駈出
(
かけい
)
でしが、肩肱いかめしく構えたる、伝内を一目見て、
蒼
(
あお
)
くなりて
立竦
(
たちすく
)
みぬ。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「それ
目潰
(
めつぶし
)
。」とお丹の
指揮
(
さしず
)
に
手空
(
てあき
)
の奴等、一足先に
駈出
(
かけい
)
だして、派出所の前にずらりと並び、
臆面
(
おくめん
)
もなく一斉に
尾籠
(
びろう
)
の振舞、さはせぬ奴は
背後
(
うしろ
)
より手を
拍
(
たた
)
きて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
照子はわくせく気を
急
(
あせ
)
らし、腰元附添い
駈出
(
かけい
)
でて、永田町へ……
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“駈”で始まる語句
駈
駈落
駈引
駈込
駈上
駈足
駈寄
駈下
駈付
駈廻